ブタがいた教室のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ブタがいた教室

[ブタガイタキョウシツ]
2008年上映時間:109分
平均点:5.58 / 10(Review 40人) (点数分布表示)
公開開始日(2008-11-01)
ドラマ学園もの動物もの実話もの小説の映画化
新規登録(2008-12-19)【素敵な鯛の靴】さん
タイトル情報更新(2024-05-22)【イニシャルK】さん
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監督前田哲
助監督橋本光二郎
キャスト妻夫木聡(男優)星先生
田畑智子(女優)池沢先生
池田成志(男優)小鷲先生
大杉漣(男優)仁科教頭
原田美枝子(女優)高原校長
北村匠海(男優)拓実
松原菜野花(女優)松原菜野花
ピエール瀧(男優)榎木伸哉の父
清水ゆみ(女優)音楽教師
戸田菜穂(女優)甘利花の母
北山雅康(男優)
脚本小林弘利
作詞トータス松本「花のように 星のように」
前田哲「Prayer」
作曲トータス松本「花のように 星のように」
民謡フランス民謡「クラリネットをこわしちゃった」
主題歌トータス松本「花のように 星のように」
挿入曲清水ゆみ「Prayer」
製作日活
関西テレビ
読売新聞社
配給日活
美術磯見俊裕
編集高橋幸一
録音小野寺修
あらすじ
生きることは、食べること。そして、食べることは殺すこと。豚の飼育を通して、生徒たちにそのことを考えさせようとした、ある教師の姿と、生徒たちのリアルな討論を描く。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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【クチコミ・感想】

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12
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40.《ネタバレ》 観る前はバカにしていたが、実際観てみると、予想外にもかなり泣かされた映画だった。
冒頭、教頭が言う。鶏じゃダメなんですか?
うん。じつにまともな意見だ。
観始めてすぐから主人公の先生が、やたら罪作りなやつに見えて来る。

例えば、台風の日にPちゃんの世話をしにくる子供たち。名前を付けた上、こんなに世話してたら、もはや絶対に喰ったりなんかできないだろうなあ。

小学六年生の議論が続く。これは学園紛争の映画だ。
Pちゃんがいなくなる。見つけた時には捕獲のひと等によって連れ去られようとしていた。いちご白書が脳裏をよぎる。
足にしがみついて阻止しようとする男の子たち。その中にはPちゃんを食べようと言い、ついさっきまでPちゃんがいなくなってよかったと言っていた男の子も交じっていた。うを!

ラストにもう一発衝撃的な場面が用意されていた。
食肉センターのひとたちにとっては、子供たちが愛したブタではなく、たんにこれから肉として加工される豚。
衝撃的だった。
せめて肉屋(クラスの中に肉屋の息子がいる)の親爺くらいの人物であってほしかった。
ブタは生き残るもんだと勝手に思い込んでいた。この場面に出くわすまで、どこで反転するんだろうと思っていたくらいだから、この場面には俺自身がうちのめされた。

そして荷台にブタの載ったトラックを追って走る子供たち。うーむ。さよなら、僕の友達。

なるほど、これはいい映画だった。

いい映画に対して評論的なことを言うのは差し控えたいが、撮り方のうまさなのか、26人もいる子供の区別がついたことは、驚嘆。

けっきょく学園紛争の闘士たちは、(ファッションだったやつ9割を除けば)この映画に登場する子供たちと同じで純粋だったのだ。


劇中で「正解はありません」などと小ぎれいなことを先生が言っているが、それはめくらましに過ぎず、正解はあらかじめ決まっていた。
「食べるってことは命を受け継ぐってことなんだ」などといった舐めたセリフ等によって、「命あるものを頂くという意味」を問う「重いテーマ」を持った映画だと誤解した人が多いみたい。
作り手はそんなこと考えてない。元からニュースになったりドキュメンタリーになっていたらしく、おそらく便乗しただけだ。

俺は単純に、悲劇として、かなりの感情移入をもって観た(おそらく甘利花を通して)。
それは、だいたいこんな感じだ。
自分は畜産農家に生まれた。初めて自分がメインで育てた家畜。名前も付けて一所懸命育てた。喜びも悲しみも共にした。でも。
売られちゃった……。
けっきょく、そういう衝撃(純粋で小利口じゃなく初体験だったから、衝撃になった)を登場人物や舞台設定を変えて、現代風に描いた映画だった。

