7.《ネタバレ》 まあキングの原作の映画化ということで、だいたい予定通りで予想通りの作品に仕上がったといった感じ。
デビッドコープの初監督ということで期待していたが、良くも悪くも無難な仕上がり。万人向けの映画になってしまっている。
脚本家として高い地位があるんだから、もう少し個性を出したり、冒険をしてもいいんじゃないか。せっかく監督やるんだから。
一方、デップは相変わらず小技を多用しながら、いい演技をしていたと思われる。
彼が演じてなければ、どんなにつまらん映画になっていたことか。
しかし、多重人格のネタばらしのシーンはもっとうまく演出して欲しかった。
デップ本人がもっとコンフューズしてくれないと、観客もコンフューズできないだろう。
その一歩手前でいきなりネタをばらされてしまった印象、デップもすんなり受け入れているのがやはり問題。
一体何が起きているのか誰も分からないというようにしないといけない、他のレヴューを見る限り丸分かりだったようなのでそれはマズイだろう。
順序を変えた方が良かったんじゃないか。
自分が多重人格と気づいた後に、妻を殺しているが。
妻が殺された後に、自分が多重と気づいた方がもう少し衝撃が強いと思う。
肝心の小説ももう少し丁寧に扱った方が良いだろう。観ていてもどういう内容の小説がイマイチ伝わりづらい。
渋谷で映画を観たのだが、観ている最中にでかい地震が二発ほど来て、結構観客がざわついていた。
ちょうどクライマックスに差しかかっている所に地震が来たので、思いっきり揺れながらも必死に映画を見るという体験だった。
たぶん、この映画は自分にとっては内容よりも地震があったという印象しか将来残らないだろう。