50.《ネタバレ》 くずな女の振る舞いに、ただただ閉口するしかない、それでも家族は家族だし困ったもんだ、そういう感じを観客と共有する手際が鋭い。 しかし全体像は、取り様によっては話のための話に過ぎない。 果たしてこれを見る必要があっただろうか、時間も長いし見るのに疲れてだんだんそういう辛さがわいてきます。 【ほとはら】さん [DVD(字幕)] 6点(2022-03-18 17:44:39) |
49.《ネタバレ》 大きなドラマが展開することなく、もどかしい展開が続きますが、全ては、「お誕生日会」のために、と言える脚本でした。あの場面は、言うなれば「七人の怒れる家族たち」じゃないけど、たいへん観応えある舞台劇仕立てのドラマだったように思います。 私は題名について、一生隠し通したら秘密、でも言うべき時がきて隠したらそれは嘘になる、、そういう表裏一体の関係と思ってる。つまり、本作に「嘘」だけはなかったはずで、誰もがお互いに対して誠実な家族であろうとした、、それだけは言えると思えます。 そして、この映画で興味深いのは、各々の家や部屋にスポットを当てているところ。人と人をつなぎ止めているのは「心」ですが、この映画では「家」と言っている気がします。家に人は共に生きて、家に心と心がつなぎ留められ、妥協点を模索しながら、いつしか同じ未来を見据える本当の家族となる・・。 とりわけ、シンシアが物語の軸ではありましたが、モーリスやホーテンスの登場も多く、ある意味では主役が存在しない群像劇であり、つまり全員が物語の主役である、、そういう映画なのかもしれません。 【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 8点(2022-03-06 16:20:27) |
48.《ネタバレ》 「愛する人」と同時期に観ましたが、悲しみというよりもっと暗い物語があって後味は決してよくはありませんが、背負うものがある母親というのをよく演じられたと思います。特にプロットもあまりなくほぼアドリブで演じられたらしいのには大変驚きました。すばらしい演技ですね。内容はモーリスがやさしすぎて、ラストも彼が締めてくれたようなもの。ホーテンスは養母亡き後、血のつながりがない兄二人が遺産相続に自分を含めようともしないのにうんざりし、産みの親を探す決心をしたのではないだろうか。結果はどうであれあんな母でもHalf Sisterがみつかってよかったのかもしれない。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-12-07 11:50:28) |
47.《ネタバレ》 世評では「ハートフルで泣ける映画」なのかもしれないが、実はそういう話は見せかけだと思う。 ■とにかくシンシアが非常に自分勝手で、ホーテンスを最初避けながら一気に距離を縮めるのは、自分のことを考えてくれる人がいないという寂しさと、「優秀な自分の娘」というある種の満足感を満たすためで、ちっとも母親的にふるまってはくれない。これは「ホーテンスに何をしようか(償えるか)」という発想が全く出てこないことからもそういえるだろう。パーティーで突然暴露するのも、ロクサーヌという「あまり出来の良くない娘」に対して、ホーテンスという「出来のいい子」が実は自分の娘だよという親エゴ自慢でしかない。そして最後、「人生っていいわね」というのはポジティブなハッピーエンドというより、ともかくも泣いてことをなあなあにして誤魔化して悪くない感じになったから「いいわね」と無思慮に言っているだけで、むしろこれまでの自分勝手さへの反省のなさが表れている。 ■しかし、モーリスの回想でも、シンシアは母の死後「いい姉」であったことになっている。どこかで何かが壊れてしまったのであろう。そして、シンシアがモニカに言った「あなたは父を奪い、モーリスを奪い、そして娘を奪おうとしている」の最初の「父を奪い」に該当する話がついに出てこない。これは映画中で明らかにされなかった「秘密と嘘」の部分だと思う。モーリスの知らないところで、モーリスとシンシアの父とモニカに何がしかの関係があったことがここでほのめかされている。それを加味するとこの映画は非常に黒いものを描いているように思える。 【θ】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-09-24 01:09:44) (良:2票) |