その意味で希望(子供にだけ許される無邪気かつ理想的な希望)を打ち砕かれる映画だったし、歴然と悲劇だった。そして悲劇であるがゆえに!
俺はこの映画をとてもいい映画だと思ったのだ。

うん。じつにいい映画だった。

(売っただけで、自分たちで食べるという当初のゴールは達成しなかったはずだ。クラスの半分が食べたくないと言っているから。つまり食肉に加工してもらって(この場合は加工賃を支払う)戻ってきたわけではない。単に売っただけ。その点において、まさに農家と同じだった。そして売り上げ金はブタの法的所有者だったはずの先生の懐に入ったはずなのだ。これは先生を批判している人の批判の内容が的外れであることを意味する)
おら、はじめちゃんさん [DVD(邦画)] 8点(2023-04-23 06:01:59)
39.動物とか命とか、そういうの弱いので。
結末を想像しながら観て、前半でもう泣いた。

あくまで過程だけを描いたものなので、
最後は割とあっさりでした。残念。

改めて、命に感謝して食べよう。
愛野弾丸さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-09-24 06:48:33)
38.《ネタバレ》 動物好きの小学生相手に、哺乳類に「名前をつけるな」というのは、まず無理なんじゃないかと。中学生でも無理な気がする。高校生なら、なんとか名前なしで、家畜としての哺乳類を世話できるかも。

ペットとして育ててしまった豚を、食べる、食べないと論争になってしまった。それでいいじゃないかと私は思う。もし家畜として育てたのなら、そもそもこんな論争になっていない。花火大会に豚を連れ出したりしないし、楽しい思い出をわざわざクラス単位で作る必要もない。教師だって、それを許さずに「餌やりと掃除だけしなさい」と命じなければならない。それで、本当に食育になるのだろうか。いや、食育以前の問題だと思う。「命」という概念を、これだけ真剣に子供たちが自発的に考えることができたのは、名前をつけて、愛情をかけて、一生懸命に育てたブタを、名づけ親である自分たちが、殺さなければならないから。このことの、何が間違っているのだろう。現実に、子供たちは、Pちゃんの命に責任を持つことで、命の重さ、尊さを、いやというほど学んだ。3年生に世話を委ねようとしたり、反対意見を言う相手に全身でぶつかっていったり、失敗、希望、挫折を、何度も何度も繰り返した。その悩みの深さ、出口の見えないしんどい思いを、半年近くも引きずってきた。社会人顔負けの悩みっぷりだ。その半年間で、彼らがどれほど精神的に成長したことか。ブタを飼育せずに過ごした無難な小学生ライフと比べて?  人や動物を問わず、救うことができない命があるという不条理な真実を、彼らは苦しみながらもしっかり学んだ。

また、Pちゃんがブタだったからよかったのだ。魚釣りでは、完全にエンターテインメントになってしまうし、ふだん私たちが食べない(食べる国もあるけれど)犬や猫なら、そもそも命を奪うわけにはいかない。人が食べる動物を、「可哀そうだ」と言って通らない残酷な世界があることに、子供たちは気づかなければならない。そこを乗り越えないと、感謝して命をいただき大切に生きる、ということが理解できないし、謙虚な心が生まれない。この作品では、どの子供たちもPちゃんの短い命を思って涙を流した。いっぱい泣いて、他者が受ける痛みを肌で感じて、子供たちは強くなればいい。
tonyさん [インターネット(邦画)] 9点(2019-03-30 00:21:40)(良:1票)
37.いくつかのレビューにもあるけど、この先生の教育内容は拙すぎて問題があるなあと。ただ、ちゃんと問題があるよという視点で映画は作られている。何が正しいかを主張しているわけでもなければ、議論の有り方としても「これが良い」とは全く言ってない。問題提起という意味では、観ている側にいろいろ考えさせている時点で成功している。
ただ自分が気になったのは、映画だとしても議論の様子がわざとらし過ぎるなあと。子供達が、次々と席をきちんと立って淀みなく色々な意見を違う人間が順繰りに言うっていうのは、ちょっと非現実的に映った。リアリティのある題材だけに、この点が非常に残念で、「作られた議論」という印象を持ってしまったので個人的に面白さは半減以下でした。
もんでんどんさん [地上波(邦画)] 4点(2017-01-04 14:33:58)
36.《ネタバレ》 自分が見た限り、生命の問題を考えるというより教育のあり方に関する問題提起のように感じられる。児童に自分の頭で考えさせるという目的は達していたようだが、一方で担任教員の指導方法に問題があることもしっかり描写されており、必ずしもこれが理想の教育というつもりはないらしい。また年少者にシビアな体験をさせて特定の観念をすり込もうとする洗脳まがいの手法ということでもなく、むしろ徹底的なディベートを経て何らかの結論を導こうとする、いわば民主主義の学習のように思われた。
児童の議論の中で、テーマを考えるための材料は一応出揃っていたようである。担任教員は無責任にウンウンうなずくだけで腹立たしく思われたが、それがこの場に求められる正しい態度だったらしい。後半になると、当面の課題解決に向けて児童の意見が2つに集約された形だったが、その2つに限ってみれば感情問題を優先するものと、あえて理性的対処を主張するものの2派を形成していたようである。説得材料として「卒業」などという観念(笑)を創作する児童もいたりして、子どももそれなりに考えていることを示していたようだった。

