3.《ネタバレ》 なんて優しさに満ちた、優しさだけしかない作品なんだろうと思った。
最初は単純に同性愛者のラブストーリーなのかなと思って見ていたら、社会に対する性的マイノリティーの立場や偏見などをしっかりと描いていて考えさせられたし、さらには子供の親権を争う法廷ドラマ的側面や、その合間に挟まれる主人公のカップルと子供との愛に満ちたドラマ、さらには田舎町での他者の人々との交流等を描いていて凄くリアルな人間描写に引き込まれた。
主演の2人の演技も良いのだが、なんといっても子役がいい!
あの女の子の存在がなかったらここまでの傑作となり得なかったのではないか。
子供の素直すぎる発言がいちいち刺さった。「パパもママもじん君も皆で暮らせばいいのに」
その言葉通り、束の間全員で過ごすラストのシーンがとても素晴らしくて泣けた。
余談ですが、同監督の「mellow」も観たかったけど、北海道ではまだ公開されていないという悲しみ…。