74.最初、ちょっと退屈かなと思ったけど、杞憂だった。二人に会話にどんどん引き込まれていき、レコード店のシーンあたりからすっかり映画の世界に。イーサン・ホークもあんまり好きじゃないタイプだと思ってたけど、軽薄なのに、何か考え込んでそうなところが、この役にははまってた。ジュリー・デルピーは、まさにインテリ大学生って感じだし。キャスト、脚本、音楽、演出のバランスはすばらしい。続編も気になるところだけど、主人公たちにならって、半年後まで見ないことにした。 【ころりさん】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-08-13 01:29:40) |
73. 続編ができたということで妻と一緒に改めて見直した。良い映画という印象は残っていたが、最初に見たときよりも一層深く感じるものがあった。 はじめて会ったときから不思議に話が合い、時間も忘れるくらい一緒に話し続けて、「好き」という気持ちがだんだんに高まっていくけれど、相手も同じように思っているのかわからなくて・・・、という不安と喜びに満ちた恋のはじまりの様子がとてもとても上手に描かれている。自分自身がそうした恋のまっただなかにあったときには、この映画は単にきれいな情景でしかなかったけれども、10年の時を経て見直すと、そうした記憶を強く刺激されるそんな映画に変わっていた。 僕の大好きな映画の多くは、心情の描写のために安易にBGMに頼ることをせず、その場の実際の音を効果的に用いながら、役者の演技にかけるという選択を取っているが、この映画もその代表例と言えるだろう。特にジュリー・デルピーの演技は映画的なドラマチックさとは別の意味での「恋の駆け引き」を見事に表現している。 また役者の演技にかけるという意味では、ひとつひとつには直接意味の無い会話を積み重ねることで、発言の内容よりも、発話行為そのものが伝える関係性に目を向けさせる技術も際立っている。イーサン・ホーク演じる男の「軽妙洒脱な台詞」も、そのように見ればかえってリアルである。 ウィーンを舞台にしながらも、あえて観光名所をはずしながらロケを行うことで、「どこにいるか」よりも「誰といるか」をこのうえなく重視させる恋愛の心理を表現するとともに、ウィーン的にはごく普通の石畳の風景のなかにその街の魅力を上手に生かし、自分のテリトリーの外での出会いという旅のエキゾチズムを演出しているところがいかにも粋だ。 これだけで完結したストーリーとしてあり、続編は不要だったように感じるが、作られてしまった以上、好奇心には勝てない。今からとても楽しみにしている。少し時間をおいて見てみたい。 【小原一馬】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-10 17:17:41) (良:2票) |
★72.《ネタバレ》 「愛してる」と一度も言わないのがイイ!明日になったら別れることが分かっているので、「愛してる」と言えないのがイイ!冒頭のアプローチの会話の中で「普通の人の一日を追う番組なんてつまらないじゃない」とセリーヌが言いますが、この映画自体がその「普通の人たちの一日を追う」映画でした。「好きだ」とか「愛してる」とか連呼するのではなく、終始、自分が思っている価値観を知り合い、また認め合うために質問しあったりしている。最初からセックスに結び付けない、相手への興味と敬意を、この映画の何気ない会話の中に感じました。恋愛について、良い勉強をさせていただきました(笑)。 【どんぶり侍・剣道5級】さん [DVD(吹替)] 9点(2005-06-17 15:43:11) (良:1票) |
71.2人は限られた時間の中でウィーンの街を語り歩く。限られた時間だと知っているから会話の一言一言がとても深く、意味のある言葉になり、その言葉一つ一つを大切にしようとする。限られた時間の中だからこそ、どんな場所でも美しく鮮やかになり、そして記憶の中に鮮明に残り続ける。限られた時間だからこそ相手の事をより知りたいと願い、より相手の事を思い遣る事が出来る。もし、2人がこの先も一緒に居続けてしまったら、あの会話も、あの場所も、あのワインも、全てが記憶から遠退いてしまう。限りある時間と言うのはそれだけ強く根を張り、美しく鮮明に残る。だが、愛しさは時を重ねるに連れて膨らんで行く。しかしその膨らむ感情はとても辛く、苦しい物。2人のあの一日にも満たないたった14時間の出会いを、時間だけで考えてしまえば本当に短か過ぎるかもしれない。だけど、記憶には永遠に残り続ける。それこそが本物の永遠の愛の形なのかもしれない。 【ボビー】さん 8点(2005-03-14 18:35:36) (良:1票) |
