23.《ネタバレ》 侘しい漁村の風景に、目の前は雪の舞う日本海の荒波。もう行き着くところまできてしまった、といったところか。 この寂れた寒村の閉塞感が、足を洗ったヤクザたちの行き詰った人生をそのまま投影しているようで、こういう邦画ならではの情感は味わえました。 でも映画のよさはこの空気だけで、主要な登場人物たちのほぼ誰一人にも共感できないという、たいへん残念な映画ではありました。 私はむしろ、やかましいヤクザたちよりは、健さんに見せた、いしだあゆみさんの静かな怒りの形相に底知れぬ恐怖を感じます。健さんの紋々が夜叉ならば、彼女の表情はそう、、例えるならまるで「般若」だ。 【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 4点(2020-09-12 13:22:58) |
22.《ネタバレ》 高倉健と降旗康男監督のコンビの中でも「駅 Station」に次ぐ名作だと思います。 高倉健は背中に夜叉の刺青を入れた寡黙で意思の強い元ヤクザの漁師を演じています。いしだあゆみは高倉健の過去も全てを受け入れた素敵な奥さんを演じています。田中裕子は女性からは嫌われるますが男性からは好かれる不思議な魅力のある女性を演じています。男なら自分が利用されてると分かっていても田中裕子のような女性がいたら助けたくなってしまうのでしょう。そして最も強烈なのはビートたけしで、ヤク中のチンピラを演技とは思えないほど好演しています。全体を通して海の街の漁師と彼らの奥さんたちの暮らしぶりがたっぷりと描かれています。夜に一人で登場人物のセリフと表情をじっくりと噛みしめながら見るような作品です。ネタバレになりますが、最後田中裕子は街を去ります。。。去った後、夜汽車の中で高倉健の子を身ごもったことを知り微笑みます。その時の彼女の顔がまさに夜叉に見えて恐怖を感じました。彼女はこれからどんな人生を歩んでいくのでしょうか。。。 【みるちゃん】さん [DVD(邦画)] 10点(2019-09-22 14:40:15) |
21.健さんの作品の中でも、この作品は特に面白い。まー田中裕子に心奪われてしまうのなんかは、カッコ良いものではないのだが、人間臭くささが実にいい。いしだあゆみはいい奥さんで健さんをいつも支えているのが何とも健気だ。奥さんと蛍子に挟まれて健さんがダンマリになってしまうシーンは思わず笑えてしまった。健さんは言わずもがな、田中裕子、いしだあゆみの演技力は流石。またそのうち観たい作品。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 9点(2016-11-27 23:00:34) |
20.ええと、テーマは薬物汚染ですか。いやあ、邦衛さん、どの映画観ても言動がちょっとおかしいと思ってたんですが、やっぱりヤッてましたか(笑)。ってのはどうでもよくって。 みんな、過去から逃れられないんですね。過去がもたらす、シガラミから。 高倉健は、拭うに拭い切れない「夜叉」の過去を背負って生きている。田中裕子も、ビートたけしへの気持ちからは逃れることができない。逃れることのできない2人の間に、さらに逃れきれないシガラミが生まれる。そりゃ、田中裕子が美人かどうかはともかく(ゴメン)、いしだあゆみよりはイイだろう(さらにゴメン)、だけど、いしだあゆみの眼力が、決して高倉健を自分から逃れさせない。 過去のシガラミを、「現在」が乗り越えていく。 夜汽車の中での、田中裕子のニタリという笑顔がコワイ(笑)。人はそうやって、わざわざ好きこのんでシガラミを作っていくのか。 それにしてもラストの、青年からのあの寝ぼけた手紙は、一体何なんでしょうね、毎日が楽しい、青春はスバラシイ、だってさ。ああこれはきっと、離れて暮らすオヤジを安心させるために、ツラい毎日を隠して書いたんでしょうね。それだけ大人になったということ。と思うことにしましょう。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-06-26 09:42:03) |
19.《ネタバレ》 一周忌を偲んでを立て続けに鑑賞した5本の中では比較的感情移入できた作品。足を洗って15年の現役漁師がいい女に懇願されて、自分の家族を顧みずにいい女のヒモを取り返しに行く。単身で乗り込んだのに夜叉は無傷で帰ってくる、さすがは高倉健。田中裕子、いしだあゆみ、ビートたけし、みんないい演技だった。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-11-13 23:24:26) |
