156.《ネタバレ》 シリアスな内容かと思ったら冒頭のダイナーの演出で「なんか違う」と思いました。 途中までこのポップで薄っぺらい?演出についていけるか不安でしたが、見てるうちにだんだんと凶行を犯す犯人をメディアによってスターの如く祭り上げられる滑稽だと皮肉さを感じ取ってから不思議と見入ってしまいました。 ストーン監督とタランティーノが脚本をめぐって対立したようで、純粋なタランティーノ脚本版がどのような仕上がりになったのかちょっと気になる作品でした。 【クリムゾン・キング】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-07-01 23:37:43) |
155.15年ぶりぐらいに二度目の鑑賞。 アナーキストな雰囲気が好きな人には良いかもしれません。 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-03-16 19:53:31) |
154.「プラトーン」「7月4日に生まれて」「JFK」など社会派の名作を生んだオリヴァー・ストーン監督が撮った映画とは思えない内容に唖然としましたが、コミカルでキレッキレの作風は妙に心地よく、最初のダイナーから画面に釘付けです。(よく確認すると原作タラちゃんで何となく納得) 作風からおそらくコメディ寄りにしたかったものと思いますが、要所要所で差し込まれる連続殺人を擁護するような説明くさいシーンが妙にテンポを落としてしまっています。ミッキー(ウディ・ハレルソン)の児童虐待シーンやマロリー(ジュリエット・ルイス)パパからの性的なシーンなどは不要だったかもしれません。また、刑事(トム・サイズモア)やTVリポーター(ロバート・ダウニー・Jr)のパートもまとまりが悪く散漫で、刑務所でのインタビューでやっとメディア批判に焦点が絞られてきますが、今更感も強く、全体的に編集の甘さばかりが目立ってしまったように感じました。 結局のところ、説明的(言い訳的?)に悪魔のノックス夫妻(ミッキー&マロリー)を擁護しつつ、メディア批判、刑務所の体制批判の体で価値観の押し付けまでやろうとした結果、方向性がよく見えなくなってしまったものと思われます。アメコミやモノクロを織り交ぜた凝った編集や、序盤のダイナーの一件、橋での結婚シーン、原住民の一件など雰囲気が素晴らしかっただけに非常に惜しい作品です。 ただ、ノックス夫婦(ミッキー&マロリー)の突き抜けた愛は素晴らしく、偽善感を感じつつもトータル的には結構面白い作品だったと思います。無駄にトミー・リー・ジョーンズまで使っておきながら、作り手側が悪(悪魔)に徹し切れなかったのが評価を二分させた原因かもしれませんね。 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-04-25 16:17:23) |
153.《ネタバレ》 “ロックな映画”で愛を語りたかったんだろうな。無軌道で刹那的で過激なことをやって………。 この手の映画はみな「俺たちに明日はない」の亜流に見える。あの作品との差別化を図り恋愛劇としてもブラック・コメディーとしても社会派としても尖がってるつもりだろうが中途半端な印象で、バイオレンスだけが浮き立つ。 刑務所でのインタビューが肝だろう。「すべての動物は必ず何かを殺してる」………人間も食べるもの(動植物)を殺めて生きている。言われなくても先刻承知。食うこと、環境破壊及び宗教まで持ち出して社会派ぶったセリフのやり取りにうんざりする。 かつてテレビで「なぜ人を殺してはいけないのか」としたり顔で語った輩を思い出し、この監督の偽善的な反体制ぶりが鼻につく。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 0点(2021-08-15 15:17:44) |
