23.時間をかけて戦前戦中戦後の灯台守の生活を観せてくれます。 ストーリーは凄く劇的とかそういうわけではないですが、それなりに山あり谷あり、しみじみ人生を感じさせてくれます。今のように情報やスピードの溢れた生活からみたらのんびりしてみえますが、そういう時代だったのであり、だからこそ当時の方々の共感を生んだのでしょう。 また、我々の現在が戦前からの地続きであるということや、人間の本質的な部分はいつの時代もそうは変わらないのだなということを実感させてくれました。 昭和高度成長前の日本各地の風景がとても美しいです。 【クリプトポネ】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-08-13 15:32:38) (良:1票) |
22.僻地を転々とする仕事は灯台守だけではありませんが、生活の単調さと船舶の安全運航を守る重さは伝わってきます。戦中、戦後の混乱期のドラマですが、もっと劇的な人生を送っている人からすれば、随分穏やかな物語に思えるのではないでしょうか。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-02-20 17:32:12) |
21.《ネタバレ》 僻地での何もない暮らし、転勤はあるものの、繰り返されるある種の退屈な日常。それでも、時代や環境の変化に翻弄される夫婦と家族。複数の家族が出てくるが、時代や環境の不運に負けた者、時代の波に乗って成り上がった者、変わらずに職務を全うした者等々、戦前戦後の30年という時間の流れの中で生きた人々の想いを感じさせられた。生きるというのは簡単なようで難しいというか、どうにもしがたい運命・宿命があり、単調で退屈なようでいて天変地異もあるし、それでも時は流れ人は成長していくし、その過程の中に苦労・悲しみや喜びがあって、人間はそうやって生きていくしかないのだろうな。 【東京50km圏道路地図】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-11-10 13:11:54) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 この映画を見たのは、小学生の頃、TV放映時でした。当時、雪国である両親の郷里に帰るにも夜行列車などを乗り継いだものです。そのため、映画の中で赴任地が地図で映し出されるたび「こんな遠くに…」と驚きました。一緒に観た両親は、特に戦時下の場面で「殉職と簡単に書いてあるけど、戦闘機の機銃掃射で亡くなったということなんだよ」「お前のお爺さんやお婆さんは、戦争中、このような苦労をして子育てをしたんだよ。そして私達も空襲などに怯えて暮らしたんだよ」と涙ながらに語ってくれました。 その後も、TV放映のたびに観ましたが、都内の松竹系映画館の閉館直前に企画された特集上映で、婚約した彼女と観に行きました。自分達の未来(職業は灯台守ではありませんが)を重ね合わせながら「人生には苦労がつきものだが、二人一緒なら乗り越えていける」と語り合ったものです。 そして今回、DVDで再見しました。あらためて、夫婦の何気ない言葉や仕草の機微の一つ一つ、悪く言えば「似たり寄ったり」の繰り返しから紡ぎ出されるものが、この映画の味わい深さだと思いました。また、各赴任地でのエピソードは、その場限りのものだけではありません。【男木島で息子さんが亡くなりそうなとき、安乗崎で息子さんが買ってくれたバッグを握りしめて病院へ向かう】【息子さんの遺骨を抱えて帰るとき、観音崎で出会った“交通事故でお子さんを亡くしたのを機に、気がふれてしまった奥さん”と、自分の心境を重ね合わせる】というように、エピソードが幾重にも重なり合っていることも、あらためてわかりました。重なり合っているといっても、必ずしも物語を劇的に展開させるわけではありませんが、私達一般人の人生における各エピソードの関連性とは、このようなものでは…と思います。こうした重なり合いが縁で娘さんが結婚し、夫婦二人で灯台の灯をともして門出を祝うラストに至ります。見応えのある2時間40分間でした。 なお、DVDを通じて感じたのは、それだけではありません。①交通網が発達した現代の地理的感覚のままで、この映画を観る方、②灯台守の人達の業務内容の詳細を期待して観ようと思う方、③「次から次へ」といったスピーディーな場面展開や、大どんでん返しといったストーリー展開(そのための伏線)に慣れている方…このような方々には、観るのがしんどいだろうな…感じるものは人それぞれ、万人受けは難しい作品だな…とも思いました。 さて、採点ですが、万人受けは難しいとは思いつつも、灯台守の人達をはじめ、当時の時代を真摯に生きた人々、そして、この作品を世に送り出した木下恵介監督やスタッフの皆さんへの敬意を込め、10点を献上します。 【せんべい】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-07-26 19:38:17) |
