20.恐らく、観ている人の大半が感じたことだと思う。あの同時多発テロを扱った割には重みが無い。政治的背景が殆ど描かれてないから、単なる感動映画になってしまっている。確かに感動もしたし、2人が生きているとの連絡が家族の元に入ったときは泣けてきたのだが、観終わった後には『なんだか違う感じがするな~』という印象が残った。オリバー・ストーン監督の映画という事で、もっと無骨な映画だと思っていたが少々拍子抜けした感じだった。 【みんてん】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-10-25 21:33:06) |
19.《ネタバレ》 別に「狙ってる」感じは受けなかったし題材が題材なだけに真面目に作ったんだろうけど、やっぱ映画として伝えるべき事も伝わってこなかったしわざわざ「9・11」を取り上げる必要性も感じられませんでした。確かにあんな状況から苦しみながらも家族の思って助かった事は素晴らしいと思う。だけど、結局は生き埋めになった何百人の内の「2人」にしか焦点が当てられていない訳で、「この映画で伝えたかったのは何なの?」って思わざるを得ない。どんなに真面目に作ったとしても単なる「悲劇」だとか「悲劇の中の奇跡」だとかでのレベルにとどまっていたなら、それが所詮「ハリウッド映画」と呼ばれても仕方がない。 【たいがー】さん [映画館(字幕)] 5点(2006-10-24 22:26:43) |
18.「9・11」を映画化する場合、様々な視点から描く事ができるだろう。あまりにも多くの犠牲者がおり、それぞれにドラマがあるから。だから今後も「9・11」を扱った映画はたくさん世に出てくるだろう。本作は「娯楽映画」として見るのではなく、1つの「記録映画」として心に刻み込むべきだと思う。これが実際に起きた出来事であるという事を忘れない為に。 【tonao】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-24 22:16:40) (良:1票) |
17.《ネタバレ》 とりあえず閉所恐怖症には辛すぎる映画ということで… NYの警官、しかもアイリッシュとヒスパニックで、ヒスパニックの妻がイタリア&ドイツ系なんて事実じゃなかったら出来すぎ、って設定なのにまず驚き。思ってたよりも淡々とした構成になってたので感心。でもね、ストーンが宗教的情熱で動いている元海兵隊員を描くとは思わなかった、実話であってもね。それに、不覚にも涙した自分自身にも減点です。それにしても、McLaughlinはマクラクリン、マクラクランまたはマクラフリンでしょ。配給会社の要求かも知れないけど、戸田奈津子の面子丸つぶれ× ドナ・マーフィ観れたので1点おまけ。 【shintax】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-10-23 16:29:02) |
16.《ネタバレ》 これは、ストーリーを楽しむ作品というよりは、「9.11」に起こった事実を記録し伝えるための作品だと思います。(事前に思っていたより、非常に淡々としたストーリーでした。) 当時の状況が迫力ある映像で描かれているのですが、これがフィクションでは無く実際に起こった話であることを考えると非常に恐ろしく感じました。 できれば、劇場の画面で見てもらいたい作品ですね。 【TM】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-22 20:10:14) |
★15.《ネタバレ》 オリバー・ストーンをもってしても、この9.11がアメリカにとってどれだけデリケートで慎重な扱いを要するテーマかということを実感させられた作品です。政治的背景も現場の状況もそのほとんどを排除し、実在する3名の港湾警察官の運命と残された家族の姿を淡々と描いていきます。それゆえ、派手なアクションなど微塵もなくそういったスペクタクル映像を期待する向きには本当につまらない映画かもしれません。そしてそれは同時にあの日、私たちがテレビに釘付けになったWTC崩壊という信じられないような報道映像がどれだけ凄まじかったかを物語っているといっても良いでしょう。 穏やかな日常がテロによって覆される、身近な家族のことをただただ想い続ける…そういったマクロな視点であの日起きたことを紡ぎだしていきます。ただただ生き埋めになった3人と安否を気遣う家族の姿を重ねながら。 その単調さ、工夫のなささゆえに「つまらない」と思う方が多いのも当然です。決して「おもしろい映画」ではないでしょう。しかし、実際にあのワールド・トレード・センターに訪れたことある私にとっては胸の痛む映画ではありました。『ユナイテッド93』と一緒に見ると、考えさせられるものがあります。 4K Pure Cinema映写で観ましたが、まだまだフィルムには及びませんね。 【トト】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-10-21 03:15:03) |
