1.《ネタバレ》 テレビスタジオを舞台とすることで、時効に関する説明も体よくフリップ等を利用出来てしまう訳である。
安直ながらもそうした最小限の説明は大いに結構なのだが、クライマックスでの「お前は鏡像だ」云々の台詞は完全に余計だろう。
それは画面を以て語るべきことなのだから。
その直後のシーンで、台詞の通りモニター画像とのオーヴァーラップが登場するわけだが、そのショットが今一つ効果的でないのだ。
成程、わかりやすい台詞の補足が必要なわけである。
そうした説明台詞の過剰さも含めて、この最終盤の地下室シーンは三者の絡みも中途半端で残念なことにそれまでのサスペンスを一気に削いでしまう。
約二十年の経過を体現する伊藤英明と、正邪の逆転を演じ分ける藤原竜也は好演。仲村トオルはアンソニー・パーキンスを思わせる。