19.《ネタバレ》 もう何度も観ているが、今回、この映画を見て、「サザエさん」などの長谷川町子の漫画を思い出した。主人公の喜ぶシーン、喧嘩をしに行って、奥さんが「しっかり~」と言うも、意気投合して酔いつぶれて帰ってくるシーンなど、もう漫画である。長谷川町子が映画好きだったと言っているが、木下恵介の作品など好んで観たのかもしれない。この映画について言えば、息子が死んだりする場面もあるが、全体の基調としては、幸せな映画である。まぁ気軽に観れる娯楽作品です。それにしても高峰秀子さんは、色んな顔を持ってるんだねぇ。この映画は日本中の灯台に赴任していく話だが、やはりあちこち日本中を渡り歩く「浮雲」を何度か思い出した。まったく別人だもんねぇ。う~ん・・。 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-06-24 11:58:26) |
18.今となっては完全にドラマ(特にNHKの朝ドラあたり)向けの題材で、あちこち転勤するので各地でのエピソードが散発的で物足りなかったり、話の内容も人畜無害で当たり障りのないものが多かったりするのですが、そういった「普通さ」がかえって本作の魅力になっていると思います。その一方で、職業柄日本各地を転々とするという「普通でない」部分もあり、それに伴う風景の美しさも堪能できます。公開当時は戦争を体験した観客が大半だったでしょうから、こうした映画は共感を呼んであたりまえともいえます。今見ると彫りが浅くのっぺりとしていますが、楽しめないわけではありません。というか、こういう映画にはどうもあまり低い点数をつけたくない、というところがあります。戦前から戦後にかけての、日本人の記録という側面も持っていると思いますので。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-05-25 22:25:39) |
17.あまりにも同じような描写の繰り返しで、相互に関連性もなければ発展性もないので、びっくりしてしまいました。何で160分も必要なのか? 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-04-23 03:58:16) |
16.《ネタバレ》 灯台守という特殊な職業を一般に知らしめた佳作。 灯台守に従事する夫婦が、長年に渡り、困難にみまわれながらも奮闘する姿を描く。仕事の性質上、責任は甚大で、疎漏や落ち度は許されない。勤務先は離島か岬の僻地に限られ、転勤が多い上、嵐の日も勤務、まとまった休みは取れずと、その労苦は察して余りある。特に子供の教育には支障をきたす。 主人公有沢四郎、きよ子を含めて四組の結婚が描かれ、同僚夫婦の挿話も多いことから分る通り、主題は夫婦愛だ。 ある夫人は、灯台守の寂しさと子供の事故死が原因で狂人となってしまうが、それでも夫は妻を愛していると言う。 後輩の野津と真砂子夫婦は、一度は破談したが、紆余曲折の末に結ばれた。きよ子と同郷の女は、きよ子に振られた男に冷淡にされ自殺を決意したが、翻意して、数年後その男と結婚した。だが結婚生活は不幸なものだった。有沢夫妻の娘は、海外勤務の夫と結婚してカイロへ旅立つ。 日本最古の観音崎灯台から始まり、日本各地を巡り、四季折々の風景を写し、戦争等の時事を交え、娘夫婦の海外渡航で終る。市井の人としては波乱に満ちた人生で、老いた二人が最後に人生を回顧する場面は感動的だ。物語を日本国内に留めず、海外にまで伸ばしたことで視点が広がった。練りに練り込まれた脚本で、賞賛に値する。 しかし、謹厳実直な夫と、よく従う妻という「夫唱婦随」を絵にした「教科書的な」夫婦で、どこか物足りない。 最大の問題点は、二人の出会いの場面が描かれていないこと。四郎は父の死に帰郷し、翌日見合いし、翌日結婚した。きよ子も迷わず結婚を決意した。尋常でない。その辺りの事情や心情が省かれている。説明する必要はないが、二人が出会って結婚する場面を描かないと、夫婦の始まりの部分が空白で、物語が完結しないと思う。もう一つの問題は、最大の波乱かつ遺恨である息子の死について。事件に至る経緯や刺殺事件の実態が一切描かれない。これは手抜きだ。夫婦の契りが試される最大の事件であり、これを乗り越えてこそ真の夫婦に至るのであり、この事件を抜きにして二人の人生は語れないと思う。息子の掘り下げをしなかったのは、時間の制約によるものだろうが、甚だ残念である。 最も印象に残るのは、きよ子とが真砂子が浜辺で再会する場面だ。演技力も演出も撮影技術も申し分ない。二人の老け演技も佳い。一方で、米軍機の機銃掃射場面は貧弱だ。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-09-05 14:07:58) |