ただし民主主義の学習の場として明らかに不適切なのは、最初に飼育を決定したのが実質的に担任教員だったにも関わらず、これを児童が自分らで決めたことのようにすり替えていたことである。後半になるともう児童が自分らの責任と思い込まされて泣きながら議論していたのが痛々しい。
これはわが国にあるムラ社会の全体主義であり、自由意思に基づかない集団の構成員にまとめて責任を負わせるやり方である。こういうことを今でも学校教育の中で平然とやっているとすれば非常に危険であり、いつの日か自分らの決定と思い込まされたまま戦争に駆り出されて死んでいく国民を育成しているようなものである(…ちょっと左派風に表現してみた)。この点では全く納得できない映画だった。

以上、全体としてけっこう真面目に作り込んだ印象はあるが、こういう微妙な映画に正数の点を付けてしまって点数分だけ肯定的と取られるのが嫌なため、ここは採点放棄ということで0点にしておく。
なお余談として、理性派の筆頭である松原菜野花さんの母親役で出ていた大沢逸美という人は久しぶりに見た(むかし少し好きだった)。イメージがかなり違うが、ふとした表情の変化に昔の面影が感じられると言えなくもない。
かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 0点(2016-04-22 23:44:19)
35.微妙な内容ですが実話らしい自然な出来栄えに涙腺が刺激されました。
ProPaceさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-08-06 19:56:18)
34.《ネタバレ》 レニーゼルヴィガーとユアンマクレガーが出ている「ミスポター」でのワンシーン。レニー扮するポターが、田園地帯を散策中、牛の世話をしていた農夫にたずねる。「この牛は、なんて言う名前なの?」それに対して彼は答える「家畜に名前はつけません。殺すときかわいそうになるのでね」・・・・・・つまり、これが「ブタのいた教室」が0点である理由の全てなのである。

この教師は、子供達にブタにPちゃんという名前をつけさせてしまった時点で

”生き物を食べるために育てる=家畜”



”生き物をかわいがるために育てる=ペット”

の違いが分かっていない愚かな教師だ。 育ててから子供達で食べるかどうか決めさせるのであるなら、スタート時点で名前をつけず、「家畜」「ペット」の境界をニュートラルにする必要がある。しかし、すでに名前をつけて「ペット」に分類させたブタを、最終的に食べるかどうか決めさせるなんていう行為は「育てたブタを食べるかどうか?」ではなく「かわいがったペットを食べるかどうか?」と子供たちに迫る愚行なのである。

いわば「戦地で食べモノがなくなったら、死にかけの戦友を食べるかどうか?」という議論をするようなものだ。われわれとて、ペットとして飼っていた動物は食べたくもないはず。