18.《ネタバレ》 夜叉と呼ばれた男の話。 高倉健さんは言わずもがな、田中裕子さん、いしだあゆみさん、ビートたけしさん、小林稔侍さん、みんないいですわぁ。 いい出演者とじっくりした脚本、30年前の作品ですが、これぐらいのペースの映画はいいですね。 『お薬』がなくなってがに股で包丁振り回すたけしさんに対して、健さんの回想シーンの修羅場にはカッコいいBGMが。 同じヤクザでそりゃないよ!って気もしましたが、それぞれキッチリ役割を演じているなwってのが印象的でした。 それにしても田中裕子さんは美しいですね。 あの人にお願いされたら仕方ありません! 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-06-07 08:47:09) |
17.《ネタバレ》 夜叉がどうしたこうした ミナミがどうしたこうした 蛍がどうしたこうした 矢島がどうしたこうした 所詮、人の痛みも分からず過去には好き勝手な事をやってきた人種の戯言。あんだけ派手なもんもん入れておいて女の為に足洗い、長い年月経ても懲りず、また女の為に(しかも違う女の為に)ミナミに復活。なんも得る事がないカスのような話だ 嫌い。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2014-03-16 18:14:49) |
16.《ネタバレ》 途中で健さんの背中の刺青がばれる場面が重要なポイントになるはずなんだけど、その前とその後で、登場人物の行動も話の展開も何も変わっていない。したがって、制作者はこの刺青を何のためにつけたのか、という話の根本が存在しないのです。つまり、舞台となる港町と飲み屋を外形上作り上げた時点で満足してしまったということ。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2014-03-10 01:13:21) |
15.何か北の国からみたいなキャスティングだな。いしだあゆみに田中邦衛、大滝秀治もだし、田中裕子の役名が蛍子って、もう北の国からしか頭に浮かばない。相変わらず高倉健はかっこ良い。いるだけで絵になる数少ない俳優さんだ。作品全体の雰囲気を壊すことなく高倉健が健さんワールドで魅せる。見せるではなく魅力するから魅せるなのだが、それだけであって北の国からみたいなキャスティングと雰囲気を感じさせながらも感動して泣けるような作品には感じない。良く言えばどこから見てもこの監督らしい作品であり、悪く言えばこの監督さん、降旗康男監督らしくあと一押し足りない。この同じキャスティングで山田洋次監督か市川崑監督で見たい気がしてならない。けして悪い作品ではないがやっぱり何か物足りない。 最後にもう少しだけ! 昭和を代表する映画スターが次から次へと亡くなって昭和の日本映画ファンとしては凄く淋しい。健さん、皆の分まで是非長生きしてください。 私はどんな作品であれ健さんがいる作品が見たい。まだまだ沢山見たいです。 【青観】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-07-24 23:51:07) |
14.料簡が狭いもんで主人公の心のうつろいが理解できません。最後のいしだあゆみの笑顔に献上する点です。 |
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13.《ネタバレ》 元ヤクザの男が家族や村のためではなく、惚れた女のために15年ぶりにミナミに戻る。友人で留まっていればともかく、体の関係を持った以上、美談にはならないなって感じ。かといって、知らんぷりできないのもよく分かるけど…。修治、冬子、蛍子の渋い三角関係にマッチした情緒的な映像と音楽は見事。居酒屋のシーンは特に好きだな~。高倉健も相変わらずのカッコよさ。かつて仁侠映画で一時代を築いた人だからこそ、この役に説得力がある。そして、なんといっても田中裕子の存在感。当時まだ30歳、いやぁ本当に凄い。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-08 18:06:10) (良:1票) |
12.降旗監督も高倉健も好きだが、若いときの高倉健は好きでない。若い頃の高倉健と言えば任侠映画や網走番外地などのヤクザ映画、人は男っぽく格好良いと言うが私は大嫌い。だが後年の高倉健は影のある男の渋さが光っていた。それがどうだろう、映画の役がと同様に15年ぶりぐらいにヤクザの世界に舞い戻ってしまった。 映画自体は完成度が高くすばらしいできだと思う。何よりいしだあゆみと田中裕子という二人の女性が良い。特に田中さんは、いじあゆみという奥さんがいてもついふらふらとなるような色っぽさだ。ビートたけしも戦場のメリークリスマスでは何かようわからん役だったけど、今度の矢島の役はピッタリだったと思う。 前半は非常に良いと思うが、足を洗っていたのになぜ舞い戻ったかが納得できないので減点せざるを得ない。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-08-26 23:53:37) |
