6.《ネタバレ》 けだるく鬱屈した演出と漂う閉塞感。
こういうカビ臭い日本映画特有の湿度の高い暗さが苦手。
ラストの光を浴びた二人を描くために、それまでの前フリが重くて長い。
重苦しい内容をそのまま重苦しい演出で描くのがどうも肌に合わない。
テーマが重いなら、もっとドライに軽さも出しながら演出してくれたほうが切なさが増す。
菅田将暉は憎めないし、高橋和也の下衆キャラも立っていたけど、メインとなる綾野剛と池脇千鶴の二人には惹きつけられなかった。
原作の1980年代の設定を、映画では現代に置き換えているようだが、介護を取り巻く状況など、設定に少し無理が生じているようにも思えて違和感を感じるところも。
この監督の作品は初めて見たが、どうも相性が悪そうな気がする。
この作品は映画祭でも高評価を得ているのだが…。
調べてみると、呉美保は大林監督の元で学んだらしい。
大林監督は世間的な評価とは最も食い違った苦手な監督の一人なので、やっぱりそういうことなのかもしれない。