そんな意味不明で議論のテーマにもならないことを、おおまじめな顔で議論し、見当外れの意見がとびかう教室。空いた口がふさがらないのである。

食物連鎖のピラミッドは自然の摂理。それにしがたい、生きるために上の階層が下の階層の生物の命を奪うことには罪はない。
罪があるのは、生きるため以外、すなわち装飾のために毛皮とるために殺すとか、ハンティングのような娯楽のため殺すことだ。教師が教えるべきことは、そのことであって、「生きるために動物を殺すことはアリかナシか?」ではない。人間はほかの生き物と違い「感情論」を持つ生き物であるがゆえに、生き物を殺す葛藤が生まれる。でも大事なのは、食物連鎖という自然の摂理に従い下層の生き物の命をいただき、その食べ物に感謝すること、そして、食べモノを粗末にしないことであることを伝えることが教師の役目だ。

それを伝えたうえで、毛皮はぎの現場の映像資料を見せ、食物としてでなく装飾目的で動物達が糞尿と病気が蔓延する劣悪な環境で大量に育てられ生きたままこん棒で殴ったり感電して失神させられ生きたまま泣き声をあげようが容赦なく皮をはがされ、まだムシの息で生きたままの皮をはがれた動物達の山が食べられることなく積み上げられ廃棄されている場面をしっかりと目に焼きつかせることも教師の役目だ。

子供達の母親世代には、毛皮の現状も知らずダウンジャケットのフードのフチにリアルファーがくっついているのを何の意識もなく購入して「きれいでしょ」くらいの気持ちで着用している。そうした親が子供に毛皮の罪を教えることは期待できないのなら、学校で教えるしかないだろう。

名前をつけてペットとして飼育したブタを食べるかどうかなんていう意味のない議論をするより、学校のウサギ小屋にいるウサギを教室に運び込んで「みなさんの着ている上着を飾るために、このウサギを生きたまま殴って気絶させて皮をはいで、みんなの上着に縫い付けるかどうか議論しましょう」と、毛皮の真実を教えるほうがよっぽど、命の重みを学ばせることができたのではないか?



最後にひとつ。

ディズニーピクサーの「モンスターズインク」で、外来の汚染生物であり危険な存在と認識されている”人間”の女の子。マイクはその子をどうやってモンスターの世界から追い出すか、それまでの間彼女をどう隠すか、を必死で考えているのに、マイクの親友サリーはその子に<ブー>という名前を付けてしまう。それを知ったマイクは叫ぶ

