108.《ネタバレ》 アカデミー賞11部門おめでとう!近年の受賞作では、
特に良い映画でした。受賞した映画を素直に楽しく見られる
のは、本当に久しぶりというか珍しい。それほど当たり前。
特にSF部門(定義が定かではないが、SF部門に入る)は、
長いこと評価されなくて、取っても撮影賞どまり・・
作品、監督が評価されるSFはなかったのでは?脚本の素晴らしさ
ですねこれは。この素晴らしい原作を脚本にし、映画が見せる
ことを可能にした。観客は読んでいるのではなく、感じなければ
いけない。空想、逸話、このジャンルで痛さや辛さも感じられ、
本筋の御伽噺で終わらせる品の良さ。
特に好きなスメアゴルで始まり(彼こそこのお話の言いたかった事を表すキャラでは?)指輪の結末も彼で終わる。私は原作も読んではないのですが、自己との戦いにつきるのではないのでしょうか?自分探しの旅というテーマはありきたりですが、このような物語になれば感情移入もでき、痛さや辛さ悲しみまで伝わります。
登場人物(キャラ)は架空ですが、誰の心にでも潜み、あるいは
力になるから共感できる。
二番目に好きなのが、サムです。
サムが語りだすと何か違う。情のあるキャラですね。
スメアゴルが現実的な自己だとすれば、サムはファンタジー
そのものの優しい犠牲的な空想のキャラなのかも。
それが人間くさいからまた逆にいい。
RPG的な面白さという点では、同時に別の場所で戦闘や旅が展開されていく。これは小説で昔からよくあり、本を閉じ栞を挟み明日の楽しみに置いておく。それがいっぺんに見られる贅沢。
悪魔の塔が崩れるシーンでは、思わず拍手をしたくなった。
終わったあと、また1が見たくなった。もとの場所に帰りたく
なった。1、2、3の間に10年くらい過ぎてる気がした。
今回も戦闘シーンがやはり苦手な中世っぽくて心配でしたが、
2のように古臭くなく飛んでいた。飛びすぎ・・だから、
面白かった。あのくらい飛んでないと。マンモスや鳥?が、
画面一面の人間を踏み進む。そして真っ白な古城の優美さ。
ファンタジーもおおいに楽しめ娯楽映画としても楽しい。