319.《ネタバレ》 僕の中では、後悔No.1作品です。
薄々気付いてはいたんです。
金曜ロードショーで見たカリオストロの城は強く心に残っていたし、
子供だった僕はアニメが大好きで同年公開の他のアニメ作品は見に行ったのに
何故かナウシカは見に行かなかったんですねぇ。
かなり遅れてレンタルビデオで見ることになって、僕は激しく後悔しました。
もう何度見たかわからないくらい大好きですけど、未だにスクリーンで見たことがない。
どこかの映画館で上映してくれないだろうか。
というわけで、この作品の素晴らしさについてですが、
やはり起承転結がきっちりと描かれているという点でしょうね。
巨神兵を積んだ輸送船が風の谷に墜落するのを起点にして、
それを承けて風の谷はトルメキア軍の襲撃を受け、
ナウシカは風の谷を離れることになり、アスベルたちペジテの人々と出会う。
しかし、物語は急転して、風の谷に危機が迫っていることが判明し、
ナウシカはその救済に向かうが時既に遅し、ナウシカは王蟲の群れに飲み込まれてしまう。
ところが、古き言い伝えを再現するかのように王蟲の群れが歩みを止め、
金色に輝く草原にナウシカがその姿を現すという大団円にて物語が結実する。
巨神兵と古き言い伝えという物語を通じて張られた2つの伏線の交差にも好感を覚える。
人々は巨神兵を奪い合い、愚かな過ちを繰り返してしまうわけだが、
最後にはその巨神兵は腐り落ち、古き言い伝えが風の谷を守ることになる。
見事としか言いようの無い物語の展開ではないでしょうか。
惜しまれるのは、原作では世界全体の行く末にまで踏み込んで描かれているのに
劇場版としてはそこに至っていないという点でしょうか。
続編があることを期待して、この作品に対する評価をこの点数にしておきます。