「名前なんてつけたら、愛着わいちゃうでしょ!」

そう。だから私は言いたい。


「ブタにPちゃんなんて名前つけたら、愛着わいちゃうでしょ!」
フィンセントさん [地上波(邦画)] 0点(2014-08-04 15:37:46)(良:3票)
33.《ネタバレ》 特に問題意識をもたないで観たのでイマイチのめりこめなかった。
まぁこれだけたくさんの子役を使って不自然さがなかったのは「やるなぁ」となぜか上から目線の感想を持った。
もっとドラマ性を持たせることもできたし、食肉に関してもっと倫理的に社会的に突っ込もうと思えば突っ込めたけど自制したんでしょうねぇ。
それはいいと思う。
真面目な家庭が問題意識をもってお子様と一緒に鑑賞する用の映画。
CBパークビューさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-07-26 06:45:34)
32.《ネタバレ》 最初こそコメディタッチを装っているが普段人が目を向けない事をテーマにした完全にシリアスな方面に振り切れた映画で、中々他では味わうことのできない怖さを味わわせられた。完全に予想外の映画だった。子供達は一生懸命で無垢な存在だが、やはりこんな残酷な問題に曝されるのは多少不憫さを感じた。即ち、子供達はずっとPちゃんの行く末について議論をさせられていたが、その導きが全くない。最後の方で先生の無責任をついてくれるセリフがあって当時はスカッとしたが、しかし同時に「完全に自主性に任せたからこんな議論ができた」というセリフも否定には至らない。つまり、自分は教育とは誰かの導きが必要(特にこんな難しい問題扱うときは先生はぶれちゃだめだろ)と思ってたが、そもそもこの問題に答えは無いというのがこの映画のスタンスであり、一般的にもその通りだからそもそも考えることから始めましょうという思惑にハマっていた訳だ。その意味で入りやすいガッコウとブタは最適だったが、やや冗長だったね。言いたいことが無いならもっと短くしてくれた方が後味は良いw■最後に→誰かの父がKREVAに激似だったのがワロタ。貴重な生い立ちぽかったからもう一言欲しかったが。あとたまに出てくる絵。これは何か勘違いしているw小6の絵はもっとうまいぞww最後の最後に。ここのレビューを見るのを楽しみにしてました。同じような意見も個人的には多く見受けられて嬉しい。けどこの映画をこき下ろしている人(12、13の方etc)の話は特に興味深い。やはりここに書き込む人は相当に知的な方が多い。そんな自分はやはりこのようなテーマから目を背けて生きてくのが精一杯でありますが、今日これを見て少しだけ何かを考えただけでも及第点としよう。
liptontonさん [DVD(邦画)] 8点(2013-02-21 06:35:02)
31.子供に見せるにはぴったりですね。
アフロさん [地上波(邦画)] 5点(2011-09-15 11:07:26)
30.《ネタバレ》 「人も」生き続けるには食べ物を食べなければなりません。それを止めれば死ぬことができます。
生姜焼き、ハンバーグ、美味しいから人はお金でお肉を「買って」食べるわけです。
豚の栄養価が低く不味いなら食べることから外され、動物園でしか見ることができない豚となってきます。
野生のイノシシは存在しますが、畑を荒らしたり人を傷つけると拘束されます。
多くの豚の繁殖行為が失われ(家族が減るともいう)、いずれにしても人が管理する下で豚は生きて行かねばなりません。
豚にとってどちらが幸せなのかはわかりませんけど。
人はお金で食べ物を買いますが、「食べ物」の「お客」という立場ではありません。
食べ物に感謝をして食べることが大事です。
いただきます、ごちそうさま、ありがとう、食物の命の上に成り立っているということ。
だからこそ人は無駄に生きられないのだと思うことが出来ます。
この映画では豚を実際に食べませんでしたが、生徒がその豚を食べてこそ答えが出るのだと思いました(もちろん食べたくない生徒に無理に食べさせない)。
答えとは、食べた後に生徒個人個人が「思うこと、感じたこと」です。
生かす、殺す、のどちらかでもなく、食べる、食べないに成るべきだったですね。
身を持って体験するとはここまでを指すのでしょうし。
ペット同様に飼っていた豚を食べることで、子供たちはより濃い日々を送れるのではと思いました。
にゅうたいぷさん [地上波(邦画)] 5点(2011-08-12 12:37:05)
29.《ネタバレ》 脚本に良い点と悪い点が混在していると強く感じました。良い点は子どもの表情や言動が非常に”それ”っぽいこと。食に対して議論する子どもたちのたどたどしいのだけれど、自分の意見を真剣に伝えようとする表情が印象に残ります。そしてキャラクターの立て方も上手い。大して一人ひとりがクローズアップされている訳ではないのに、いつの間にか個々に個性が生まれている。だからこそ生徒たちの食に対する迷いも強く伝わってきました。悪い点はPちゃんを「食べる」か「食べない」か、という二元論に終始していること。広く知られている通り、今の世界では食に対する態度は多岐にわたっています。それも子どもに伝えなければ真の食育とは言えないと思います。それから余談になりますが、音楽の使い方が極めて不愉快。悲しいシーンではノスタルジックなピアノの音楽をひたすら流す。音楽で無理やり感動させようとする演出は大嫌い。
