11.《ネタバレ》 原作は未読。豊田四郎の格調高い演出でいかにも「文芸映画」というたたずまいなのですが、逆に言うと暗くて重い。気が滅入るほどではないですが、ままならない現実の中で抵抗しようとする女のはかなさ、みたいなものはよく出ていたと思います。岸惠子の芸者役ってどうなの? と思ったのですが、意外とはまっていました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-11-24 10:49:27) |
10.《ネタバレ》 すごく原作の雰囲気があります。 というかかなり忠実に再現している気がします。 違う媒体で忠実な再現をする必要はないような気もしますが。 岸惠子さんが駒子っていうキャスティング自体はイメージ通りではなかったですけど、納得できます。 自分の中では岸惠子さんのベストかもしれません。 市原悦子さんの底抜けの明るさもこの作品の結構重要な要素かと。 声、というポイントで言うと葉子の声は八千草薫さんぴったりですね。 とてもいい気分で観れる作品だと思います。 【大経師】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-10-18 14:26:08) |
9.川端康成の原作を忠実かつ最高に美しく描いた作品。 豊田四郎は原作の雰囲気を映像で再現してしまう反面、原作で問題視された個所(たとえば医術の間違った知識など)もそのまま再現してしまうためしばしば批判の対象にされてきた。 この「雪国」もラストの衝撃的な結末をありのままに再現してしまった。 しかし、川端康成が描いた幻想的な雪原の美しさをここまで映像化した監督は豊田四郎だけだろう。 白黒の映像だからこそ映える白と黒の濃淡。 原作から引き継がれた難解さは何度見てもよく解らない。 原作でも言明されなかった「それ」は未だに謎だ。 だからこそ様々な解釈が出来るワケだし、それを映像で堪能できるのなら映画にする意味があると思う。 感じ方は人それぞれだ。 恋心に悶える岸恵子の演技が素晴らしかった。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-01-21 23:59:56) |
8.原作未読でどの程度世界観を映像化できているのかわからないし、文学的評価もよくわからないのだが、この時代にこれだけ面倒な女がいるという事に結構違和感を感じる。まあいつの時代にもこういう女はいるのかもしれないが。あと駒子と葉子の精神的関係性がイマイチよくわからなかった。 池部良の終始一貫した落ち着きぶりと好対照の感情の起伏が激しすぎる岸恵子の演技はややオーバーだが確かに素晴らしい。こういう演技の出来る女優は現代には見当たらない。 |
7.岩下志麻の駒子を先に見ていたので、この映画の岸恵子には最初違和感があった。しかし改めて見てみると、今度は岸恵子の駒子に慣れてしまって、岩下志麻の駒子の方が思い出せなくなってしまった。要するにそれぞれの駒子がすばらしく、それに引き込まれてしまうということなのか。おかげで川端康成の「雪国」のストーリーがよくわかるようになったと思う。 岸恵子の駒子はすごく感情表現の幅が大きいと思う。時には歓び時には泣く、時には甘え時には怒る、駒子という女性はこんなにも愛が深く情熱的だったのか、改めて思う。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-08-24 21:45:36) |
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★6.岸さん、お綺麗なんだけど、どうにも駒子が面白すぎる。特に酔ってる場面は相当面白い。これは必ずしも褒め言葉ではなく、本当はもっとじっくり見る映画だと思うのだが、笑えた印象の方が強くなってしまった。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-12-22 23:02:00) |
