17.《ネタバレ》 う~~ん、なんかイメージと違いました。私はハリウッド映画なんだからもっと銃撃戦が迫力あって、爽快感もあって硫黄島版「プライベートライアン」みたいな作品かと思ったのですが・・・ 実際は爽快感は微塵もなく、とても地味目な印象を感じました。良い部分もたくさんありました。渡辺謙が演ずる栗林中将はかっこ良かったですが、どうも主人公達に感情移入できなかったです。なんか戦ったというより逃げ回ったという方が正しいような奮闘ぶりでした。 あと、一ヶ月が経つのが速く感じました。そのせいでアメリカ軍が苦戦しているという雰囲気はなかったです。一言「5日で作戦は終わるはずだったのに」とか入れて欲しかったです。 最後に、まるで邦画を見ているようでした。 【のび太】さん [試写会(吹替)] 6点(2006-12-12 18:12:29) |
16.案の定と言うべきか『父親たちの星条旗』に続き私に大きな感動と混乱をもたらした。過去のイーストウッドならば渡辺謙を自らの分身とし、主人公として描いたであろう。しかし今のイーストウッドはそれを絶対にしない。でもこの作品に登場する日本人たちは軍国主義の思想が蔓延する中でもそれぞれが自分自身の思想を持ち続ける孤高の戦士たちだ。すべての人がイーストウッドの愛すべきアウトローなのだ。だから表面的には過去のイーストウッド作品とは異にしながらも『父親たちの星条旗』と反するように実にイーストウッドらしい映画のような気もする。それぞれが兵士であるまえに一人の人間であることが強調される。かといって人間ドラマで逃げない。「天皇陛下万歳」、一人を除いて誰もが心からそう叫ぶ。戦死した祖父が戦地から私の父に宛てた手紙がうちにあるのですが、「お国のために」という当時の空気がその一通の手紙からも読み取れます。そんな風潮が前提としてあることをけして濁さない。「一人を除いて」の一人とはもちろん主人公であり語り部である二宮和也である。彼は今の時代の人間がタイムマシーンに乗ってやってきたかのような人。そうすることで今の時代の我々観客とその戸惑いを共有する。過去の悲劇を今に伝える伝道師の役目を担っている。それからもう一つ。『父親たちの星条旗』で友人を死なせたことを永遠に悔いる衛生兵の苦悩、その友人の死のこの『硫黄島からの手紙』での扱いのなんてあっけないこと。二つの作品がセットになることで戦争が個にもたらすものの大きさが実に顕著に表されていると思う。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-12 12:45:31) (良:1票) |
15.よくまぁここまでストイックな話を作れたと思う。これだけの題材、派手でカッコよくスカッとサワヤカな娯楽大作に出来ただろうに、抵抗に抵抗を重ねあくまでも淡々と粛々と話を進めていく精神力にまず脱帽。ただ、やはりなんというか栗林中将活躍のシーンが少ないのがちょっと残念ではある。彼らが1日でも長く守りたいと思った、たとえそれが強制された建前であったとしても…今の日本をどう思われるか、それが心配。 【ちょび】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-12 10:01:36) |
14.《ネタバレ》 「父親たちの星条旗」同様に極力エモーショナルに描くことは避け、「真実」を炙り出そうとしている。本作を観て、硫黄島で「何があったのか」を知って、観たそれぞれに何かを感じ取ってもらいたいという強い意図が感じられる。何かを押し付けるということはほとんどしていない。 「家族からの手紙又は家族への手紙」を有効に利用することや、大げさに演技させることによってエモーショナルに描くことは簡単である。本作の題材ならば、ストレートに観客を感動させることなど容易いだろう。だが、あえてそうしないのがイーストウッドの味であり、「わび」と「さび」ではないか。もちろん「戦争」をエンターテイメントに利用する気など微塵もない。栗林の知略をこと細やかに説明することも、壮絶な穴掘りの苦痛を描くこともしない。「戦争」を美化するつもりはないからだ。 イーストウッドの映画は昨今のハリウッド映画とは異なり、ただ映像を垂れ流すだけの「一方向」の映画ではない。