民朗さん [地上波(邦画)] 5点(2011-07-16 16:45:25)
28.《ネタバレ》 テーマはとてもよかった。
生き物は皆、他の生き物を殺して生きている。それは人間だけに限らない。
でも、おそらく「殺すことはいけないこと」「殺すのはかわいそう」という発想は、人間だけのものだろう。
「殺す」という必然の行為と、「殺したくない」という感情。その葛藤にむき合わせることは、本当に重要な教育だと思う。
様々な意見が出てくること、そしてそれを1つにまとめないところは、素晴らしい。だからもちろん映画として「これが正しい答えです」なんてものは、なくて正解。
ただ、この映画は後半、物足りなかったのも事実。同じことの繰り返しになってしまって時間がもったいなかった。せっかくなら、もうちょっと掘り下げてほしかったな。
コウモリさん [地上波(邦画)] 6点(2011-06-25 14:29:05)
27.《ネタバレ》 作中で豚を食べるのか、生かすのかという形上の決着は出ましたが、どっちがいいかという本質的なところでは結局結論は出ずでしたね。しかしそれでいいんだと思います。最終的な結論や立場は違えど、一匹の豚の生命に対して真正面から向き合って考えるという最高の教育はできたのではないでしょうか。どっちの立場の子供も、今後スーパーで豚肉を見ても今までのようにただの売り物の食糧とは見なくなってるのではないでしょうか。
ペットとして愛情を注ぐか、自分たちが生きるための糧として見るかは大人でも意見が分かれる問題かもしれません。しかしそんな葛藤を通じてあの子たちは豚に限らず、自分たちが頂く命に対して真剣に向き合えるのだと思います。映画として多少大げさな誇張やゲタ履かせはあったかもしれませんが、それを飲み込んで充分満足な作品だと思います。現実にあそこまでうまくいくかどうかは別として、子供たちの討論の様子に心打たれました。良作★
TANTOさん [DVD(邦画)] 8点(2011-06-24 23:56:22)
26.《ネタバレ》 見る価値もなかった。起きてて損した。
私は田舎があって祖母が鳥を飼っていたものだから、卵を産まなくなった鳥は最後はしめて、美味しく頂いていた。それでも、卵になりかけのものもあった。
羽根をむしり取り、たね(小川とも呼べない小さな川)で、捌いてきれいにして、煮物になって出てきていた。一部始終を見ていた私。生のささみは甘かった。
人間の為に卵を産んで、最後は殺されて食べられる。そういうのを小学中学年で理解していた自分には、非常にくだらない作品だった。
もちろん、そういう子供が少ないのも分かっている。
ラストも半々になるのも分かりきっていたし、あの先生にはとてもじゃないが、扱えないテーマだったと思う。振り回された子供たちがむごいだけだ。
トラックを追いかけるシーンもげんなり。
子供たちの論議もどれも正当だが、結局、食べているんだから。名前をつけたブタは食べれなくて、スーパーで売られている鶏や牛は食べれるんだから。
どうせやるなら、少々残酷だが、先生の手で、手にかけ、解体し、子供たちに食べさせるべきだと思った。それが命の重さであり教育ではないのではないかと。
食肉センターに送るなど、論外。
べるぜさん [地上波(邦画)] 1点(2011-06-21 19:02:38)(良:2票)
25.《ネタバレ》 ちょっとどう評価してよいのか困る作品。
映画として見れば、なんかドキュメンタリーっぽく粗い編集で
「命あるものを頂くという意味」という根底のテーマがわかりやすいから、なんとかついていけているだけで、映画自体の出来は正直悪いと思う。
実話ベースらしいのですが、どこまで脚色したのでしょう?
まぁ、色々考えさせられるんですよ。
自分達の飼っていた豚を食うが善か、食わぬが善か。
子供達にその選択を迫るのは正直、酷で、酷だからこそ命の意味について真剣に考えるというテーマがあるわけなんだけど、
ちょっと許せない部分があって、
妻夫木聡演じる先生は、あんな大胆な命題を子供達につきつけて置きながら本人がブレにブレるんですよね。
こんな教育をするな、とは言わない。でも、一歩間違えれば子供達にトラウマを与えかねない、この方法は絶対に大人はブレてはいけないのだ。
どれだけの批判を浴びようが、子供達から何の支持も一切もらえなかろうが、絶対ブレてはいけない。
ところが、この先生はブレにブレて下級生まで巻き込む始末。
正直、立派な教育だとは思えなかったな。脚色の部分だとしてもOK出しては行けない脚本だと思う。
あと、卒業を間近に控えて多数決で丁度半分に割れるなんて、
やはり、この先生の器では抱えきれていない教育方法だったのではないか?
そんなことを考えていたから、
最後のトラックを追いかけるスローモーションのシーンは妙にしらけてしまった。
バニーボーイさん [地上波(邦画)] 4点(2011-06-20 23:33:47)(良:1票)