5.《ネタバレ》 芸者駒子を演じている岸恵子、これはもう皆さん指摘の通りであり、おそらくこの映画を一度でも観たことのある方なら誰もが思うに違いない。岸恵子という日本映画の歴史において間違いなく名を残す大女優の演技、あの眼、表情、拗ねる時の顔付き、甘える表情、そうかと思うと笑ったり、泣いたりと色々な表情を自然体に表現しているところなど正しくこれが女優の演技であると言いたい。その美しさ、それは表情だけでなく振る舞いから何から日本の女性の美しさ、本当の美しさというものを見事に演じている。そして、私がこの映画の中で最も痺れた瞬間、鳥肌が立った瞬間は駒子演じる岸恵子が池部良演じる島村という男の前で三味線を弾く場面で、この時の手の動き、流れる音の美しさ、この場面のあの緊張感ある中でそれを全く感じさせずに演じきって見せた岸恵子、この時のあの三味線を弾く場面、相当練習したんだろうなあ!そうでなきゃあんなにも素晴らしい音など出せる筈がない。この経験があったからこそ後の市川崑監督、岸恵子の代表作と言える傑作「悪魔の手毬歌」の中で同じように三味線を弾く場面が出てくるけど十分に生かすことが出来たと思えるし、この映画のあの駒子の三味線を弾く場面だけでもこの映画は岸恵子という女優にとっての忘れられない代表作に挙げても良い。そして、勿論この美しい四季の香りを残しつつ女が強く生きて行く人間ドラマとして見応えあるものを作り上げた監督、豊田四郎監督の代表作の一つと言っても間違いない。最後にもう少し!岩下志麻の駒子の「雪国」もあるけど、岩下志麻の駒子も観てみようかなと思う。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-03 10:30:49) (良:1票) |
4.岸恵子の演じた駒子。 これがどうも好みに合わない。 こういう女性は苦手。 妙に女くさすぎるというか。 しかしそれとは関係なく、豊田四郎の撮る映画は、実に「モノクロ映画」らしい叙情に溢れており、魅力は十分。 モノクロ映像による美しい雪国。 それを堪能できただけでも満足だ。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2008-04-18 21:16:16) |
3.川端康成の名作文学を「夫婦善哉」の豊田四郎監督が映画化した文芸大作。例によって原作は読んでおらず、「トンネルを抜けると雪国であった」という出だしの有名な一節しか知らない。最初のほうの再会シーンから初めての出会いを描く回想シーンあたりまでの雰囲気はけっこう良かったので駒子がなぜ芸者になったか判明したあたりからのドロドロした展開にはビックリしたが、格調高い叙情あふれる映画で、これは間違いなく名作と呼ぶに相応しい作品だと思う。駒子を演じる岸恵子がなんといっても素晴らしい演技をしており、この頃の出演作では「女の園」くらいしか見てないけど、雰囲気も「女の園」と比べると大人っぽくなり、後年の市川崑監督の映画とかで演じる女性像に近いものを感じた。60年代に松竹でも岩下志麻主演で映画化されてるみたいなんでそっちも見てみよう。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-10-27 02:01:35) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」で有名な「雪国」の映画化作品でその描写そのままに物語りは始まる。原作でも映像でも見たことなかったけどこういう話なのね。内容だけ見るとこないだ見た「秋津温泉」と(が)似てる。特に池部良が「僕の来る所はこの雪国しかなかった」と言うシーンと長門裕之の「また秋津か」と言うシーンあたりはほんとに似たような男と思う。そんな男に翻弄される女ってもの一緒。しかしそれを演じる岸恵子がほんと素晴らしい。時期的には「早春」とかで見てるけどもう全然違った。こんなの見ると岩下志麻の駒子(1965)なんて想像できない・・・。それくらいのインパクトと美しさでした。 【バカ王子】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-06-20 00:30:54) (良:1票) |
1.寒い日に燗酒を一杯やっていると、なぜかこの映画を見たくなる。駒子が今かたわらにいて、お酌をしてくれているような気分にひたりながら、ゆっくりと杯を口に運ぶ。あ~、最高! でも物語の後半は暗くて見ているのがつらくなる。島村は駒子に対して何のアクションも起こさず、しかし、駒子を訪なうのをやめはしない。こんな男って、ひどすぎはしないか。 【駆けてゆく雲】さん 7点(2004-01-14 23:08:35) |