15.《ネタバレ》 2時間40分という比較的長尺な上映時間の中で延々と山場が連続する、個人的にはNHKの朝の連続ドラマを映画用につなげた様な印象を受けました。なので各エピソードに纏まりがなく、「はい次はい次」と兎に角忙しなかった印象です。各灯台毎に泣きのエピソードが挟まれるのですが、これも正直泣けないシーンが多かった。特に東京に行った息子を亡くす場面では、今夜が山と言われているにも関わらずこの息子が喋る喋る。どう見たって今際の様子じゃありません。観客を泣かせようとする余り、色んな物を犠牲にしている気がしました。 ラストの灯台と客船の汽笛でのやりとり、耳に残る主題歌など、素晴らしかった点もあったのが心残りです。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 4点(2013-09-15 11:09:38) |
14.この夫婦には申し訳ないけど、転任先が過酷であれば過酷なほど面白い。 まあ、どう転んでも離島か先っちょしかないので、もれなく面白くなるシステム。 この設定を考え付いた時点で勝ったも同然ですな。 せっかく兵役を逃れられたのに結局は灯台が標的となり、どんどん殉職していくという皮肉な因果応報に戦争の悲惨さを痛感させられて、ただの家族物語ではない深みもあったように思います。 でも、1本の映画として纏めるにはやや間延びして単調な印象もあるので、どちらかと言うと連続ドラマ向きの素材なのかも知れない。 それでも話が長かっただけにその分ラストの霧笛が感慨深くて良かったです。 あと、どうでもいいことだけど、この作品をロードムービーと評するセンスには脱帽。 そう考えると道程の描写を地図で表現する手法は斬新だったのかも知れない。 ロードムービーなのに移動は割愛するぜぇ!ワイルドだろぉ? 【もとや】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-01-18 00:42:19) |
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13.《ネタバレ》 見合いをして、結婚して三日目に、すぐさま灯台守の仕事に就いた夫婦が、世の中の事情と厳しい自然環境に、揉まれ苦しめられながらも生きてゆく、灯台守の夫婦の一代記。 灯台の光を集中させるフレネルレンズの、ギラリとした質感が何故だかすごいと感じた。日本初のカラー映画を撮った人にしては、6年ぶりのカラー2作目なのは意外だったが、この複雑な光の屈折を見せるレンズの描写は、灯台の光がある意味、主人公を象徴している事を考えると、実に見事だ。 最後に、娘の結婚旅行の船に光と霧笛を送るシーンは、ジンと来る。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-08-04 04:53:30) |
12.灯台守のような職業でも結婚出来てるのに、出来ない自分って一体・・・。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-10-13 20:28:56) |
11.昭和七年から三十年代までの時代を背景に、夫とその妻の波瀾万丈の人生を描いた作品。 灯台守って大変な仕事だなぁ、という印象がとても強い映画だった。 ストーリー的な妙味があるというわけではないけど、一応山あり谷ありということで、 映像は比較的きれいだし、夫婦愛、家族愛のテーマもとてもわかりやすい。 優しい夫、尽くす妻。古き良き?日本の夫婦の姿、心の機微が丁寧に描かれていて、 安心して鑑賞できる佳作だとは思う。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-08-07 03:51:59) (良:1票) |
10.懐かしい映画、懐かしい主題曲、子どもの頃何度見、何度聞いたことだろう。灯台は人里離れたへんぴな所にあり、そこで働く人の苦労は本当に大変なものだった。そこには苦難を乗り越えた喜びがあり、悲しみがあった。 私たちの年代の者にとっては、忘れることのできない懐かしい映画である。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 7点(2011-02-09 20:23:31) (良:1票) |
