4.《ネタバレ》 これは設定の勝利でしょう。
自然災害によって隔離された病院。
亡き妻の忘れ形見となった赤子の命を守る為、小型発電機で医療機器に充電し続けながら、何とか親子揃って生き延びようともがく主人公。
非常に孤独で、なおかつ斬新な戦いが描かれていたと思います。
とにかく主人公に与えられた制限時間が短過ぎて
「これ、もう三分以上が経過しているんじゃないか?」
と思えてしまう場面もあるのは難点ですが、それゆえに緊迫感の濃さも、折り紙付き。
中盤になって訪れる、短過ぎる制限時間の更なる短縮というイベントが、もう本当に衝撃的で「せめて二分は与えてくれよ!」と叫びたくなりましたね。
終盤、銃で武装した火事場泥棒の連中が病院内に出現した際には「最後の最後で長々とした銃撃戦になるのか?」と思ってしまったものですが、そんな観客の疑念を一蹴するかのように、主人公は不埒な闖入者を瞬く間に撃退してしまう。
その恰好良過ぎる姿には「父は強し」なんて言葉を思い浮かべずにはいられませんでした。
ラストシーンでは
「二人とも助かって欲しい」「バッドエンドなんかにしないで欲しい」
と切実に願わされただけに、その願いが叶って、心からホッとさせられましたね。
ポール・ウォーカーは好きな俳優さんですが、そんな彼の出演作の中でも異彩を放つ内容である本作。
勿論これ単独でも充分に楽しめる品なのですが、他の映画作品における「明るく気の良いアンちゃん」としての彼を知った上で観賞すれば、一本の映画を通して「強き父」へと生まれ変わっていく彼の姿に、更なる感動を抱く事が出来そう。オススメです。