70.もしこの映画に出てくるような刺激に満ちた会話が、フツーの会話としてリアリティーをもってそれほど違和感なく欧米人に受け取られているとしたら(もちろん映画だから少しは誇張されてるんだとは思うが)、西欧人の考える力や知性といったものは非常に強靱だ。日本人は多少むづかしいはなしを人前ではあまりしない。普段は専ら、なにがたのしいとか、友達がどうしたとか、そんなんばっかりはなしている気がする。言ってみれば、情報の垂れ流しと情報に対する簡単な感情の表現しかしてないよな。もちろん、日本人だって人生観を語ったりするだろうが、この映画の二人の会話は、人生観よりももっと普遍的で抽象的なレベルで、なのに「自分」の考えをもっている気がするのだ。普通なら電車が動き出して、それを見送って終わりになりそうだけれど、一人になってからそれぞれ眠りにつく二人を描いているのが心に残った。まるで、一晩のできごとが夢だったんじゃなくて、これからの現実生活が夢なんだみたいな。(もちろん、徹夜して眠いんだろうけど) |
69.《ネタバレ》 非常に上手いなと唸らされる映画。 出会いから別れまでを1日程度で無理なく描けている点が見事だ。 国籍も違う見知らぬ旅人同士が、二人にとって見知らぬ地ウィーンで、徐々に惹かれあう過程(視聴室での二人、観覧車の二人は見事)、本音をぶつけあう姿(ピンボールを交互にプレイする二人、親友への擬似電話を掛ける二人は見事)、そして別れをじっくりと堪能できる。彼らの約束と別れたあとの二人の表情が余韻を引きずる。花火のようにパッと燃え上がった恋が、一瞬で静まり返って、お互いが冷静に振り返るいくばくかの時間と二人が過ごした場所が静かに映し出される点がとても印象的だ。 恐らくジェシーはこのままアメリカに帰ってもこの出会いを引きずるだろうと思われる(一度スペインとの遠距離恋愛で失敗しているのに、再び失敗を繰り返すのが男の悪くもあり、良いところだ)。 一方、セリーヌも最初は渋い表情をしているが、徐々に笑顔を取り戻している。彼女の中で、別れの苦しみというよりも美しい思い出として記憶されたのではないか。やはり、女性の方が切り替えはかなり早いようだ。 また、この二人が再開するかどうかの余地が残されている点はたいへん面白い。鑑賞者の恋愛感によって、又は性別によって、二人が再開するかの考え方は異なるだろう。続編を無視して、自分の目線で判断すると、男はまた必死に旅費を貯めて、半年後ウィーンに戻ってくるだろうなと思われる。女はどうだろうか、一概に判断はつかない。恐らく直前まで悩むのではないか。戻ってくるかもしれないし、戻らないかもしれないという女性ならではの不可思議さが描かれていると思う。 さらに、男と女が対比的に描かれている点も面白い。男はやはり子どもっぽさがあるし、ヤリたがる。また、見栄を張ったり、つまらないことに腹を立てる一方で、とても現実的な点がある(ミルクセーキの「詩」は最初からできていたのではないかと夢のないことを言ったりもする)。 女は幸せな環境に育ったとしても、何かに怯え、どこか満たされない想いを抱え、その不安をなんとか埋めたい、人生を実りあるものにしたいとと願っている。やはり、現実的な考えよりも、ロマンティックな考えを優先している。 考え方や性格も異なる二人だけれども、惹かれあわずにいられない男と女の関係の不可思議さを感じられる素晴らしい作品だ。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-02-21 01:23:10) (良:1票) |
68.「So. You know what」 「What?」。些細な言葉のやり取りの繰り返しで、男女の仲は、ゆっくりと深まってゆく。 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-02-17 20:45:26) (良:1票) |
67.最初から終わりが分かっていればいい恋愛が出来るんですね。参考になります。 【たま】さん 7点(2005-01-26 21:40:17) |
66.観光気分で見れる映画。内容は単調だが、セリフが一つ一つ面白い。ちょっと展開が強引なところをのぞけば、ふつーにいい映画でした。 【A.O.D】さん 6点(2004-12-29 14:06:39) |
65.恋愛論、人生論を淡々と語り、かなりこっぱずかしい映画です。これは観ている側もこっぱずかしいのですが、映画を作った側(監督)もこっぱずかしいです。監督は発表したくてたまらなかったのでしょうが、ありがちな内容をこれでもかこれでもかといわんばかりに次から次へと語り続けるため少々退屈な映画でした。特に映像化する必然性を感じなかったので、各フレーズを文庫本にでもして「恋愛入門」という題名で販売したらいいと思います。こういう映画ははまる人ははまるんだろうと思われました。 【 バース】さん 5点(2004-12-26 10:58:22) (良:2票) |
|