★9.日本の女性は強い。たくましい。そのことがよくわかる。灯台守という仕事も全然知らなかったので、興味深く見ることができた。生きていくことは、いいことばかりではないけれど、妻と夫が協力し合って生き抜き、子供を愛し育む。そういう人生を日本人が理想としていたのだということが伝わってきた。自分の祖父母とかもこの映画とおんなじような価値観のなかにあったんだろうなと思うと、貴重な作品である。 【wunderlich】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-07-27 19:20:27) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 この映画は国民的映画と言っても過言ではないと思う。一定の年代以上は、たいてい観ているのだ。実直に生きた灯台守の人生を淡々と描いているだけなのだが、昔の真面目な日本人は自分の人生に照らし合わせていたのだろうか。しかし、戦争中は燈台守まで狙われていたんだな。佐田啓二と高峰秀子の貧しくも支えあう夫婦愛は、文句なしに美しい。今ではほとんどの灯台は無人だが、昔の燈台守は朝からでっかいレンズを磨いていたんだろう。観てから三日間は、主題歌が脳にこびりついて困った。 【パオ吉】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-20 01:28:05) (良:1票) |
7.3回目観賞。高峰秀子が学生の頃、いろんな意味での“あこがれ”で大好きであった。しっとりとした演出が心地よく、所々涙した記憶あり。昔の日本人の良さが滲み出ている。それにしても現在の日本は気に食わない。 最近は楽しい映画に食指がいき、若き頃の、アート・シアター向けや、芸術作品は全くお呼びで無い。でもこの映画レベルまでは心地よく、しっとりと浸れる。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-05-05 11:39:09) (良:1票) |
6.燈台守の生活はよく判った。どちらかと言うと記録映画的な側面が強いのかな。悪くはないのだが、どうも子供への高峰秀子の喋り口調が飲み屋の女将のようで。うん。 【カリプソ】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-04-19 01:49:12) |
5.苦労を重ねれば重ねるほど、人生の喜びも大きい。それがラストのシーンに表現されているところが素晴らしかったです。冗長だとの意見もありますが、私はけっこうすっきりと見られました。監督が日本を愛していることが感じられる作品ですね。 【mhiro】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-03-05 19:28:43) (良:1票) |
4.本日11月1日は灯台記念日。 「1」が灯台の形だから?と思ったら(笑)違うみたい・・ 洋式灯台である観音崎灯台が着工された日だとか。 その観音崎から赴任し始め、灯台から灯台へ転勤を重ねる夫婦苦労の物語であります。 幾人かの女たちを乗せる雪ソリの各シーンが好きでよく思いかえします。 なかでも三宅邦子の時には泣かされ、そのせいか本作はタイトル通り、喜びも悲しみもいっぱい’詰まってます’(爆。中高年様限定ネタ)。 反戦の描写もダイレクトではなく’♪サラサラサラリン サラリンリン~’(爆。上段に同文。)と流してくれてるので重苦しくなかったです。 抑揚のあまりない後半は長ったらしいのが難ですが、じーっとひたすらガマンしてると感動のラスト数分がやってくる!(←サラリンが効いた!?) 佐田父さんはまぁまぁにしても(笑)、とにかく高峰の年老いた格好がメチャうま、、この人に老けメイクも衣装も要りまへん。 女が階段を下りるとき・・そうそう、灯台の階段を下りる手足運びや背のかがんだ羽織姿、歩き方話し方、、もうトータルに身振り手振りが年寄ってるんじゃよ・・これに「♪星を数えてぇ」の主題歌が重なって涙、涙・・いつ見ても絶対アカン、声震えます(笑)。 『泣かずには唄えない懐メロ』5本指に入ってます(笑)。 (ちなみに他の4曲は「あゝ上野駅」「湖畔の宿」「新聞少年 の歌?(朝刊太郎のアレ)」「(えっと、、考え中)」) 泣く高峰を見るなら成瀬作品。でもその愛らしい微笑みで癒してくれるデコちゃんなら木ノ恵で、かなぁやっぱり。(*^_^*)。 【かーすけ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-01 23:09:17) (良:1票) |