6.今となっては使い古された感があるプロットも多いけれど、本当に見ごたえのある映画です。このころの日本のエンタテイメントは本当に力があるのに、今はなんでこんなになったんだろうと疑問に思いました。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-02-11 14:21:29) |
5.《ネタバレ》 とにかく仲代達矢がすごい。全編にわたりシャープな質感を維持し物語は進んでいく感じがとても良い。冷酷な殺人鬼が今後どうなるのか?と思わせての、あえて切ったラストにはすがすがしさすら覚える。とても良かったとオモイマス 【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-05-29 10:39:16) |
4.《ネタバレ》 仲代達矢演じる大学生伊達の目の力強さが凄い。見た感じは真面目の様でありながら実際は凄い悪人ぶりである。常にギラギラしていて自分の目的の為ならばなんだってやる。殺人だってお構い無し!日本人が作る映画やドラマによくある犯罪者に同情をみたいな物など一切無しである。至ってクールであり、センチメンタルなど全く無い。そんな物はむしろ嫌いであるのだ。ある店で貧しい姿で花を売りに来た老婆に対しても金をやるから歌え!踊れ!と吐き捨てるし、同情で金を貰う奴など許せないといった有り様だ。そんな主人公が完全犯罪を成功させ、飛行機で日本を去る。しかし、完全犯罪など成立しない。ラスト伊達の恋人を見つけた刑事、東野英治郎が放つ台詞は犯罪者は何処へ逃げようが犯罪者であり続けるのだというメッセージが込められていて、色んな意味で考えさせられる映画になってる。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-11-27 21:31:31) (良:1票) |
★3.《ネタバレ》 仲代達矢が主人公 伊達邦彦を演じる東宝の「野獣死すべし」。やはり以前に見た松田優作主演の角川映画とは印象がだいぶ違うのだが、本作のほうがシンプルなつくりで、分かりやすく、かつ当時は日本映画ではまだ珍しいハードボイルド映画の雰囲気も角川版よりもあり、こちらのほうが自分としては好み。本作の伊達邦彦は角川版以上にギラギラしていて、演じる仲代達矢の癖の強さもあって、何を考えているか分からない怖さがよく出ている。それをいちばん感じるのは花売りの老婆(三好栄子)とのやり取り。伊達から強要されて踊り続ける老婆を見つめるあの眼の演技は仲代達矢ならではで、これだけで伊達邦彦という男の怖さや冷酷さをすごく感じられた。それにこのシーンはこれが最後の出演作となる三好栄子も迫真の演技を見せていてとても見ごたえがある。予告編で20代スタッフを中心に制作というのを強調していたが、まだデビュー間もない須川栄三監督は白黒画面をフルに活かしていて、さきほど書いた映画のハードボイルドな雰囲気をうまく映えさせているのがうまい。それに、犯罪映画としてだけではなく、刑事映画としての面白さもあると思う。ただラストが尻切れトンボのような感じになってしまっているのはちょっと残念だった。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-05-15 18:36:39) |
2.知的で冷酷、そして少し狂っている主人公の伊達邦彦。応援してるつもりは無かったが、刑事が家まで来たときはドキドキしたりなんかして、なかなか面白かった。一発だろうと撃たれた人は即死(?)というあっさりとした撃ち合いもテンポの良さに結びつき、往年のハリウッド映画のような感じを受けた。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-03-07 22:01:35) |
1.気分としては『太陽がいっぱい』に近いが、こっちのほうが早いのか。完全犯罪志向の青年。一番画面が緊張するのは、バーで花売り婆さんの三好栄子に、主人公の仲代達矢が金で歌わせ踊らせる場。この三好栄子の痛々しいみじめさがうまくて。センチメンタルを憎むってことを、眼をギラギラさせ渾身の力を込めて描かなければならない時代だった。仲代のクールもどこか必死、血圧の高めなクールなの。それだけ世間に蔓延しているセンチメンタルへ、新しい世代が苛立ってたってことなんだろう。映画のなかで警官が「目つきが気にくわなかったからと人を殺す時代になった」と言っていたが、でもまだクールになるためには若者も必死にならなければならなかったのだ。主人公にも、父親の自殺や貧困といった経歴が必要とされていた。犯罪者も、現代のようにノッペリとしていなかった。科学捜査とカンの捜査の対立ってようなことも描かれていて、犯罪も捜査も、質が転換しつつある時代だった。そんな時代の感触がよく分かる作品。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-06-01 11:57:21) |