14.10年前「The Rock」に挑んだニコラス・毛意地が本作ではRock、Rock、Rock、、岩のような瓦礫だらけの中で耐え忍んでますっ。え、しかし、なんですかこれは・・私もTV番組で「奇跡の生還なんちゃらー」ってやってるのとどう違うの?と。数多の岩石(Rock)の中の石(Stone)2個程度を2個ラス・ケイジに演じさせたとしか思えませんよStone監督。何千組?かの家族に捧げる、とか観てほしい、とかいうメッセージが最後あったように思いますが、まったく失礼じゃないでしょうかね。一部の生存者や関係者に対して、よくやった、よう帰ってきた、と称えているにすぎない、と感じてますっ(おまけに助かる時の決定的なシーンがないに等しいor瞬時で見落とした。怒)。タイトルめちゃたいそう。Wわれ等だけ T助かった Cシネマ って言われても(誰にって? 私。ごめんな)しょうがないよ。最後にもひとつ、個人差有りとはいえ、あんな5ヶ月のお腹・・、まだあった「ああー!息絶えたー」と観客を悲しませておいて、実は生きてて、そのあとえらい元気な声に変わって出してるの、やめてほしかった。その手はサスペンスかホラーに使ってな。ごめんね、冷たくて。監督の名前みたいに(もうええ)。 【かーすけ】さん [映画館(字幕)] 4点(2006-10-19 15:25:31) (良:1票)(笑:1票) |
13.まず、こんなんで「本年度アカデミー賞最有力」とか宣言しちゃうその神経を疑います(そして、もし万が一受賞でもしてしまおうものなら、アカデミー賞に対する信頼なんぞ全て放棄です)。 いや、勿論、911テロ事件で犠牲になった方々や命をかけて救助活動を行った人、その家族、友人達。。。そういう人達への思いは俺も同じです。 でもね、その「鑑賞する我々が持つ、当事者達への痛切な思い」に甘え切っている点で、「映画として」全くの三流だと思う。 ハッキリ言って「世界仰天なんとか」とか「九死に一生なんとか」ってなテレビ番組の15分くらいの生還エピソードの方がよっぽど胸に突き刺さる。 なぜ、これほどまでの事件を(しかも2時間も使って)ここまでミクロな視点でしか捉えないのか? 「2人の救出劇を軸に」ではない。 「2人の救出劇しか」描かれていない(それも極めてありきたりな見せ方で)。 たとえば20年後、こんな映画一本でかほど重大な事件の全容を伝えられると思いますか? 政治的な云々ではない、某かの陰謀がどうこうではない。そういうことを伝えろと言うのではないんです。ただ「旅客機を高層ビルに体当たりさせて罪もない多くの人々を殺めた凄惨なテロ行為」という「基本的な状況説明」ですら観る側に頼り切っている。 「旅客機の激突シーンやビルの崩壊シーンなどの衝撃的な(もしくは事件の全体像を把握できる)シーンは、貴方がニュース番組で観た(相当数の)映像を観客の側それぞれで補完して、自分で完成させてください」というスタンス。 こんな手抜き、許されるのだろうか??? たとえば「これが阪神大震災の現場です」って言っても区別がつかないだろう。 記録映画としては使い物にならない。 ヒューマンドラマとしては深みがない。 パニック映画とも呼べない。 「タイムリーであること」転じて「みんなが知ってる流行り物」みたいな扱いだ。 こんなので何が伝わるのだろう。 オリバー=ストーンともあろう監督が、なんという駄作を。。。 もっともっと「渾身の力を込めて」制作すべき題材ではないのか? そういう意味で、あの壮絶な現場で苦しんだ多くの人々に対する冒涜にすら値するのではないかと思えてくる。 2点。 【とっすぃ】さん [映画館(字幕)] 2点(2006-10-18 23:18:18) |
12.自分も生き埋めにあった感覚で重かった。しかし内容的には同時多発テロじゃなくて災害パニック映画でも撮れる感じがした。 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-10-14 20:43:20) |
