35.《ネタバレ》 『道』はマイベストと言って好い作品なのですが、主演のジュリエッタ・マシーナの魅力の引き出し方、とゆーか彼女の本来のキャラに合っているという感じ自体は、今作の方が上回るかな、という気もします。元々が小柄なので、やはり若くも見えるものの、演者の実年齢として30台中盤~後半…というコトも含め、今作中の役柄としても20代後半~30凸凹という感じでありましょーかね。娼婦役として多少「酸いも甘いも」といった世慣れた感じ(だいぶまろやかな言い方をしてる気もしますが)も踏まえて、やはり役柄としては今作の方が、名優ジュリエッタの「本来の魅力」とゆーのをより大いに感じ取るに十分だったとも思うのです。改めて観直すと、驚くほどに・稀代のコメディエンヌだと言っても好いほどに、優れた喜劇俳優だったのだな…と思いましたよね。口調や表情、所作に至るまでどれも実にコミカルで、本当にどこを切り取ってもホッコリとクスクスと微笑ましく眺めてゆける作品でありました。それで居て、今作は(同時に)高度なネオレアリズモ作品であって、その微笑ましさを取り巻く環境・境遇というのはごく「悲惨」だと言っても好いモノでもある、でもそれ等をまた、このレベルまでの正統なる「コメディ」に仕上げられる・引き上げられるというのが(それこそ)フェリーニの技術と、そして重ねてジュリエッタの素晴らしさだと再認識できたのですね。やはり、紛うコト無き傑作だと思いますね。 時世がら、或いは時代の流れに依るトコロもあるかも知れませんが、ジャンル作品のみならず、最近はこーいう「社会を映す鏡」としてのドラマ作品なんかですら、特にネガティブな状況における描写の「ネガティブさ・過激さ」とゆーのは唯々エスカレートしてゆく一方だ…という気もしたりしてます。それはそれで大いに意味の有るコトではあるのでしょーが、こと劇映画に限るなら、私はやはり今作の方が(質感として)単純に好みですし、何より本質的にアプローチとしてもポジティブである、と思って已まないトコロではありますね。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-02-10 10:00:58) |
34.《ネタバレ》 前半は、話自体が好き勝手な方向に動いていて、焦点がよく分からなかったのですが・・・催眠ショーのシーン以降は、ほとんど必然のラストへ向けて、騎虎の勢いでした。ラストシーンも的確に決まっていました。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-08-04 01:34:36) |
33.やっぱりこの監督は合わない。 この女優にまったく共感もできない。 面白くない。 |
32.《ネタバレ》 フェデリコ・フェリーニは「道」も良い映画だと思うけど、俺はこの映画の方が希望があって好きだ。何よりファーストシーンから一気に引き込まれた。 川原で走る男女の姿をロングショットで捉えた場面。 男がいきなり女を突き落とし、女のカバンを持って逃げていく。 女は男の名前を怒りと絶望の混じる声で叫ぶ。 それを近くで泳いでいた子供と教師たちが助け出す。 逆さにして水を吐かせ、気付いたかと思うとガバッと起きて再び男の名前を叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ。歩いて走って歩いて。まだ回復しきれていないのか、倒れ込み抱きかかえられる。 これがカビリアの物語のはじまり。 水に濡れた時のすっぴん姿の方がキレイなのに、何で厚化粧をするのやら。 普段は羽織とダボダボのズボンを着てオバサンのように過ごすカビリア。だが本当はズボンをまくりその脚で男を誘惑する夜の女である。 夢見る女性のカビリアは何度男に騙されようと、何度仲間達に馬鹿にされようともめげない。過去の男を“火葬”してはまた果敢に挑んでいくタフな女性。何度泣かされようが諦めねえ。 音楽を聞いただけでつい踊りだしてしまう陽気さ。 人が集まる祭りよりも、男の心を掴めるか掴めないかが彼女にとっての祭りである。 そんな彼女もイケメン俳優に目の前で“仲直り”するシーンを見せられちゃヘコむか。 哀しげな影、影、影。彼にとって、カビリアも可愛がる犬のようなものだったのだろうか。 ヴァンダの姉さんは本当に良い姉さんだ。 教会に行き神にすがるくらいだ。日本で言えば神社のお参りみたいなもんかな。 だが「道」を見た者なら解る通り、神様とやらが助けてくれるワケが無え。 フェリーの映画には手品師や芸人といった観客を愉しませる人間がよく出てくるが、さしずめカビリアは哀しき道化師なのだろうか。 涙でかすんだメイクが、道化師の涙のように滲む。 催眠が、魔法が溶けた瞬間の彼女の視点。 湖の圧倒的な美しさ、その目の前で怪しい眼光を向けて本性を出す人間の醜さ。 俺がカビリアを好きな理由は、何度フラれてもまた「次はモノにしたる」と笑ってみせる表情をしてくれるからだ。とっても元気の貰える映画です。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-17 08:05:12) (良:1票) |