映画を通しての「問いかけ」があり、観客は映画から何かを感じて考えるという「双方向」の映画なのだと思う。誰でも撮れる普通の映画ではなく、イーストウッドでしか撮れないから評価されるのだろう。 自分が一つ強く感じたのは、中将という司令官であっても、ただの一兵卒であっても、そして敵の兵士であっても、皆愛すべき家族がおり、愛される家族の一員でいたということだ。この点に関しては、身分も国籍も関係ない。それぞれの想いは、日常的な生活を綴った手紙や千人針に静かに託されているのが印象的だ。アメリカ側から本作を観た場合、「敵」であっても、バロン西のような人間的な痛みを知るものと戦っていたことを知らしめるだろう(伝説となっているバロン西投降勧告(真偽は不明)も当然描かない)。 また、「星条旗」同様に「戦争」には正義も悪も、英雄もいないということを強く描いている。「戦場」にあるのは醜さだけだ。 アメリカ側としては、日本人捕虜を抹殺する姿や、戦利品を強奪する姿や、「星条旗」では誤射によるアメリカ兵の死ですら描いていた。 日本側としても、アメリカ兵をリンチする姿、敵側に投降しようとする者を撃ち殺したり、戦場から後退しようとする者の首を刎ねようとしている姿が描かれている。 「万歳」といって自決する姿にも、玉砕しようとする姿(伊藤中尉)にも、「美しさ」はない。あるのは、「虚しさ」だけだ。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-11 21:20:21) (良:1票) |
★13.『父親たちの星条旗』と同じく淡々と描かれていました。空虚感が物凄く伝わってきて何とも言えない気分になりました。 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-11 20:06:44) |
12.《ネタバレ》 よくも悪くも全世界での上映を念頭に置いたアメリカ白人による日本映画だったと思います。現在に伝えられる史実を、西郷という一兵卒を狂言回しとして描くというねらいはうまかった。監督は彼を通して物語ったんでしょうね。日本映画なら他の登場者、特に実在の人物がいいかげんになるでしょうが、さすがハリウッド、脚本が見事でした。世界を視野に入れているため重要な部分が端折られ残念、たとえばトンネル掘りの大変さとその総延長の凄さ、火山島であるため地熱による暑さと硫黄ガスの苛酷さ。ゴキブリの量もとんでもないものだったらしいですし、島の形が変わったと言われている砲爆撃の凄まじさもちょっとあっけなかったです。ここを捉えても「父親たちの星条旗」とセットで観て全体像がつかめる作品だと思います。中村獅童演ずる伊藤大尉のエピソードが尻切れになっているのが残念。たぶん捕虜になったんでしょうが、その転向ぶりも描いてほしかった。そうそう、陸海軍で敬礼が異なるところもちゃんとしてましたね、軍服だけでなく徽章も。西竹一中佐は世界との接点としてクローズアップされシーンも多かったのでしょうが、それならば米軍の呼びかけシーンも必要だったのでは? 栗林中将と最初にあう浜辺のシーンの台詞はちょっと頂けなかった。なんか、アメリカ人の会話のようで。すべてを盛り込んで「人間の條件」のように8時間以上の作品にしてもよかったかなって少し思います。 なお12/9にオンエアされたCXのドラマもよかったです。市丸海軍少将側の物語も知ることができました。テレビなら上出来! 【shintax】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-11 17:13:54) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 硫黄島は位置がマリアナ諸島と東京の中間にあり,たまたま飛行場に適当な平地があったために戦略上の重要地点となったものです。ガダルカナルにしてもキスカにしても防衛も増援もできない地域では当時の日本軍でも転進と言う名の撤退をさせていますが,西中佐の言にあるようにこの島を海に沈めることができないならば守るしか選択の余地はなかったのです。