11.《ネタバレ》 阪本順治の「ザ・座頭市」ですね。 とても映画的ではあるけど、座頭市の映画ではないですね。 座頭市の魅力と言うのは、好敵手や敵とも言えない相手(時には愛する相手)と やむにやまれぬ決闘をするのが魅力です。 仲代達也と闘わせたりするアイデアも面白いですし、すべりやすい雪でのアクションのアイデアも 秀逸ですが、やはり阪本映画としてしか面白がれなかったですね。 このタイトルにめげずに、どんどん色んな監督が座頭市を創れればいいんじゃないでしょうか? 「座頭市~お終い~」「完結編」「さらば座頭市」とか。 なんちゃって最終回にして、また新しい座頭市が観たいです。 日本映画、得意じゃないですか、そういうの(笑) 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2024-03-31 02:52:14) |
【山田一郎2世】さん [DVD(邦画)] 0点(2014-07-10 01:21:20) |
9.座頭市はこうあるべき!などと押し付ける気はないが、本作の市は若さゆえか余裕が無く、ユーモア不足。剣の腕も勝新太郎や北野武の市に比べると明らかに落ちる設定。そんな市にあまり魅力を感じなかったのが本音。その分、ヒヤヒヤするという面はある。それが監督の狙いかな。面白いとは思わないけど、退屈するほど酷くもないか。5点で。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-12-25 00:04:08) |
8.《ネタバレ》 勝新によるオリジナルは一本も見ておらず、北野武版とハリウッド版(ルトガー・ハウアー主演・フィリップ・ノイス監督による珍作『ブラインド・フューリー』)のみ鑑賞経験ありという何ともお恥ずかしい私ですが、本作は非常に素晴らしい作品だと感じました。鑑賞前には香取慎吾主演という点に不安があったものの、竹やぶにて敵から逃れるファーストショットでその不安は払拭されました。彼は完璧に座頭市に成りきっており、殺しの世界に生きる者の凄みが全身から出ていたのです。また、市の妻タネを演じる石原さとみも、彼に負けず素晴らしい。彼女の出番はわずか5分程度であり、市とタネの関係について劇中ではほとんど説明がないのですが、石原さとみという女優の存在感のみで、タネがいかに市を変えたかが十分に伝わってきます。その他の豪華俳優陣も皆素晴らしく、邦画には演技のできる人材がこんなにも大勢いたのかと驚きました。仲代達也演じるヤクザの親分などはセリフの半分以上が意味不明だったのですが(笑)、それでも訳の分からん凄みがあったのは俳優の力量の為せる技。完璧に圧倒されました。物語も良くできていて、殺しの虚しさを知った座頭市が足を洗おうとするも、染み付いた血の匂いを落とすことができずに再び人を斬るという業にまみれた内容は見応えがありました。忍従を重ねた末に座頭市が再び剣を握る過程には時代劇ならではのカタルシスがあって観ているこちらも熱くなるのですが、そういったカタルシスを全否定するラストも、噛みしめるほどに味が出ます。尻すぼみなラストを批判する声もありますが、殺しの虚しさを訴える本作が燃えるクライマックスを迎えるわけにもいかないでしょう。殺しの世界に生きた座頭市は、呆気なくカッコ悪く野垂れ死ななければならなかったのです。市は死ぬ直前、妻を殺した犯人にして、自身に致命傷を負わせたヤクザのボンボンと対峙しますが、殺しの虚しさを知った市は安易な復讐に走らず、彼に暴力の恐ろしさを教えてその場を去ります。この時、市は一切の言葉を発しないのですが、かわりに暴力に生きた自分の末路を見せ、同時に妻を殺された暴力の被害者としての悲しみも見せることで、そのすべてを語ります。この時の鬼の形相こそ、彼が長い旅の末に得た答えなのですが、これを受け取らなかった観客は本作をつまらないと感じたかもしれません。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-11-02 00:30:45) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 思っていたよりは真面目な作りだし、香取君もこの難しい役を果敢に挑戦していたように思います。