64.《ネタバレ》 電車の中で初めて対面した相手と意気投合していきなり一晩デートする、なんて、一言でまとめたらものすごく陳腐だし、よほど一時的に盲目にならないと本来はできないはずなのだが、この2人は、あくまでも理知的に理性的にことを進めているのが素晴らしすぎる。しかも、この2人がそれに及ぶ経過が実に自然かつ必然的であって、キャラクターの作り込みの丁寧さを実感させる。一夜のデートの過程も、あえて風光明媚な場所を避け、トラムの中、普通のカフェ、道端、公園というような場所を選んでいるのだが、どの地点の選択も実にストーリーにぴったりはまっている。単純でありながら無限の解釈を可能にするラストも素晴らしい。そして、2人が別れた後に、それまで通ってきた場所の「朝の光景」を映し出すシークエンスは、胸に突き上げるとてつもない説得力をもって迫ってくる。恋愛初期の男女の接近という場面を舞台に、人の心理の細やかな動きを徹底的に描写しきった傑作。なお、ダブル・ミーニングを含む邦題も秀逸だと思う。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 9点(2004-12-26 04:31:05) (良:1票) |
63.かなりこっぱずかしい映画です。まるで仲良しの友達の恋愛を覗き見しているような。自分の過去を振り返るかのような……。すごいリアリズム(笑)。そりゃあコレと同じってわけではありませんが、若い頃(とくに学生時代)に旅に出るとあるんですよねぇ。あんなこんなのトキメキが。初対面だからこそ、普段友達とはまず話さないような、いろんなことを語り合える。口がまわりはじめると「あれ?こんなこと思っていたっけ?」っていうような、そんな見果てぬ夢まで語っちゃったりするもんだから、旅先ってのはオソロシイ。ちょっとだけ背伸びして、わかったよーな口きいて、そして相手の話にも心を寄り添わせて話を聞いてはフンフンと頷く。いろんな人に影響されて、急激に世界観が広がったよーな気がする。たとえ現実は、同じ世界の中をぐるぐる廻っているだけにしても新しい発見をしたよーな気分になる。多くはそのまま「一期一会」で分かれ、恋愛したって感覚もなくいい思い出になってしまっているものなのですが。いやぁーー、恥ずかしい……(笑)。 【元みかん】さん 7点(2004-12-25 15:18:12) (笑:1票) |
62.自分は好きな感じの映画です。イーサンが無理して喋っているようなところに妙なリアルさを感じました。ゆきずりの恋と言ったらそれまでの映画だけど、映画の中の恋愛くらいは夢見ていたい。 【耳】さん 7点(2004-11-07 07:41:57) |
61.ヤらなければ7点。ヤったので6点。いくら講釈たれても、人間最後にヤることは一つかよ。皆、どうかこの浅はかな減点方法をお許しください。でも文句はいいましたが、嫌いじゃないです、この作品。 【プミポン】さん 6点(2004-09-12 04:13:33) |
60.吊り橋の上などの不安定な場所で異性と出会うと、人間はその不安定感と高揚感を恋愛感情と錯覚する、という実験結果がある。揺れる車内で異性と出会い会話していると、何かしら高ぶって来るのかも知れない。そういう旅の高揚感をちょっと恋愛感情と錯覚したところも絶対あるはず。お互い国に帰った頃には随分醒めていると思う(笑)。でもそれゆえに何だかリアリティと庶民性がある。その場に居合わせたような臨場感を終始楽しめた。 【ひのと】さん 7点(2004-08-03 20:43:39) (良:1票) |
59.ウィーンの街がとても綺麗で映像が美しい映画でした。話が進んでいくテンポが少し悪かったかな。手相占い師や詩人など印象的でした。 【ギニュー】さん 6点(2004-06-11 18:10:04) |
58.面白いって感じではないかな?途中ダラダラ長い場面もあるし。でも見ていると昔の甘酸っぱい思い出とか思い出して良い気分にさせてくれる。マッタリ見るのがベストな映画。 【miso】さん 6点(2004-04-01 14:49:44) |
57.《ネタバレ》 ウィーンの街並がとても綺麗でした。イーサンのシャイな感じがとても好きです~。最後に二人で訪れた場所を思い出のように映し出していたのが印象的でした。 【ぷー太。】さん 7点(2004-03-21 19:59:22) |
56.旅と恋愛とは似ている。その本質は期待すること。そんな可能性を改めて認識させてくれる映画だった。旅が終われば、今、この瞬間の恋は終わってしまうのか。でも、それでも。。。この映画、舞台設定もなかなかよく出来ているが、日常を超えた些細な可能性について、その高揚と不安をよく描いていると思う。誠実さがさりげなく光る恋愛映画の佳作。 |
55.何も起こらないけど、見ている間ずっと幸せな映画。 【GO】さん 8点(2004-01-11 22:46:02) |