152.《ネタバレ》 タランティーノ原案と知って鑑賞した本作品。次々と犯罪行為を繰り返すも、メディアによって神格化されるヤバイカップルの逃走劇を描く問題作。タランティーノ原案とあってのっけからタランティーノらしいシーンが続く。(トゥルーロマンスにも似ている)しかし、監督オリバーストーンはここに”人間に潜む暴力の根源”や”暴力を助長するメディア”といったメッセージ性や刺激的な映像を付加した。それがタランティーノの意図に反しており批判の声も多いが、私はこれはこれで全然ありだと好意的であった。 伝染する暴力。ミッキーは親からの暴力、マロリーも性的虐待を幼いころから受けていた。暴力は新たな暴力を誘発する。暴力が伝染する要因は暴力が人間の根源に存在しているからに他ならないのだ。我々は己の奥深くに凶暴性や攻撃的指向が存在することを自覚しなければならない。記者であるゲールもミッキーとマロリーの暴力に魅せられ、殺戮に参加した。ここで我々は暴力の伝播を目の当たりし、その異質性と不気味さを体感するのだ。ミッキーは殺人は純粋なものだと語る。倫理的な問題を取っ払い、根源に潜む暴力への衝動を解放させ、魂を自由にさせることができるからである。殺人は束縛からの解放であると主張しているのだ。つまり、彼らにとって数々の殺人行為は精神的自由を求めるための旅の一環に過ぎなかったともいえるだろう。彼の発言は犯罪を助長する可能性が極めて高い。皮肉にも、本作上映後には模倣犯が多発したという。監督の伝えたかった”暴力の伝染”が目に見える形で現れてしまったのだ。 また、ミッキーは己の内に潜んだ暴力的衝動を”悪魔”と表現している。その悪魔は愛によって制御されていると彼は語る。愛とは広義に解釈できる。ミッキーとマロリーの間の恋愛感情のみならず親切心や哀れみといった感情も入る。暴力的衝動が発露するか慈悲の心へと置き換わるかは相手への愛によって依存するともいえるだろう。こういった暴力の性質を監督はミッキーとマロリーというまさに”象徴的な暴力的存在”を描くことで投射したかったのではないだろうか。極めて残虐で恐ろしい殺人者にも悪の根源は存在し、突発的に無から生じた訳では決してないのだ。 あと、本作のタイトルでもある「ナチュラル・ボーン・キラーズ」について。直訳すれば”生まれながらの殺人者”。これはミッキーのセリフである。しかし、果たしてミッキーとマロリーはナチュラル・ボーン・キラーズだったのだろうか。人間は誰しも生まれながらのして暴力への衝動は存在する。ただ、それが発露して殺人者になるかどうかは生まれた瞬間には決定しない。発露するか否かには暴力の伝染による影響が大きくある。つまり、彼らは生まれながらの殺人者ではない。凄惨な過去が原因なのだ。それ故、病的なのは彼らではなく、本当の意味でのナチュラル・ボーン・キラーズなのだ。 しかし、アニメや画質、画面の色が入り乱れる映像の数々やコメディ風タッチ、タランティーノっぽい殺人のシーンなど自分好みのクセの強い映像の数々とこれまで書いてきたような真面目なメッセージ性という二つが完全に両立できているとはいえない。そういった意味で作品の一貫性に乏しい作品ともいえる。ただ、非常に実験的かつ刺激的であり暴力に関するメッセージ性、メディアの表現も秀逸であったため、高得点をつけた。 【whoopi】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2019-10-15 01:28:44) |
151.《ネタバレ》 古臭いけどすごい試みの映画ではあった。 冒頭は快楽殺人者カップルの出会いから別れ。 後半は快楽殺人者が何故殺しをするのか、どう殺しを正当化するのかへと迫り、最終的には刑務所をめちゃくちゃにして家族をもうけてハッピーな感じで終わります。 結局のところどういうことなのか、この映画からメッセージ性を感じ取ることはできなかった。 彼らにとって殺しは、ものすごく深い根源的な欲求ということでしょうか。 彼らに心酔するインタビュアーが、銃を持った途端殺しにハマっていくプロセスには確かに引き込まれるものがありました。 途中で挿入される演出はしんどいです。 今でいうと野性爆弾のくっきーさんの映像みたいなクドさ。 急にモノクロになったり、アニメ化されたり。 【アーウーマンデ】さん [インターネット(字幕)] 3点(2018-11-19 15:17:51) |
150.タランティーノ激怒も納得の内容。MTVやコメディドラマを思わせるくどすぎる演出の数々が、作品のテーマ及び純粋で無軌道な暴力を薄っぺらい物にさせてしまった。狙ってやっているとは思うが、インテリぶって拗らせるとこうなる、という一例。タランティーノとストーンでは水と油みたいにベクトルが違いすぎたのだろう。元の脚本がどうかは知らないが、もう一つのエンディングの方を採用してくれたらまだ救われたか。 |