11.9.11という大テーマを扱ってる割に得るものや感じるものがまったくなく、アメリカにとっても世界にとっても重大だったこの事件をテレビ並みの安っぽいドラマで描かれてもなぁって感じです。この映画は突然の脅威に見舞われた普通の人たちの驚きや悲しみ、そしてその恐怖を乗り越えて果敢に立ち向かうことの勇気を描こうとしたのでしょうが(いかにもアメリカ人の好みそうな図式です)、残念ながらそうした熱い感情を伝えるような出来ではありませんでした。職務のために身を犠牲にした主人公達の人となりや言動は、事件後さまざまなメディアで取り上げられ、美化されてきたニューヨークの勇気ある公務員そのもの。それ以上でもそれ以下でもないので、この映画固有の登場人物としての深みはほとんど感じられません。港湾警察が「本当か?」と思うほど多彩な人種でバランス良く構成されていたのもなんだかいやらしかったし。また主人公家族の葛藤も本当にありきたりで演出のレベルも高くなく、「炎のメモリアル」や「ワンス・アンド・フォーエバー」といったさほど完成度の高くない過去の作品と同程度のものしか見せてくれません。9.11というテーマがテーマだけに勝手に脚色できない、娯楽作として面白く作りすぎると不謹慎ととられる、それでいてアメリカ人の中にある9.11物語にかなった話にせねばならない等大きな制約がいくつもあったことは推測できます。日本において戦争映画を作ると、必ずと言っていいほど反戦平和を前提にしたつまらない映画ばかり出来てしまうのと同じ現象がここでも起こったのでしょう。しかしこれをよりによって元ハリウッドの問題児オリバー・ストーンが撮ったというのがおもしろい。思想を揺さぶるような映画を得意していた彼がまさかこんな飼い慣らされた映画を撮ってしまうだなんて。しかも一方では、批判にさらされることを覚悟の上でハリウッド歴の短い気鋭の監督が大胆に撮りあげた「ユナイテッド93」があるのですから、人って歳がいくと丸くなるんだなと、妙なところで納得してしまいました。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 3点(2006-10-13 22:02:36) (良:1票) |
|
10.事実に基づいているとはいえ、どうしても「ハリウッド」の香りがただよってきそうで入り込めませんでした。(個人的にニコラス・ケイジが苦手なだけかも)9.11関連なら「ユナイテッド93」の方を薦めます。 【芦毛牝馬】さん [試写会(字幕)] 5点(2006-10-13 01:17:04) |
9.相変わらずの正義っぷりの良さの裏に潜むキナ臭さで、どうも鼻白んじゃうんだよねこの監督は。9.11の悲劇に便乗しちゃった感アリアリ。 【mimi】さん [映画館(字幕)] 5点(2006-10-12 00:55:56) |
8.《ネタバレ》 ……。なんですかね?確かに感動はしたんだけど、何か物足りないような気がするのはみなさんのレビューを見る限り僕一人だけではないようですね。あの映画からは、911がどれほど悲惨で、重大な事故だったのかは伝わりません。なぜなら話があの2人だけを中心に進むから。もっと、他の犠牲者だとか、家族とか、警察・消防の四苦八苦やらを描いてもよかったはず。だって、実際そうだったんだから。 しかも話が一本道というか、救出される前に2人でいろいろ話してるときに過去を振り返ったり、未来を想像したり、もっと何かできたはず。 この映画を見ながら、ふと「炎のメモリアル」にそっくりな話だと思いましたけど、僕としては炎のメモリアルのほうが感動した。こっちはもっと重大(事故に大小つけるわけではないが)で、世界中で知られている事実を描いてるんだからそれなりの作りを期待してしまった。なんだかなぁ。映画としてはあっけない終わりかたでした。 【AXL侍】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-10-11 19:39:30) |