31.《ネタバレ》 エッへん!自分で言うのもなんだが、”人間行動 言語学”の世界的権威、わたくし”男ザンパノ教授”も証明しているとおり、この作品の題名は”カリビアの夜”できまり!それにしても、セーラー服みたいなの着た、カビリアちゃん、可愛すぎ!けなげで、かわいそう。ホントはかなしいんだけど、とりあえず笑顔みせちゃう!みたいな、おおきな瞳に、一直線にとじてグッと持ち上がる口元に、言葉がでない。笑顔の彼女に乾杯!(号泣!) それから、カビリアの自宅近所の荒廃風景と玄関すぐ外にある鉄パイプの骨組みに、いつも張り付いてる子供達が、カラスみたいで微笑ましいのと、”これぞフェリーニ的!”な道化的風景でした。あと、自宅が”アッピア街道”近くとか言っていて、おー!”ローマの松" みたいでかっこいいのでした。 【男ザンパノ】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-01-01 17:33:05) |
30.「プリティ・ウーマン」とは真逆のストーリーで、辛辣な展開ながらも、 救いのあるメッセージが用意されているので、後味は決して悪くはない。 前半はヒロインの日常生活を淡々と描くシーンが多いが、 ジュリエッタの表情豊かな演技と、コミカルな姿を見ているだけで飽きなかった。 ラストのカットは秀逸で、映画らしい表現と映像演出には素直に脱帽。 知らない間にヒロインに感情移入していたのだと、このとき初めて気づかされた。 同監督の「道」よりインパクトは弱いが、フェリーニの才能を改めて認識させてくれる作品。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-09-30 14:27:27) |
29.《ネタバレ》 じーんと胸に響く映画だ。「道」のジェルソミーナの感動が再び蘇り、純真無垢なカビリア(私もよくカリビアと間違えた)と重なる。男が女がとか、マリア様とか、奇術師とか関係なく、それを超越したジュリエッタ・マシーナを見た。 なるほどフェデリコ・フェリーニの双璧と言われる所以か。ラストの涙の中の笑顔は忘れられない。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-01-05 22:03:47) |
28.オスカーの真意が薄々想像出来たので重苦しい思いで見ていました。幸せなんて望むもんじゃないよ、負け組は死ぬまで負け組なんだよ。不貞腐れる私をラストで黒い涙を流しながらも前を向くカビリアが励ましてくれました。ジュリエッタ・マシーナの魅力満載の作品です。 |
★27.《ネタバレ》 個人的にショックな出来事があり、『俺みたいなどうしようもない奴が夢なんて見るからこうなるんだ』『俺みたいな奴には夢を見る資格もないんだ』『俺みたい奴が…』という気持ちが強くなり、涙をこらえながら、歩いていたときにこの映画のラストがふと頭によぎった。 他の人からは、しょぼくれた男がとぼとぼと一人で歩いているように見えるだろうが、その瞬間、自分の目には、自分の周りを賑やかに騒ぐ集団の姿が見えたような気がした。 涙が溢れそうだったにも関わらず、何故か一人で気持ち悪くニヤついて歩いている自分がそこにはいた。 この映画には救われた想いで一杯だ。 どうしようもない自分を助けてくれた素晴らしい映画だと思う。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-12-28 23:15:46) |
26.《ネタバレ》 イタリアって、なんてひどい男が多いんだ?! 後半の断崖の場面でオスカーの「泳げるのか?」の一言にドキッ!おまえもかって感じです。 悲惨な結末にも関わらず、生きる希望を見出すようなラストシーンがGoodでした。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-07-17 13:44:13) |
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25.《ネタバレ》 冒頭から恋人にバッグを奪われ、どつかれ川に落とされ溺れて死にかける、って、そこからどんだけ不幸な物語が展開するのかと思いました。でも中味は笑いと楽しさに溢れた物語で、どんだけ不幸なの!とボヤきながらも、実のところ喜怒哀楽に満ちてパワフルなカビリアの人生って、それなりに充実してるんでないの?っていう感じがあって。そりゃ、いちいち男に酷いメに遭わされるカビリアだけれども、浮いた瞬間があるからこそ沈む瞬間もあって、浮き沈みがある分だけ、彼女は生っていうものに一生懸命であったりする訳で。だから、最後にとても悲惨なメに遭いながらも、冒頭に帰って水の中に落ちると終わりになっちゃうのだけど、道に戻る事でまだまだ彼女の人生は続くって未来に繋げるラストシーンは、カビリアの表情と共に意外なくらいの清々しさを残すのでした。 【あにやん🌈】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-12 00:20:21) |