11.《ネタバレ》 劇中の冬子と同じく『何でそこまで』感はやはり少し残る。でも『一度でも情を交わした女のために義理を果たさはったんや』と再度観てみて思った。健さんの魅力は素晴らしいですが、せっかくミナミの雰囲気を出そうとするんなら、何でたけしやったん?って思います。シャブ中患者の怖さは迫力満点。いいですが、あのしゃべり方はないでしょ?関西弁のしゃべれる人はようけいはるのになんかもったいないなぁ・・・。そこが減点です。いしだあゆみ・田中邦衛・大滝秀治・田中裕子(色っぽいですね)など、脇(出色は奈良岡朋子。姐さんが板についててかっこよかった!)が素晴らしいだけに余計にそう思う。当時女子大生の私にとって、この時の健さんはまだまだ恋愛対象でした。ほんまにかっこいい・・・。 【バッハバッハバッハ】さん [映画館(邦画)] 9点(2012-02-08 16:44:55) |
10.なんてことないストーリーでんですけどね・・・でも健さんはかっこいいし、田中裕子もいい。ビートたけしも石田あゆみもみんないい。冬の海もいいし全体の雰囲気もいい 【東京ロッキー】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-03-11 09:59:00) |
★9.《ネタバレ》 高倉健のヤクザ映画を見るのは「冬の華」に続いて2本目だと思うが、ひょっとしたら刺青を入れている健さんを見るのははじめてかもしれない。ヤクザ稼業から足を洗い、刺青を隠して妻のふるさとで漁師として生きる男を演じているのだが、なかなか味があってカッコイイし、ビートたけしとの共演は当時かなり話題になったんじゃないかな。この頃の健さんの妻役と言えばいしだあゆみという印象が強いが、本作でもやはりいしだあゆみで、それに飲み屋の女主人である田中裕子が絡むという微妙な三角関係が見ごたえあるし、包丁を振りかざして田中裕子を追いかけ回すたけしの演技もいかにもこの人のキャラに合っていて良かったし、なにより、音楽の使い方や美しい海の映像が見事にマッチしていて雰囲気的にはかなりいい。でもちょっと演出や脚本に難があるのが惜しいかな。とくに最後、田中裕子が妊娠したことをにおわすシーンはやや不要だった気がして後味が少し悪い。(このシーンの田中裕子の笑顔はなんかこわかった。)田中裕子はのちに「ホタル」で健さんと夫婦役を演じてるが、本作を見た上であの映画で夫婦役をやったことを思うと何か妙な気持ちになる。(それを考えれば本作で田中裕子がやっている飲み屋の名前が「蛍」というのが興味深く思えるけど。)いしだあゆみは抑えた演技でなかなか良く、とくに健さんが大阪へ旅立つ前の夜の健さんとのやりとりが印象的だった。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-09-21 14:34:14) (良:1票) |
8.好きな監督・カメラ・キャストですが、だからこそガッカリ。 狭い漁村で刺青も隠して生活しているのに、車で密会したり ラブホのカーテンが開け放たれていたり ワケ分からん・・。 でも海のシーンはどれも綺麗だったので、カメラに4点献上。 【グレース】さん [DVD(邦画)] 4点(2009-07-23 00:35:06) |
7.健さん渋い、かっこいい。ビートたけしの存在感さすが。いしだあゆみもいいが中でも田中裕子の妖しさは圧倒的。さらにこの映画で魅かれるのは海の景色です。若狭湾の漁村から見える海、砂浜ごしに見える荒波、風に舞う赤い唐かさ。音楽、景色、役者、個人的に大好きな映画。 【マンフロント】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-12-19 23:10:26) |
6.稔侍は健さんのとこで漁師の弟子入りすればええがな。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 6点(2006-09-06 19:17:12) |
5.田中裕子の妖しい魅力にぞっこん。 初見は高校生ながら惚れたぜって思いました。 声がいいんだよね。宮崎アニメの「もののけ姫」でエボシ御前の声優を務めてますがセクシーです。 健さんが大阪に旅立つ朝、ヤクザ時代の服を取り出すシーン、いい絵です。 海をバックにバス停で佇む健さん、かっこよさにのた打ち回った記憶が。 トゥーツ・シールマンスのハーモニカも哀愁をかきたててますが、ややそぐわない感じ。 |
4.たけしの人間凶器と化した暴れっぷり最高。漁師町を舞台にしてるのも哀愁増してていいです。 【モチキチ】さん 7点(2004-03-13 18:27:58) |