殺陣のシーンも、目をつむりながらの立ち回りを演じていて、それなりに楽しんでみれるのですが、ただ凄く不満な点があります。相手を刀でばっさばっさ切っても、血が全然出てこない。あれはさすがに不自然すぎるでしょう。片手をすぱっと切り落としても、血が一滴も出ないなんておかしすぎる。そしてラスト。なぜああいう終わり方にしたのかよくわからない。せっかく、ラスボスと一騎打ちしてる時に、後ろから銃でって、、、。その後にどこの馬の骨かわからんような奴にとどめさされるし、これじゃ見てるこっちとしては全くすっきりしないです。 【あろえりーな】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-08-01 22:15:47) (良:1票) |
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6.つい、予告編に釣られて観てしまった..ある意味、期待以上の出来に、ビックリ..よくあるストーリー展開はベタだったが..あの仲代達矢は、ガッカリかな... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-07-15 13:06:34) |
5. 作る側の意気込みは感じられましたが、やはり失敗作だと思います。決定的にまずいのは座頭市が強そうに見えないことです。こんなにふらついてたらやられるでしょ、と思った人も多いのではないでしょうか。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-05-07 14:02:30) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 思えば、『トカレフ』で大和武士の主人公は、佐藤浩市に撃たれて“一度死んだ”のだ。その後の物語は、“すでに死んでいる”主人公がそれと気づかず(あるいは気づかないふりをしつつ)、佐藤浩市への復讐すること、それだけのために費やされたものだった。だからそれは、奇妙な非現実感を漂わせる。そこはふたりの男だけの、殺し・殺されることだけに純化され、トカレフの乾いた銃声と、あの「カチ、カチ」という撃鉄の音だけが響き渡る世界だ。他の何者も立ち入ることはできない。それゆえに主人公の元妻で、今は佐藤浩市の子供を身ごもっているらしいヒロインすら、映画の途中で消えてゆくのである。 この『座頭市 THE LAST』でも、冒頭近くに主人公・市と所帯を持つと誓った石原さとみのヒロインが、市をかばって犠牲になる。けれど彼女が刀で刺し貫かれた時、実は座頭市も“死んだ”のではないか。あるいは、そこから彼の“THE LAST(最期)”は始まっていた。そしてラスト、一度は石原さとみの手に誘われるように海の中へと歩み入っていった市だが、次の場面で、海にたどり着けずにその手前で息絶えた姿として映し出される。あるいは、この2時間以上をかけてぼくたちが見てきた映像自体が、この、海岸手前で息絶える寸前に座頭市が見た“光景”なのではないのか・・・。そう思い至る時、この作品全体に漂う奇妙な非現実感に、ぼくたちはある戦慄と深い感動をもって納得させられるのだ。 (・・・座頭市と仲代達也扮する親分との対決シーンで、一瞬ふたりの姿が画面から消えてしまうあの場面にしてもそうだ。あそこで仲代達也は、実は市に斬られていたことを、ぼくたちは後で知らされる。いわば仲代もまた“すでに死んでいた”のである。いわばこれは、死者と死者が死闘を繰りひろげる『トカレフ』的なクライマックスの“再現=変奏”なのである) 監督デビュー作『どついたるねん』で、“一度死んだ者”としての赤井英和を主人公として以来、阪本順治監督の「アクション映画」は常にこうした死者たちの“末期の眼”で見られた世界を開示、あるいは現前させることこそが〈主題〉となってきた。この『座頭市 THE LAST』はそのひとつの到達点に他ならない。・・・ひと言、大傑作。 【やましんの巻】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2011-04-26 16:50:48) |