46.嘘がテーマの映画はたくさんあるけど、その中では好きなほう。 |
45.数々の映画賞に輝いた名作である。マイク・リー監督の代表作でありながら、見る順序が逆になって「人生は、時々晴れ」や「ヴェラ・ドレイク」より後になってしまった。それだけに、家族の絆や人間愛をテーマとする彼独特のスタイル(ヒューマニズム)を身にしみて感じ取ることができた。こういう映画はハリウッドでは作れないのだろうか。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-05-23 20:33:07) |
44.《ネタバレ》 シンシアのように自己憐憫の塊みたいな人は大っ嫌いです。アンタだけじゃないよ、苦労しているのは。しかも、彼女の場合、苦労の原因を自分で作っているわけで。世の中、不可抗力で辛酸を舐め尽している人だって大勢いるのに、ナメたこと言ってんじゃねぇよ、と思う。彼奴らは、甘ったれで自分だけが大事なんだから手に負えない。映画にしろ文学にしろ、こういう周囲に多大な迷惑を撒き散らす自己陶酔&自己憐憫人間を賛美するような作品って結構あるけど、ちょっとオカシイんじゃないかと思う。そりゃ、真面目でトラブルもない人間描いたって話にならんのは分かる。だからって、賛美するなよ。すんげぇ迷惑なんだから、現実に近くにいたら。あんだけホーテンスに拒否反応示しておきながら、舌の根も乾かぬうちにオシャレしていそいそ会いに行ったりするところなど、腹立たしさを越えて可愛ささえ感じてしまう。でも、それが彼奴らの常套手段。娘の誕生パーティぶち壊しておいて「人生いいわね」なんて、いかにもなノーテンキ台詞で呆れる。私が娘だったら張り倒してやりたい気分。映画としての出来は良いと思うが、嫌悪感を禁じえない作品。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-10-16 15:28:36) |
43.《ネタバレ》 ジャン=バプテストって知的で雰囲気があって好きなんです。今はTVドラマでFBI捜査官などをやっていますね~。当然ですが若い頃はもっときれいだったんですね。 私は「人生は時々晴れ」のほうが良かったと思いました。ビンボーなイギリス人を描いて同じような感じですが、「秘密」のほうはきれいにまとめすぎている、「人生」のほうが、ダメさにおいて掘り下げていたと思います。 さて、全体を通して何を感じるかというと、どうしても「人は生まれでなく育ち」ということになってしまいます。 シンシアのような頭の足りない女性と彼女をレイプしたチンピラ黒人の間から、ホーテンスのようなまともな子供ができたわけです。一方、シンシアに育てられたロクサンヌのほうはほぼ同じようなダメ女になっています。 この状況を見ますとどうしても「人は生まれでなく育ち」という感想を持たずにいられないわけです。 また、ホーテンスのような自立した知的な女性が、血縁関係があるとはいえシンシアとロクサンヌのようなダメ親子を大した葛藤もなく家族として受け入れたことも、あまりに安易な展開と思えてしまいます。 まあ私はシンシアのような女性にこれっぽっちもシンパシーを感じられないもので、意地の悪い感想しか出てこないです。身も蓋もない言い方をすると、中出しOKの女性に出会ったならそれはシンシアのように本当に頭が足りないかデキ婚を狙っているのどちらかなので、あなたがまともな男性ならば「ゴムがないなら絶対にしない」という女性を選ぶべきでしょう。今の時代に女性の態度が中出しOKだった場合、それがどういう意味なのか分からないようなら、そんなあなたは「しない」ほうがいいです。 中出しOKの女性にも、その相手となる男性にもこれっぽっちも共感できませんもので、個人的に本作はイマイチ。ただ、明らかにされなかった秘密がもうひとつあったとして、それが私の想像通りであったなら、話はもっと悲惨だし違った演出をするべきでしたね。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-25 14:30:27) (良:1票) |
