314.《ネタバレ》 “E.T. THE EXTRA-TERRESTRIAL”『地球外生命体』。細かく言えば『陸上生物』で、“Intelligence”が入ってないので『知的生命体』ではありません。話を聞いただけの友達の言葉から命名したからだけど、なぜエリオットが愛称に“イーティー”を採用したかは謎。
この友好的な宇宙人E.T.って、どんな姿をしているんだろう?って、公開前から話題の映画でした。公開後も、おもちゃ屋さんにE.T.人形が並んで大人気に。それでも劇中の動くE.T.の姿は一切公開されてなかったと思う。
ポスターの指合わせは、友好を表現する挨拶になってたから、友達と喧嘩して仲直りするときは「ごめんね」と言う代わり(照れ隠し)に指くっつけてたっけ。
新春かくし芸で研ナオコのドラマ(“イーテフ”だったか、研ナオコがE.T.だったと思ったけど、記憶違いっぽい)で盛り上がって、私も本物を観たい熱が。
忙しいママンに「お姉ちゃんと観ておいで」と言われ、別な映画が観たかった姉が熱弁「みんな英語で喋るんだよ?あんた解る?字幕の漢字読める?」それでもいい!観たい!という私に、姉「E.T.はね、実は白黒映画なんだよ、きっと退屈して寝ちゃうよ?」それは、困る。当時8歳の私にはその嘘を覆す知恵もなかったわ。一気にシュンとしてしまって、ママンも「トシちゃん観ておいで、そっちも面白いから」って。姉と一緒に『ウィーン物語 ジェミニ・YとS』を観に行きました。面白かったです。
その後E.T.はテレビ放送もされず、ビデオデッキが普及しても暫くVHS化されず、いよいよレンタル開始ってときは、もうワクワクが止まらなかったわ。
いざ視聴・・・・あれ?内容殆ど知ってる。子供の頃に観た“イーテフ”と、ほぼ一緒。終わり?これで全部?びっくりする何かはないの?
本作を観ること無く、リスペクトされた作品を多数観たことの弊害で、まるでインパクトの無い出涸らしのような印象を持ちました。当時、あの時代、あの空気の中で観るべき作品だったんだなって。リスペクトやパクりは超有名作品の宿命。たまに遭遇する“古いけど隠れた名作”って、当時不人気で内容パクられることが少ないから、今観ても面白いのかも?
第一印象はそんなだけど、複数回観るとオリジナルのパワーを感じられます。
舞台は閑静な住宅街と、近所の森だけ。子供が自分の足で行ける範囲なんですね。子供が汚い言葉で話し、夜集まってタバコ吸ってピザ注文してママのケツ触ろうします。BMXのカッコイイこと。大人相手に戦うために気合い入れるサングラスやマスク。スタントだってバレない工夫なんだけど、カッコイイ。
騒がしいスクールバス。カエルの解剖の緊張感。飲酒(子供に飲ませるのは難しいからって、あんな方法で表現するのは流石)。好きな子にいきなりキス(足がキュッと内股になるのがエロいぞ)。そしてきれいな夕焼け。静寂に包まれる夜の森。まさに学生時代の放課後。子供時代の冒険物語です。
本作はアメリカ人にとっての『となりのトトロ』なんでしょうね。
~興味があればE.T. 20周年アニバーサリー特別版へ~