24.《ネタバレ》 人間は偽善者だと私は思います。口蹄疫に感染した宮崎の農家にとって、牛は我が子。 せめて病気になった我が子を処分する前に最高の餌を与えたいと涙を流す。 これをみて我が子を売る商売でいいのかよ!という人はあまりいない。 なぜならば農家の人が必死で育てた牛は、人間に食べられることが本望だというのが人間の考えだからである。もちろん子供にはまだ分からないことです。すべての人間は生きるために「偽善」を抱えており、 そしてあらゆる偽善者が自分を棚に上げて、別の偽善者を批判する。これが世の法則なり。この映画を見て、観客である偽善者が、あのセンコーは偽善者だと叫ぶことも「法則」なのです。いずれ子供はそれを知ることになる。あの先生がその真実を早く教えてくれた。私の嫌いな妻夫木のナミダビームも今回は許そう。飼っていた豚も、海に乗り上げて苦しんでいる鯨も、矢に刺さった鳥も、全部大切な命だ、助けなくてはいけない。その一方で猟銃の免許をとってスポーツ競技として鳥を撃ち殺す人間の真実よ。吉野家の豚丼を、かわいそうだと言って涙を流して食べる人間など皆無である。豚は牛よりちょっと安くてお得だな、と思うぐらいだ。子供たちは別の知らない豚ならば美味しく食べて「ごちそうさま」と礼儀正しく手をあわせる。良い子なのだ。子供とは無知ゆえに純粋さを保持できるのだと思う。我々人間は吸血鬼だ。誰かを殺して血を吸って生きる生き物と同等なのだ。己の罪を自覚すること。業を知ること。これが作品の主題だと考える。あの先生はじつに偉い。まるでダークナイトにおけるジョーカーのようだ。性悪説の伝道師よろしく一貫した哲学を持っている。目をそむけるな!見ろ!聞け!知れ!そう必死で叫んでいる。映画は不愉快だと面白くない。しかし人生は不愉快を感じることで真実を学ぶことができる。
花守湖さん [地上波(邦画)] 8点(2011-06-18 23:05:51)(良:1票)
23.《ネタバレ》 (途中からでしたが、つい観入ってしまいました 昨晩9時からの地上波放送で。)
最後、悲しかったから 見終えた後でソッコーでふて寝した。フロも入らず、着替えもせず、電気も消す事なく自分の部屋に立て篭もりふて寝した。(ガキか自分。)  
勝手、試練を与えられた僅か1クラス分の(気の毒な) 生徒たち6年生。
または、引き継いでもらいたかったのに引き継いではもらえなかった理不尽な思いにさらされてしまった3年生。
6年2組の子ども達26名と一部3年生の顔が自分としては鮮明に焼きついてしまった(泣きじゃくる顔と悩める顔と怒る顔。)  
そんな子供達の熱い討論と護送されてくPちゃんの後ろ姿にいてもたってもいられなかった 異常な程に涙出た。
作品としては良いものだったと思うが、教育過程としてはあまりに行き当たりばったりで、これが研究授業の一環だったというのなら、一担任教師の指導任せにしておくのはあまりに危険ですね 多感な時期の子ども達のハートを痛め過ぎる危険が大。到底良い事だったとは思えない。
3737さん [地上波(邦画)] 8点(2011-06-18 22:54:45)
22.テーマ性は重い。答えが無いだけに。先生、ちょっと重過ぎる課題を子供に与えてしまったね。映画的にはそこそこよくできている。子供が感極まって泣きの絵が多かったのはこっちはちょっと入り込みにくくなってる。Pちゃんの可愛い絵は少し狙いすぎがでてあざとい。
タッチッチさん [地上波(邦画)] 6点(2011-06-18 22:07:29)
21.この特殊な状況を本当に1年間経験したら,食育云々はもう関係なくなっているのでは?可愛いペットをわざわざ殺せるか?という単純な話のような気が・・・クラスの意見が割れていた事に驚きを感じます.実話が話題になった後,他の教育現場に広がる動きが起こらなかったのは,分別ある大人の冷静かつ妥当な判断でしょうね.とケチをつけましたが,私は泣いたわよ~ん.妻ちゃんの涙,芝居に見えなかったし.
マー君さん [地上波(邦画)] 6点(2011-06-18 00:15:16)
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【点数情報】

Review人数 40人
平均点数 5.58点
0410.00%
112.50%
200.00%
312.50%
4512.50%
5512.50%
6717.50%
7717.50%
8820.00%
912.50%
1012.50%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.00点 Review1人
2 ストーリー評価 4.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 4.00点 Review2人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 9.00点 Review1人
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