★149.本作の脚本を巡ってストーンとタランティーノが激しく対立したことは有名な話ですが、主な改変部分とは、ミッキーとマロリーの生い立ちをストーンが書き加えたという点だそうです。そもそもミッキーとマロリーとは、『トゥルー・ロマンス』の脚本執筆中に、その主人公・クラレンスに影響を与えた人物としてタランティーノが創作したキャラクターでした。クラレンスは、クールな殺人鬼カップルを以前にテレビで見ており、その模倣をする形で自分もアウトローの道に突っ込んだという話にするつもりだったとか。その後、ミッキーとマロリーのエピソードが大きくなったので『トゥルー・ロマンス』からは完全に切り離され、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』として一本の脚本にまとめられました。以上の成立過程に起因してか、本派生企画において、タランティーノはミッキーとマロリーの実像ではなく、メディアを通しての虚像を描くということを作品の骨子としており、基本的にはメディアによって取り上げられる姿のみでミッキーとマロリーの物語を構成しようとしていました。しかし、ストーンは彼らの生い立ちまでを描くことで、根本的な作品のあり方を変更したのです。タランティーノは怒って当然ですね。。。 以上の改変は是か非かというと、私は非だったと思います。タランティーノの脚本は、殺人者がメディアによってロックスターのように持ち上げられる様の異常性を訴えたものでしたが、ストーンの改変によって暴力の連鎖という主張が追加されたため、全体として何を言いたいのかが分からない映画になってしまったからです。カマキリが獲物を食べる様から原爆投下まで、実に多くのイメージが作品全体に散りばめられており、本作においてストーンは暴力に関する普遍的な考察をしようとしています。しかし、タランティーノが作り上げた脚本には異常者しか登場しないため、そのドラマから普遍性を見てとることはできません。このことが、作品全体を意味不明なものにしています。。。 ただし、既存のどの映画にも似ていない本作の斬新な手法の数々には、大いに評価の価値があります。当時、世界最高の映画監督だったストーンの発想力はタダゴトではなく、本作を忌み嫌っているタランティーノ自身が『キル・ビル』において本作の手法を取り入れたという事実が、その影響力の強さを物語っています。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2014-01-06 01:47:55) |
148.良く分からなかった。DVD特典の「監督による解説」も見たけど、やっぱりよく分かんなかった。というか解説といっても、O・ストーンが滑らかに語るのはフィルムの種類だのやれ光源がどうだのといった技術的なことが多くて、肝心の殺人者二人の心理にはあまり触れてない。あのさ、O・ストーン自身がタランティーノの原案を咀嚼し切れてないんじゃないのかな。この映画はストーン曰く「私のこの二年間の幻滅だ」らしい。暴力が止まずそれを称賛すらする一部の社会、そんな90年代を指すらしい。タランティーノの世界は暴力を前面に展開しながら、核のところは暴力行為を超えた向こう側を描く。暴力の持つ凶悪性にパワー負けしない作家性が特徴なわけで、とすれば暴力社会に倦んでいたストーンが彼の脚本に強く魅かれたのは無理も無いのかなあと思う。でもやはりタランティーノの脚本は彼の感性で映像化しないと。結局のところは“暴力ビビリ”のストーンが変な手を加えて、挙句タランティーノが袂を分かってしまってこんな意味不明な作品に。出演者の熱演といい、熱心に割って割りまくるチカチカカットといい、なんかすごく残念な映画。タランティーノがメガホンをとってたら、どんなのになっていただろう。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 3点(2013-10-11 01:27:35) |
147.はじけっぷりとジュリエット・ルイスの可愛さに。 【noji】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-06-20 00:46:43) |
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146.発想はいかにもタランティーノなのだが、メガホンをとったオリヴァー・ストーンが理性的すぎるのか、やや出来上がりが綺麗すぎる感がある。全体的に丸いというか、ハジケようとしてハジケている感じ。でも良く言えば見易い。 【肛門亭そよ風】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-12-29 07:36:34) |