栗林中将の作戦はできるだけ長い間守備を続けるための戦術で,それが増援の艦隊が存在しなくて,数少ない航空機も本土防空のために撤収すると言う状況ではどうせ死ぬなら華々しく散りたいとの誘惑を抑えての任務遂行に徹したことは賞賛されるべきものがあります。通常軍隊では兵力の半数が無力化されると組織的活動は不可能として全滅として扱われるのですが,文字通り最後の一人までが死守する例は世界の戦史の中でもラストサムライでオルドリンが勝元に説明したギリシャ時代のテルモピュライ,アラモの砦などと並び称されるもので,さだまさしの防人の歌にはむしろこのほうが相応しいとも思えますが,日本では反戦が表に出ないと映画にできないような雰囲気が続いていたので映画化できなかったのでしょう。これは戦艦大和の出撃みたいな無意味な戦闘ではなく,たまたま任務を負った人達が困難な中でその義務を果たす状況を題材にして丁寧に描いています。もちろん戦争が非情で残酷なものであることは自明ですがそれを映画と言う形で残すことも必要なことです。題名にあるこの出されずに(だから多分検閲も受けていずに)砂に埋められた手紙は実在していたのでしょうか? 【たいほう】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-11 15:37:20) (良:2票) |
10.《ネタバレ》 今年の8月にやっていた、NHKスペシャル『硫黄島 玉砕戦 ~生還者 61年目の証言~』 を見た時、硫黄島の戦闘のあまりの凄まじさ、悲惨さに衝撃を受けました。 でもこの映画を見終わった時、あまり衝撃を受けませんでした。 この映画は、本当の凄まじさ、悲惨さ、は表現しきれてなかったと思います。 とても良い映画ではありましたが、何か足りませんでした。悲劇さ度合いが小さかった様に思いました。 まず硫黄島という島の特徴もそんなに感じる事もできず、1か月以上の持久戦という長さも感じられませんでした。 飢えや渇きへの苦しみもあまり伝わらず、全滅していく日本軍の様子も淡々と描かれていました。 もっとリアルな物を想像していたので、太平洋戦争の最激戦地であった“硫黄島の戦闘”という題材を活かしきれてなかった様に思ってしまいました。 あと『父親たちの星条旗』を見ていないので、見ないといけないな。と思いました。 この映画だけではアメリカ兵に2万8千人も死傷者がいるようには全く感じられませんでした。 最後に、少し悪い批判をしてしまいましたが、とても良い映画です。若い人達には絶対見て欲しい映画です。 そしてこんなに酷い戦闘なのに「悲劇さ度合いが小さいって思った」って言ってる人がいたな。 って思って頂ければ嬉しいです。あと、ほんとに邦画でした!イーストウッドが監督だよな・・・って思いながら見てました^^; 【アキラ】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-12-11 01:46:57) (良:1票) |
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9. しかし、イーストウッドも凄い映画を作りましたね・・・・・・。非常に戦争というものを、情緒性を排除しドライに描いていて、何というか感想を書くのが難しい作品です。正直言って感動したり、泣ける作品ではありません。ただ、深く考えさせられるし心に鉛のようにズシンとのしかかかる作品です。 少々残虐なシーンもありますが、是非お勧めしたい作品です。 【TM】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-12-10 23:10:06) (良:1票) |
