66.《ネタバレ》 途中までは何回も気軽に見れる映画だと思う。
個人的にこの映画のコメディはツボに入ったし、
脚本も面白くて笑い通しでした。
本当に途中まではすごく良い映画だったなぁ。
気に入ったところ、
ばかなことを大真面目にやってて好感が持てる。
コメディの間のとり方がうまい。
人数が多いにもかかわらずうまくまとめ個性を出している。
気に入らなかったところ、
後半から金城が優等生になりおばか映画でなくなった。
妙にシリアスにまとめて感動させるように
つまらなくさせた深津のラスト。
・・・結局このふたり(主役)を泣かせちゃったら面白くない。
今までなにでひっぱっていたのか。理由のない強さ勘違いのカリスマではなかったか?
見ているものは(ああ、やっぱりね)と、既存にある狼たちの午後的な
オマージュ映画だとしらけてしまう。途中まで舞台劇のようで面白かったのに。
そこがよかっただけに、(裏切られた)と、作品を後半から別物と見てしまう。
金城武のコメディは天然のおとぼけがあり、筧の計算された舞台俳優のコメディとは
まるで違うがこの映画の前半にうまく生きている。それが後半では優等生。
こんなに面白い映画をどうにかしたいと考えてみた。
問題の後半、狼たちの午後ではなく、大脱走にはならないか!?
浜田がやってくれているマンホールを使わない手はもったいない。
そのあとから二人が首を出してもいいんじゃあないか?
例えそこに銃が向けられていたとしても、まぬけな結末のほうがおかしく哀しい。
ソレが無理ならふたりが銀行を飛び出したあとで終わったほうが良かった。
なにも後味の悪さを消すための見え見えの深津の回想など作らなくても。
あのクリスマスの涙は十分に余計。これさえなければまだ、
狼たちの午後の二人が飛び出したショットで閉じた方がかっこいい。
これだったら8点にはなっただろうに。もったいない映画です。
でもコメディセンスは良かったので、DVDを買い特典で楽しんでる。
特典は時間も多く、楽しく面白いところばかり。娯楽映画なんですから、
本当にあった狼たちの午後の真似はしなくてもいい。