145.オリヴァー・ストーンよりもタランティーノ色が濃い。結局コメディなのが「ワイルド・アット・ハート」を彷彿させる。映画としては十分楽しめた。 【すたーちゃいるど】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2012-11-11 03:33:35) |
144.《ネタバレ》 あんまり評判は良くないみたいだけど、それでもタランティーノとはまた違った世界観を有する映画としてけっこう個人的に好き。取り敢えずアクの強いキャラクターたちが繰り広げるスラップスティックなストーリーは、確かに爽快感は感じさせないけどこれはこれで面白いと思う。特に、主人公カップルのイカレ具合がなかなか見事。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-05-27 23:28:59) |
143.《ネタバレ》 コラージュっていうんですか、とにかく実験的。前半は酔って気分悪くなるし、クソつまんないんやけど、ミッキーの独白以降は俄然盛り上がってくる。そしてタイトルの台詞。ええわ~。善も悪も酷い殺人事件もコンテンツとして消費される世界において、本物の愛だけは、そうじゃないってことだよな。 |
142.逃避行なら古典の「俺たちに~」の方が面白かった。ちゃかちゃか切り替わる映像もしつこ過ぎて飽きてくる。そして予定調和的に発生する暴動。もういいって。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 4点(2010-08-30 23:17:42) |
141.70年代ふうニューシネマのパロディとも見られる。あの新しさとテレビの退屈さとが同じものであった、っていうか。二人の出会いの場が「ルーシー・ショー」ふうのコメディにされて出てくるあたりは実にワクワクした。あとアニメあり、ニュースふう事件再現あり、とごちゃまぜの文体で「テレビの国のユリシーズ」といった面白さ。二人は社会に対して特別に恨みつらみがあったわけじゃない、あったのは家族に対してだけ。この世はゲームの場となり、イノセントに殺人を続けていく。そこにリアルな感じがあった。マスコミ批判は戯画的になりすぎて、それほど印象に残らず。インディアンの場は、これだけ「裁き手」になってしまうのでつまらない。ナチの悪もアニメの悪も、ブラウン管の中では同質になってしまうって視点が大事なんだ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-07-03 11:45:03) (良:1票) |
140.《ネタバレ》 ○オリヴァー・ストーンの撮る映画じゃない。作風自体は決して悪くないが、柄にもないことはすべきじゃない。○痛烈なメディア批判だが、もっとシンプルにしたほうが分かりやすい。○キャストは言うことなしだった。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 4点(2010-02-02 11:53:05) |
139.凄まじい実験映画ですね。様々なテクニックを詰め込んでいて、映像自体は最早カオス。しかし、そのカオスな映像にこそ、この映画の描きたかったエッセンスがギッシリ入っていたのは素晴らしかったです。話自体は良くある「何故に人殺しをしてはいけないか?」という物ですが、いやはや此処まで徹底してると、一種の洗脳映画みたいでしたが、ある意味清々しい。 哲学的な内容が嫌いな人には受けないと思います。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-11-15 16:21:20) |
138.《ネタバレ》 タランティーノ関連は結構観ているが何故かまだ観ていなかった作品。途中少し飽きてきたが暴動からまた盛り上がってきたので5点にしておきます。なんとなくシド&ナンシーを思い出しました。 【より】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2009-11-14 23:46:24) |
137.《ネタバレ》 これわざとスタイリッシュにしようとしてるよね、年寄りが。でも冒頭でジュリエットルイスが思いっきり警官をぶん殴るところだけは最高に好きなシーン! 【HAMEO】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-09-03 17:03:55) |