★6.強い風と乾いた空気。埃っぽく荒涼とした南米パタゴニアの大地を1台のバイクが力強く疾走する。 その姿は、歯の健康を普及させる財団から派遣されパタゴニアの村から村へと巡回する、 使命感に燃える若い歯科医師の信念そのもののように見える。 この歯科医師の熱き使命感と、うまくいかない無力感。地元の人々との微妙な距離感。 時折笑えるエピソードを挿入しながらも、 荒涼とした風景も相まってどこか隙間風を感じさせる独特の空気感があります。 この旅を続ける意味を失ってしまっても、新たな生きる意味を見出し、再び走り出す。 どこまでも続く平原の中の一本道をバイクで駆け抜ける力強いラストシーンが印象的です。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-02-12 13:58:55) |
5.《ネタバレ》 乾燥したパタゴニアの風景がイイです。使命感に燃え、何かっちゅーと「cavities」を連呼するファーガスは、最後に財団に裏切られちゃった上に妻にも愛想をつかされて絶望し、抜け殻の如くへたれこんでしまうけれど、エステラによって、心身ともに「立ち上がらせ」てもらう・・・。なんかイイんだよなぁ、こういうの。そうそう、案外そうやって立ち直っちゃったりするんだよね、みたいな感じ、誰にでもあるんじゃないかしら。なんというか、すごくチャーミングな映画です。手元にそっと大切に置いておいて、ときどきそっと開けて見たくなる、そんな作品です。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-11-17 15:37:48) |
4.名作『アンダーグラウンド』 のナタリア役が絶品だったミリャナ・ヤコヴィッチは、本作でも非常に魅力的だ。特に表情の使い分けというか、眼の芝居に非凡を感じるっつうか…、まぁ、とにかく良いものは良いのです。全体的にも、淡々とした味わい深い空気の中で、笑いと哀愁を心ゆくまで堪能できる異色にして傑作のロードムービー。 【丹羽飄逸】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-06-10 20:48:44) |
3.世の中から虫歯を無くすという使命のもと、乾いたパタゴニアの平野をひたすら走っていく主人公に、本気で惚れ込みました。世の中、矛盾は多々あれど、自分が信じ、自分を信じてくれる「何か」がひとつでもあれば、それでも進んでいけるのです。彼にとって彼女は天使で、彼女にとって彼は救いだったのかしら? 絶望のどん底から主人公が「立つ」シーンが大好きです・ ラストの音楽も最高! 【showrio】さん 9点(2003-10-19 20:08:07) |
2.サイドカーを走らせて、歯の啓蒙活動にいそしむ歯医者の主人公。南米アルゼンチン…というよりパタゴニアの風景そのものがシュールなまでに空虚で、別世界していて、その中を古風な革の上下に身を包んだ主人公がサイドカーで通り過ぎると、それだけで「詩」を感じさせてくれます。ダニエル・デイ=ルイスが、最もチャーミングな作品としても、特筆したいな。うん、ステキな映画でありました。 【やましんの巻】さん 8点(2003-09-16 15:43:02) |
1.歯医者さん版「カンゾー先生」てな感じのロード・ムービーです。ほのぼのしてて、でも何となく一抹の寂しさが残らんでもない、そんな映画。 【鱗歌】さん 7点(2003-05-17 13:02:03) |