42.愚かで見苦しい母親を演じさせたら、並ぶ者なきブレンダ・ブレッシン。 一方でジャン=バプティストの口数少ない静かな物腰はしごく好印象。 望まれない子であったとの意識が、ホーテンスを謙虚な人物に育てあげたのだろうか。 シンシアの家が散らかり邦題でホーテンスの部屋がきれいに片付いているのも、2人の性質の違いを如実に表している。 されど母子なるは冷厳なる事実。 人生は思わぬものが飛び出してくるびっくり箱だが、気持ちの持ちようで贈り物がはいった箱にもできるということか。 シンシアがホーテンスと会うまではブレッシンとバプティストを会わせていなかったというが、ブレッシンの方はさぞかし驚いたに違いなく、「演技」とはいえないかもしれないが迫真性を求めたマイク・リー。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-08-21 00:02:16) |
41.《ネタバレ》 脇筋のカメラマンの家庭から入っていく。写真家とは、真を写す仕事でありながら、嘘を形作ることもある。主人公のシンシアは下町的、若いころの北林谷栄的。ホーテンスは検眼師、よく見極めようとする仕事だ。こうバラバラにドキュメンタリー的に始めて絞っていく。駅での親子の出会い、娘だとハッと気がつくときの、おかしみと厳粛。二人の密会も、奇妙なお見合いのようでハラハラする。情けない自分を見せてしまいやしないか、と思いつつも、会いたい気持ち。でロクサンヌの誕生パーティだ。姉が友を連れてくると言われたモーリス、妻に相談すると「すぐにOKしてくれないと、カカア天下みたいで困るじゃないの」と言われる、こういう些細な描写がいいの。で事実をしゃべってしまい、いさかいから浄化へという段取り。ある種の満足を与えてはくれるけど、定型に落ち着いて、もっと別の展開を期待してた気持ちには不満が残った。ドキュメンタリーで古風な物語を語られたような。登場人物たちに愛着を感じるけど、ホーテンスは役どころのせいだろうが、彼女だけノッペリした造形になってしまっていた。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-05-24 12:06:51) |
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40.最初から最後まで飽きずに楽しめた。わかりやすいストーリだったので良かった。 【ホットチョコレート】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-02-01 18:21:46) |
39.《ネタバレ》 「お見事」と拍手を送りたくなるような、設定・キャスティング・台詞・テンポ等々全てが上手く融合した大傑作ドラマですね。 私も含めて何かしらの「秘密と嘘」を抱えて生きている人間にとって、このビターではあるけれども暖かいこの物語は非常に救いになりますね。 まあ、ちょっと理想的すぎるかなとも思いますが、非常に観終わった後清々しい気持ちにさせてくれる素晴らしい映画でした。 【TM】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2008-10-30 18:38:14) |
【k】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-03-28 18:06:15) |
37.《ネタバレ》 ビデオパッケージの紹介文からは、「まず実の母に会いに行って、そこからいろいろな人との間でドラマが始まっていく」みたいな展開のように読めたので、なーんにも起こらない前半1時間に唖然。母以外の人に会うのはもっと経ってから。でも、実際のところ、「会った後・知った後」にそれぞれの立場でどうするのかが本当のドラマなんじゃない?これでは結局何も説明していませんよ。登場人物で、キャラクター的に魅力ある人が1人もいなかったのも難点。 【Olias】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2006-12-30 23:57:13) |
36.観ていて途中まではテンポの悪さにイライラしたが、それを乗り越えたあたりからが見せ場かな?この映画を観て思ったこと ”生みの親より育ての親” 【miso】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-07-03 21:07:27) |