8.今観て来たてで書いてます。 猛烈に感動しています。 映画館に人が少なかった事を不思議に感じました。 もう何人(なにじん)とか関係無いですね。 これを作った人達に猛烈に感動と賞賛です。なのでこれは批評ではなく賛辞です。 今の日本人全員に観てもらいたい。作品はけっして商業的な狙いは無いと私は思います。なのでこれから観る人はそういう穿った心は捨てて観てもらいたいです。 もうどこがどうのこうのでは無く、今の日本人がどのような犠牲により今があるのかをこれによって感じて欲しい。無論それで戦争の全てが判るわけじゃないですが、根本はお互いを理解する。共感をする。という行為が戦争を回避させる事につながるという事がひしひしと伝わりました。先人たちの犠牲を後世が理解しないのでは何もかもが意味が無くなってしまいます。この映画を作ってくれた人の為にもその意味を理解してゆきたいと思います。ほんとうにこの映画を作ってくれてありがとうという気持ちです。 二宮君がこれを日本人は学ぶべきと言っていたのが良く判った。どこにもイーストウッド色やスピルバーグ色は無いですが、そういう色をつけずに作った彼らの心に感動しています。全編に流れるメインテーマの音楽がいい。台詞も日本人に違和感が無い。でもそういう事をどうでも良く感じさせる作品意図が全てにおいて勝ると私は思います。 今の平和がどうやって築かれたのかをこれに触れてその一端を見たような思いです。 なのでそれを知るのは後世の人の義務と思います。 【森のpoohさん】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-12-10 22:15:39) (良:1票) |
【よしふみ】さん [映画館(邦画)] 7点(2006-12-10 21:13:47) (良:1票) |
6.この映画には特に感動はない。見終わった後のすがすがしさもない。映画として人に勧めたいような映画でも正直なかった。ただ、一つ思った。「進めば米兵による死、戻れば反逆罪としての日本兵による死。その板ばさみの中で自決をはかる日本兵達。」教科書でしか知らなかった「戦争」とは違う何かを感じた。 【珈琲時間】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-12-10 20:15:34) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 素晴らしい映画だった。僕は前作『父親たちの星条旗』のレビューで、クリント・イーストウッドは個人という矮小な物語から戦争という壮大な物語を描いてみせる、ということを書いた。今、彼の硫黄島2部作の後編というも言うべき『硫黄島の手紙』を観終わって、正に我が意を得たりとでも言おうか、その感想に聊かの変化も感じていない。 この映画の主人公は一兵卒、西郷であろう。(彼は狂言回しではなく、この物語の主人公である) その弱々しくも人間的なキャラクターから硫黄島戦を捉えたとき、この映画は戦争という極限状態における個人的な側面をその切実さとともに描き出す。クリント・イーストウッドは戦争という局面の中でも執拗なまでに「人間」を描くのである。ほぼ全編にわたって硫黄島戦の経過をなぞるように場面が進んでいく為、『硫黄島の手紙』は『父親たちの星条旗』と違い、硫黄島戦の史実を日本軍側から忠実に描く戦争記録映画として観ることもできるだろう。しかし、主人公の西郷、そして、栗林中将、元憲兵の清水の過去、その個人史がフラッシュバックで描かれる、その短い場面に込められた登場人物たちの「生きる想い」、その凡庸でありながら、普遍的な切実さこそがこの映画に込められた最大の「祈り」であり、それが僕らの心に自然に、そして重く受け止められるのである。 西郷は生きる。彼は逃げ続けることによって、生を得る。そして彼は言うのだ。 『私はただのパン屋です』 私は愛する妻と未だ見ぬ娘に会いたい、彼女らに会うために祖国に生きて帰る、そういう自らの真実に支えられて戦場を生き抜く、そういうただのパン屋なのです。 ただのパン屋であるという西郷の真実。それとともに、西郷が清水の死に触れて流す涙、栗林を看取る際の涙、それは単純ではない人間の(ある意味でパン屋であるということを越えた)在るがままの涙であり、そのことの重みが僕らの胸を強く掴む。 彼は誰にも知られずに誓った「生きて帰る」という信念を貫いたわけだが、そういう個人的な正義を僕らは誰も非難することなどできない。何故ならばそういった人間の信念が戦争という狂気の中で揺らぎ、繋ぎとめられる、それこそが戦争というものであり、クリント・イーストウッドが伝えたかった信念であろうと僕は思うのである。 【onomichi】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-12-10 17:59:01) (良:1票) |