7.《ネタバレ》 これは非常に評価の難しい作品ですね。素直に感涙していまい何度も何度も泣けました。崩れ落ちる衝撃は一般家庭のDTSサラウンドでは音量に限界があるので映画館で見るべし。あの恐怖を少しは体感できるかも。しかし、あの一大事件をあの二人だけに焦点をしぼって作ってしまっていいのだろうか。救われなかったほとんどの人の家族はどう捉えるのだろうか。エレベータのボーイの話をもっと・・・と思いませんでしたか?もっともっとたくさん悲惨な背景があったはずだと思います。長い時間をあの二人だけに割いたのは何らかの理由、意図があってのことかもしれませんが物足りません。確かに感動しましたが、できればイラクやアフガニスタンなどにも空爆の悲惨さや残酷さを訴える同等レベルの映画を作って欲しいものです。一方的じゃあね。 【shirasu】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-10-10 20:53:47) |
6.これは絵空事ではありません。全世界が驚愕した事実です。世界貿易センタービルの崩壊シーンがTVで繰り返し流れる度に、テロの恐ろしさ、忌わしさ、そして、結果たくさんの人々が犠牲になっています。最初、この映画はビルのシルエットが象徴的なポスターで知りました。2本のビルの間に小さな小さな人間のシルエットがふたつ。本編の主人公である2人の警官が立っている有名なポスターです。監督がオリバーストーン。政治的な匂いが漂ってきそうな、そんな印象を受けました。しかし、映画は実に淡々と、真正面からこの災害を、瓦礫に埋もれ必死に生きようとする人間を描いています。テロだとは知らず、ビルが全て無くなった事も知らず、2人は互いに声を掛け合い、生きようとします。妻を想い、子供を想い、家族を想う。生きるという行為にすがる手だてが、やはり自分だけの命ではなく、家族あっての自分だというのは、どこの国でも同じ。暗い画面の向こうで交わされる2人の会話に胸が震えます。また、彼等を助けようとする人々も、名声や報酬が欲しい訳でもなく、ただ人間の素朴な本能に基づき、崩れそうな瓦礫の中に挑みます。大袈裟な演出もなく、ただ感傷的に盛り上げる音楽もなく、どちらかというと地味に作り上げられた作品です。映画以上に事実としてのドラマがそこにあったからなのでしょう。映画の最後、元気になった2人が感謝の会で見せた笑顔に涙がこぼれました。重い涙でした。心の充足というよりも、受け止めねばならない問題を観る者に与える映画でした。とりとめのない感想でごめんなさい。ただ、多くの人に観て欲しい作品ではあります。 【映画小僧】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-10 09:51:19) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 事実に基づいた作品ってことで、最後のテロップは泣かされましたね。生まれてくる赤ちゃんの名づけのトコも。でもねぇ。イエス様にペットボトル持たせないで欲しかったなぁ。あれはいただけません・・。 【ゆみっきぃ♪】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-10-07 20:50:35) |
4.《ネタバレ》 ん~?ん~??んん~???なんだか自分、この映画過剰に期待しすぎちゃったかもしれないですねぇ。勝手に己の中で先日公開された「ユナイテッド93」があくまで前座、こっちが9・11映画真打ちだと思いこんでたっていうのもあるんだけど・・・。映画的昂奮みたいなものが意外に稀薄で拍子抜けしてしまいました。もちろんあらかじめ事実というか、結末がどうなるのかっていうのはどちらの映画も知っていた上での鑑賞。地下からの必死の救出劇と、待機してる家族たちの想いっていうのは誇張なく見ごたえはあったんだけど、途中から「なんかこれ別に『ワールド・トレード・センター』じゃなくても良くねえ?」ってついつい余計な考えが頭から離れず・・・すみません!それにしてもマギー・ギレンホールって目元あたり弟のジェイクそっくりですね。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 4点(2006-10-07 15:16:47) |