3.《ネタバレ》 会話式レビュー・・A『心底つまらない映画だったよ、何あれ?』B『座頭市始め、キャラ達がちゃんと描かれてないから、全編しみったれた話の上に味気ないから退屈でした。』A『まず座頭市が全く強く見えない。モタモタしてて斬られすぎなんだよ!しかも斬っても血があんまり出てない・・』B『血といえば、別のシーンでは手首切断とかあるのに血が一滴も出ませんね』A『不自然にも程がある』B『市は居合い斬りの達人の筈なのに、あまり見えないですね』A『盲目の市が居合いとそれ以外の能力が、桁外れな部分をドーンと見せる所に「座頭市」のカタルシスがあるのに今回、何もありゃしないのはひどいねぇ・・』B『針の穴に糸を市が通すシーンでそういう部分を見せようとはしてるのに長回しのシーンだから遠くてその様子が全く見えない!何やってるの?と』A『香取慎吾は勝新っぽくしてたけど、あのスリムな体系じゃ不自然にしか見えないしセリフ回しもちょっとね・・頑張っているんだけどね』B『他のキャラも問題ですね。ARATAや豊原功補の演ずる男が市のライバルとなるキャラと思いきや、おざなりに描かれるから、重要なシーンで出てもどうでもよくなってしまいます。豊原功補の侍は市と一対一の対決をするんだから、ちゃんと強さと存在感を出さなきゃいけないのに・・』A『仲代達也の親分は意味不明な事しか言わないし、何がしたいか伝わらない。その息子の高岡蒼甫も同じ!ただ「伏線」を見せるために作り手に利用されただけのバカにしか見えない。』B『終盤の直訴状のくだりは見せ方含め実におかしな事になってました。ああキリがない・・』A『ラストもボロボロの市がただのチンピラに背中刺されるって、ちょっと!・・その後もグダグダ感満載でひどかった』B『今回は最後という事で今までとは違う「人間」座頭市を描きたかったのでしょうが・・これを見る限り、こんな「人間」座頭市なんか観たくなかったと、はっきり思いました』A『勝新にこんなもん見せたらどう思うのだろうか・・』 【まりん】さん [DVD(邦画)] 2点(2011-01-21 02:13:03) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 SMAP香取慎吾の座頭市というだけでかなり観る気が失せてしまうが、実際にはかなり気合の入った作りになっており、近年の時代劇の中でもベストの一本と言えよう。特に脇役陣が素晴らしく、言われければ誰だか分からないほど役柄にハマっている反町や、ARATAと豊原功補の存在感のある悪役、何言ってるか全然分からないけど凄すぎる仲代達矢など、かなり充実した面子が揃っている。流血シーンが少ない(手首を斬り落とされても血が出ないって…)、阪本監督の演出意図が分かりづらく編集が雑に見える(見えるだけで本当はきちんと計算されている)など、不満点も少なくないが、ラストシーンには涙を禁じ得ない。正直、たけしと綾瀬はるかの座頭市よりはよっぽど良い。 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-01-12 14:13:09) |
★1.緊迫した長回しの中、縦構図で捉えられた長屋のオープンセットの奥側右手から、あるいは賭場の衝立の裏から、不意に出現する市の瞬発性。そのまま持続するショットの中で雪崩れ込む殺陣の速度感が見事。雪山の急峻な崖から、屋敷内の小さな段差まで、殺陣には緩急だけでなく高低差のサスペンスも活かされ、多人数掛けから一騎打ちまで、アクションに関しては全く申し分なし。
序盤の山林から、廃村、水田、浜の小屋など、庄内映画村のセットを活かした個々の美術も多彩で、時代劇映画の地勢的制約や窮屈さを感じさせない。(ただ些細ながら、砂浜と農村のロケーションがちぐはぐで位置関係的に無用な混乱を招く。)
また、再会した香取慎吾と工藤夕貴が海を背に語り合うショットや、香取と倍賞千恵子が夜の雪原を背に語り合うミドルショットの対話の間にはいかにも阪本監督独特の味わいがあり、『王手』の日本海のシーンなどを思わせる何ともいえない情感を湛えている。
概して主演アイドルは顔面に心理を大仰に貼り付けすぎるだけに、こうしたシルエットのシーンや、包帯等で顔を隠したショット、引いたショットでのアクション等のほうが逆に強度を以って迫ってくるのだ。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-06-19 16:35:29) |