4.『父親たちの星条旗』は見ていないのだが、日米の兵士が同時に出てくるところは向こうでも使われたのだろうか。宣伝にあったとおり、日本側からしっかり描かれていた。楽しむための映画ではもちろんないし、感動したとも言いにくい。でも見ておいてよかった。両方見てから出ないとイーストウッド監督の言いたかったことは理解できないのだろう。 【HK】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-10 17:44:44) (良:1票) |
3.イーストウッドらしくないと言えばらしくない映画です。個人的に最近のイーストウッドの映画の好きなところは見た後の色々考えされされる「余韻」なのです。しかし、この映画は直球勝負。それも「ど真ん中」の余計な事は考えず硫黄島で勇敢に戦った兵士のために奉げられた映画です。物の本では硫黄島で捕虜となった日本の兵士がアメリカの収容所で看守に大変な尊敬を持って遇されたとも言います。それだけ、アメリカにとっては硫黄島の戦いは記憶に刻まれる大事件だったのでしょう。一方の日本では当時の大本営が取ったように硫黄島での2万数千名が本土を防衛するために、正に命に変えて戦ったという事実すら忘れ去られている様に思います。確かに原子爆弾や空襲で死んでいった市民への哀悼の念は必要なものです。しかしその数倍もの兵士と言う名の市民が硫黄島だけではなく中国大陸や太平洋の島々で敵弾や飢餓、病気で死んでいった事実もあるのです。だからもう少しだけ帝国陸海軍の兵士たちに「尊敬」を持って欲しいと思うわけです。そのことをアメリカのイーストウッドの映画でしか現すことの出来ていない現状は、少し寂しく思います。あ、映画の評価は栗林中将の人柄をもう少し丁寧に描いて欲しかったのでこの点で。 【クルイベル】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-12-10 17:28:13) (良:1票) |
2.見ごたえがある。全体的に淡々としたような印象があったが、それがかえってリアル。しかしこの映画の主演はどう考えてもニノだろうと思った。ケン・ワタナベよりも目立っていたのでは。 【おっちょ】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-12-10 16:28:17) (良:1票) |
1.(ちと長くなってしまった) 「ラストサムライ」はまだ「日本を舞台にしたハリウッド映画」というレベルでしたけど、今回は「ハリウッドの資本・スタッフによる邦画」と言ってしまっても過言ではない仕上がり(クォリティは当然ハリウッド・レベル)。硫黄島の激戦を背景としてしか描かないのは余りにも勿体ないという判断からか、たぶん「父親たちの星条旗」の硫黄島シーンと同時に撮影されたであろう本作は、そのものズバリ、皇軍の硫黄島戦を真正面から描いた戦争映画になってます。一応の主人公は大本営から見捨てられた硫黄島守備隊を指揮する栗林中将となってますが、狂言回しとして全島に渡る戦闘、そして帝国軍や米兵の真実を目の当たりにしていくのは二宮和成演じる西郷(これが本当の儲け役)。執拗な空爆、止まない艦砲射撃、そして蟻の様に浜辺を埋め尽くす圧倒的数の敵兵士…。この絶望的状況下で36日ものあいだ耐え抜き、犬死と解っていながら散っていった英霊達には、日本人なら誰でも哀悼の意を捧げたくなる筈です(これは紛れもなく現在の日本人に宛てられた「硫黄島からの手紙」)。同時に、こんな「ハリウッド映画」が観られる平和な時代に生きていることに対し、感謝の念も生まれるでしょう。36日という時間経過が判り辛かったことが唯一の難点でしたが、2時間半近い時間を全く感じさせない力作に変わりはありません。正月映画の本命としてお薦めします。そんな訳で、本国での興収を潔く無視した製作陣にも心からの感謝を込めて+1点の、8点献上。 【sayzin】さん [試写会(字幕)] 8点(2006-11-30 00:09:23) (良:1票) |