9.祝日の午後、息子と二人の留守番中にダラダラと鑑賞。
自らの鑑賞スタイル以上に、ダラダラとした作品だったことは否めない。
声優陣が刷新された“第2期”の映画シリーズは、完全なる“第1期”世代のドラえもんファンとして長らく敬遠していたが、近年子どもたちと鑑賞するようになったことをきっかけに改めて観ていくと、意外にも“高評価”な作品が多い。
特に、「のび太の恐竜2006」をはじめ、「のび太の新魔界大冒険」、「新・のび太と鉄人兵団」などのリメイク作においては「傑作」と断言できる作品もあり、嬉しい発見となっている。
が、しかし、今作においてはきっぱりと「駄作」と言えよう。
コミックスの一つのエピソードに過ぎない「深夜の町は海の底」を、強引に話のすそのを広げて映画化したような印象で、あまりにもストーリーがおざなりすぎた。
脚本は人気作家の真保裕一が担当しているようだが、やっつけ仕事なのは明らかで、特にこの人の作品を読んだこともないが、作家としての程度が知れているなと思ってしまう。
“海底”が舞台ということもあり、随所に第1期の名作「のび太の海底鬼岩城」を連想させる描写やひみつ道具が登場する。
同作の大ファンとしては、そんなシーンを観るとついつい小さな期待感を膨らませてしまうが、どれも部分的なトレースにとどまっており意気消沈してしまう。
もし、この中途半端なトレースが影響して、「海底鬼岩城」のリメイクが回避されているとしたら、それは今作自体のつまらなさ以上に、あまりにも残念なことだ。
作品中で唯一感慨深かったことは、挿入歌を武田鉄矢が歌っていたこと。
ドラえもん映画の中で、武田鉄矢の歌声が広がるだけで、つい琴線が揺さぶられてしまうのは、オールドファンの性だろうか。