35.《ネタバレ》 すごく人物描写が細かくて、登場人物の言動はリアル。シンシアを中心に、その周りの人々をしっかりと描写出来ていて、それぞれしっかりとした役割があり、この映画を作り上げていた。シンシアは本当に頭が悪くて空気も読めないし、自意識過剰ないわゆる生理的に受け付けないタイプの女。そんな馬鹿なシンシアは友達なんていないし、欲求不満も見え見えで、娘にも邪険にされる。そんなシンシアに産み捨てられたホーテンス。シンシアがホーテンスに抱いた気持ちなんて到底母親の愛情なんかじゃない。誰からも相手にされない鬱憤を晴らしたいだけのエゴ。ホーテンスを産み捨てた時と同様の現実逃避癖みたいなもの。そんな気持ちが見せ方が自然で本当に上手い。パーティーでの皆へのばらし方も完全に自分のエゴから。そんな馬鹿な母親を冷静に受け入れるホーテンス。みんながみんなどこかに足りない部分を持ち、隠しながら生きていく中で、そんなオープンに足りないものだらけのシンシアを契機に、みんなが真実を互いに受け入れ、むしろ互いを受け入れざるを得ない状況にラストはどこか自嘲的に、またどこか温かい空気を作り上げた。「人生っていいね」こんな楽観的で無責任なセリフの後のあの感慨深い空気こそ、この作品の答え。 苦手な考え方。 【ハッシーふりかけ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-06-09 04:12:13) (良:1票) |
34.《ネタバレ》 私はホーテンスにとても好感を持ちました。とても堅実な女性で、ひとりで生きていける職も持ち、自分の生い立ちとまっすぐ向き合おうとしたし、決して気が進まなかったであろうシンシアの娘の誕生パーティーにもきちんと出席したし、最後にはシンシアの家族たちと打ち解けたりしていた。はあ~~それにしてもシンシアの声は本当に聞いていると疲れます…。 【ふぉんだ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-05-04 23:40:07) |
33.泣きまくる甲高い声の母親にイライラしまくってたけど、娘との絆が出来てくうちに見ててほのぼのしてきちゃった。 【ネフェルタリ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-03-27 02:39:40) |
32.公開当時に見て、今でもたまに思い出します。そのくらい、心に響いた作品でした。ちょっと暗いストーリー運びだけどラストは明るくて、最後のセリフが本当に染み入ります。 「人生って、いいわね」 【ハクリキコ】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-01-02 11:33:52) |
★31.10点を付けようか迷うほどの傑作だと思った。 久々に人間を描いた映画らしい映画を観た充実感を味わえるような気がする。 演出、脚本、演技のまさに三拍子揃った素晴らしい作品としか言いようがない。 個人的には、本作の役者(特にシンシア)の表情の変化がいいと思う。 冒頭は皆、どことなく表情が曇り気味でどんよりとした不幸せな感に満ちている。それもそのはず、それぞれがそれぞれに人には言えない秘密を心に抱えて生きている。 シンシアやモーリス家族だけでなく、モーリスが写す被写体の人々にも一瞬見せる笑顔の下には、人には言えない秘密を抱えているようにも思われた。 しかし、シンシアとホーテンスとの出会いをきっかけにシンシアが大きく変わる(特に表情)のがとても印象的だ。シンシアが変わり、またホーテンスの表情も豊かになっていく。 そしてあの誕生日会へとストーリーが繋がっていく…。 生きている以上、誰しも心に傷を負ってしまうのはやむを得ないのではないか。かくいう自分も色々と傷を負っている気がする。しかし、その痛みを分かち合える人がいるから人々は立ち直れるのだなあと気づかされた。確かに自分も傷を負ったときには、家族や友人に傷を癒してもらった気がする。本作は「家族」や「親子」をテーマにはしているが、広い意味で「人と人との関係」としても描かれているのかもしれない。 そう考えると、あの写真家の先輩みたいな人には、傷を分かち合える誰かがいなかったのかもしれないから、あんな風になってしまったのではないだろうかとも感じた。 それにしても、「人生は不公平」だとか、「人生ままならぬ」といったセリフが聞えてくる中で、ラストでは「人生っていいね」いうセリフを聞けるとは思えなかった。ラストの三人の会話や表情も心に響く。 【六本木ソルジャー】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-07-17 03:44:38) (良:1票) |