24.《ネタバレ》 カビリアが本当に可愛い。彼女のリアクション一つ一つに自然と表情が緩んでしまう。同じ笑顔でも、一気に現実へと引き戻される「街の灯」とは対照的なラストシーン。あえて楽観的でシンプル、だからこそストレートに人生における教訓を伝えて貰った気がする。 【njld】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-11-29 01:35:47) |
23.《ネタバレ》 この映画は、どうしても普通にハッピーエンドではないと分かって鑑賞してしまいます。だからカビリアが喜々として家財を整理しているシーンあたりでも幸せそうに見えず、嫌な胸騒ぎを感じるのです。そして持参金を持って喜び勇んで現われたカビリアに対し、オスカーの曇った表情と流れ落ちる汗が不幸な結末を観る側に確信させ、後はどんな不幸な終わり方になるのかという絶望へと誘われていくのみ!と諦めつつ鑑賞してしまいます。ただし鑑賞後、逆にこれは何という後味のいい映画なんだろうと思わせるのです。それはやはり特筆すべきラストシーンが本当に素晴らしいからで、純粋なこの魂一つ、この魂のみが希望への道しるべと謳いあげます。何とも力強い生きる力と喜びさえ感じてしまいます。それにしても、この映画もジュリエッタ・マシーナだからここまでの傑作になったと思えるほど、圧倒的な表現力でした。 【よし坊】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-06-08 11:24:40) |
22.《ネタバレ》 見た後にこの作品の事を調べているとテーマが魂の救済という事を知り自分の考えとのギャップに焦り、もう一度作品やテーマについて考えてみると確かに、カビリアがさすがに今回の件で男という生き物に対して幻滅してもう簡単に騙される事がなければ、もしくは誰も信じず好きになる事がなければ魂は救済されたと言えるかもしれません。はたまた森で出会った陽気な人達との関わりで心が救われるかも…。しかし、そのどちらもが一瞬の救いで、彼女の今までの行動を考えるとまた男に騙されないとは必ずしも言い切れません。ただ最後の彼女の笑顔からはこの先何があっても生きていけるであろう強い生命力を感じ取れ、思えばその予感だけで十分でその強さを持っている事が本当の意味での魂の救済になるのかもしれません。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-03-05 20:27:23) |
21.《ネタバレ》 ジュリエッタ・マシーナ演じる主人公、どこまでも悲惨なことの連続!冒頭で行き成り、金を奪われた挙句に河に落とされ、それでも落とした相手を憎もうともせず、愛し合った男にはお金を持ち逃げされるわ、とにかく不幸の連続!ここまでされて、流石に涙するそんな彼女だが、これから先の人生を見つめて生きようとする。進んでいく姿、前向きに捉えて、笑っているラストの表情に人生に対する希望というものを感じる終わりに、単なる不幸なだけのドラマではないと、この映画を見て思いました。 【青観】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-01-02 18:26:49) |
【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-03 16:06:20) |
【Michael.K】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-01-20 19:02:38) |
18.ぶっきらぼうで意地っ張りだけど、ホントは可愛いカビリア。 どんな境遇にもめげないって、これぞ女の生きる道!って思っちゃいました。 フェリーニ作品をもっと観たいと思っています。 私も何回聞いても”カリビア”って聞こえます。 もっつぁれらさんのレビューをお読みして、私だけじゃなかったと安心しました(笑) 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-07 22:31:07) |
17.《ネタバレ》 ジュリエッタ・マシーナ扮するカビリアの、娼婦生活から足を洗おうとする一生懸命な姿、特に、教会で涙する彼女の姿に心打たれました。 一歩一歩順調に階段を上がっていくなぁと思いながら見ていると・・・やられました。このまま上手くいくはずなんてないとは思っていながらもあのラストですからね。衝撃でした。 フランソワ・ペリエの目のドアップのワンカットなんかを見ると、“映像の力”ってやっぱりあるよなぁ~って思います。 エンディングのワンシーンもジュリエッタ・マシーナだからこそあのように望みあるエンディングを迎えられるわけで。こういうのって彼女の発するオーラですよね。 けど、何回聞いても“カリビア”って言っちゃうんだよなぁ。是非、また観ます。* 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-12-03 05:31:37) (良:1票) |
16.《ネタバレ》 最後は殺さなくていいから、せめて半分だけでも置いていって欲しかった 【マーガレット81】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-05-06 21:42:08) |