3.《ネタバレ》 ちょっと前ですが試写会当たったので兄と観てきました。 正直申し訳ないですがつまらなかったです。 別に9.11に思い入れがある訳でもないのが原因か? どっちかというと、その後貿易センターで死んだ人の数以上犠牲者出しながら更に4万人殺した戦争と、 おかげさまで欧米とその周りの世界に波及した、テロの実行と都会のど真ん中に住んでる事で危険度が高くなったことのほうが思いいれが強いです。 話は逸れましたけど、初めの30分で結構見所が多くて疲れました。 崩れる貿易センターとそれを見上げる警官達や、情報が錯乱してなにが起こっているのかわからず混乱する様はよく出来てて凄いと思います。 ただ、その後は間眠くなるほど中だるみでした。 崩れた瓦礫に埋もれた警官と、安否を気遣う家族、回想、その後の展開に繋げるシーンがぐるぐる廻るんですが、 世界中の人がテレビで貿易センターの崩れた様子を観て悲しんでるシーンとか、幸せな回想シーンなんかが安っぽく見えて白けまくりです。 救出にかける、後の1時間は「俺たちは正義の為に一丸となって助け合い出来るんだぜ」というのがわざとらしくて更に白けました。 本当にこうだったっていうのをリアルに表現したらしいですが(観た後で知りました)、 悲しかったんだぞー、ドラマにしよう、美化しよう、っていういやらしさが見えるのは気のせいですか? キリストがペットボトル持ってるのはリアル? あとコレはワールドトレードセンターにする必要あったのですかね?9.11を題材にしてるのにこのミクロ感は…逆にそれがいいのかな? 映画見終わった後の二人の第一声が「ただだから許せるよな」。 これに感想が凝縮されてました。 【ひで太郎】さん [試写会(字幕)] 2点(2006-09-30 13:58:34) |
2.あの日の混沌をマクロの視点で「再現」した「ユナイテッド93」に対し、こちらは世界貿易センター・ビルでの救助活動中に生き埋めとなった二人の警察官とその家族にフォーカスし、ミクロの視点で「ドラマ化」した災害映画になってます。オリバー・ストーン作品ながら政治的背景や主張を感じさせず、また、珍しく落ち着いた演出で、正統派映画に仕上がってました。唯、その所為で、題材が「9.11」である必然性は余り感じられませんでした。薄暗い中で身動きの取れない警官二人が励まし合うという、全く動きの無いシーンが映画の半分近くを占めますが、脚本や編集構成が巧みなので、最後まで感情移入して観ることが出来るでしょう。「炎のメモリアル」なんかとは比べものにならない完成度ではあります。そんな訳で、6点献上。 【sayzin】さん [試写会(字幕)] 6点(2006-09-14 00:05:19) |
1.オリバーストーン渾身の一作。グリーングラス監督とは全く別のタッチで9.11を描いた誰にでも勧められる素晴らしい感動作だ。久々に映画を観て泣けた。 本作で描かれる「家族の想い、家族への想い」「生きる希望」「人々が協力して窮地を乗り越える姿」は、創りモノやフィクションではない、リアルな感情に本当に胸を打たれる。 マクローリン(ニコラスケイジ)とヒメノ(マイケルペーニャ)の家族が二人の安否を気遣う悲痛な叫びに呼応するように、マクローリンとヒメノの二人は「家族への想いや愛」を「生きる希望」へと変えていく。ヒメノ夫妻が、近々に産まれてくる娘の名前に希望を見出していく展開は実に感動的だ。次世代という未来に対する明るい希望を託しているように感じられる。 また、本作にはもちろん「テロへの批判」が十分込められていると思う。 罪のない者が味わう地獄のような苦痛、幸せな家族が突然襲われる不条理な悲劇、これらは二家族のみが味わったものではない。本作の背景には約3,000もの家族の姿があるということが忘れられない。そして、「テロに対する屈しない姿」がここには描かれている。これも本作に込められた強いメッセージだろう。 ただの感動作に終わらないのには、もう一つ理由がある。それはオリバーストーンとマギーギレンホールの存在だろう。最近「プラトーン」、「サルバドル」というストーン監督作品を見てみたが、「アメリカの欺瞞」がしっかりと描かれていた。また、ギレンホールはかつて「9.11テロはアメリカにも責任がある」と発言し問題になった。 アメリカもある意味では間接的、直接的に同様のことを他国の人々に経験させているかもしれないと分かっているはずだ。単に「アメリカ万歳」という思想の持ち主ではなく、「アメリカ」という国がどういう国で、どういうことをしてきたのかをしっかり考えている彼らだからこそ、この作品はより光を放つのではないか。 テロへの批判であるばかりでなく、罪のない人々が巻き込まれる全ての争いに対する批判となっていると感じた。アメリカ自身もこのようなことを他国に経験させてはならない。そういう意味では、間接的には「アメリカ批判」と捉えることもできるかもしれない。 ストーンが描くことにより、9.11を利用した商業的な映画でも、単なる感動作でもなくなった。彼が演出することで深みを増した映画になったと思う。 【六本木ソルジャー】さん [試写会(字幕)] 9点(2006-09-07 00:07:04) |