23.《ネタバレ》 原作は未読ですが小松左京のSFはシミュレーション的な手法で書かれているのに、ほとんどお涙頂戴といった家族愛メロドラマになってしまってもう観るに堪えない。まず、首都圏が異常な雲のようなバリアに覆われて通信途絶、中に閉じ込められた2000万人余りの安否さえ全く不明なのに、大阪ではサラリーマンが昼休みにバレーボールに興じ浜名湖ではウインドサーフィンで遊んでいる、そんな緊張感がないなんてあり得る?となりますよ。雲の壁の端では宗教団体や群衆が集まって大騒ぎ、屋台まで出てまるでお祭り状態。センスのない歌謡曲みたいな曲をがなっている盲目ロックシンガーまで登場してくると、もう観るの止めようかと真剣に考えましたよ。一介の電機メーカーが造った超音波なんだか知らないがメーサー光線砲みたいな装置をふそうトラックに乗せて突っ込むクライマックス、もうこの脚本はどういうセンスなんだよ!と殺意すら覚えてしまいました。あと関西TVがスポンサーだからとうぜん忖度があったはずなのにこれでもかと見せつけてくれるTV局のマスゴミぶり、この当時のマスコミはマジでこれがカッコいいと思ってたんでしょう。 あとこれは小松左京自身の認識の問題でもあるけど、東西冷戦中の日本国の立ち位置に関しての被害妄想的な捉え方は困ったものです。雲の中に閉じ込められて国家機能がマヒしたからと言って国連常任理事会で日本の主権を停止して信託委任するなんて、いくら何でもそんなバカなと言いたい。仮に大震災が襲って東京が壊滅して政府首脳が全滅したとしても、統治機構は別の地域で臨時にしてもすぐに立ち上がることでしょう。小松左京の世代は敗戦トラウマが根っこにあるので、深層心理としては日本はアメリカの自治領に堕ちてしまったという意識があるんでしょうね。21世紀の現在となって振り返れば、日本は決して傍観者ではなく東西冷戦のプレイヤーの一員だったと解釈できるのにね。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2023-12-05 22:55:05) |
22.《ネタバレ》 理不尽で不可解な超常現象に対して、人間が右往左往しながら対峙する物語。基本的に、怪獣映画のセンスで作られているが、異常事態が発生した時の政治家たちや報道機関、安全地帯にいる一般人などを、リアルに描こうとする姿勢が見て取れ、まだゴジラシリーズよりはまともに見れる。もっとも、SCMトラックなどはメーサー砲のセンスで辟易ではある。 この東京を包み込む謎の雲の正体が、全く語られないのが逆に良かった。自然現象と説明するのは無理がありすぎるし、兵器・地球外からのいたずらや攻撃などでも規模が規模だけにウソっぽい。人間にはどうしようもない事のメタファとしてそのままで良いと思う。 電気的な特徴を持っているとか、薄い皮のような状態だとかの、雲の詳細が少しづつ分かってくるあたりは、とてもワクワクする面白さなのだが、人間の家族ドラマのほうがありきたりで、つまらない。さらに「特殊兵器」への展開には、やっぱり日本のSFなのだなあ、と思い知らされる。 【Tolbie】さん [ビデオ(邦画)] 4点(2013-07-23 20:05:40) |
21.《ネタバレ》 30年ぶりに鑑賞。すっきりしない結末だったよなあとの記憶だけが残っていた。そりゃ最後まで雲とは?雲の中はどんな惨状だったか?のもっとも知りたいことは有耶無耶だったし。でも、今回鑑賞後は、当時は自分も若かった、ドキュメンタリー風も求めていたんだろう、でも、今ならこの作品は災害モノで、肝は災害に対する人々の行動にあるということは解る。でも、それにしてもその描写が浅いのが痛い。首都圏以外ののんびりムード、とりあえず米ソ冷戦入れました、渡瀬名取の芝居だけになっちゃったなあ。いきなりお祭り騒ぎ、バンドが始まってあろうことかハモりだしたのにはさむ過ぎて驚いた。屋台も出てた。作品の中に異常事態に対する緊張感が全くないんだよね。音楽もワンパターン。鳩が希望の象徴、あるある。みてたらミストとザ・コアを思い出した。こっちはFUSOのトラックだったけど。まあ作品はともかく、80年代の日本の懐かしの町並みが見れるという点だけは非常にグッド 【タッチッチ】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-01-17 16:02:52) |
20.「さよならジュピター」でレビューした内容が驚くほどそのまま当てはまる映画です。「ジュピター」では小野みゆきがやってくれましたが、今作では山下真司の「俺の番だ!」でした。点数の違いは、原作の長さの分「ジュピター」の方がダメージが大きかったということです。 【アンドレ・タカシ】さん [ビデオ(邦画)] 1点(2008-09-13 00:45:39) |
19.まじめに作った作品なのか疑問です。そのときにしか人気のないお笑いタレントや歌手、俳優使うとあとになってまともに見られる作品になってないという典型的な作品です。あんた誰?っていう人多いし。首都消失の危機にえらく他の地区は普通に生活しとるし!考えられん。最後もウルトラマンシリーズか?っちゅうくらいのチープさ加減。セリフ棒読みの役者も多いし、何で電器メーカーの社員が日本を救う?なんだか変な映画でした。名取裕子が脱いでれば。。。まだましやけど。 【たかちゃん】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2007-08-31 12:59:46) |
18.《ネタバレ》 予告編を見た限りでは、ここでの辛辣な低評価を信じられなかったが、本作を全部見終わって納得した。前半は割とテンポの良い展開と、小松左京の映画化作品の特徴の一つであるテロップの多用に、好感が持てたものの、後半に至るにつれて明らかにパワーダウン。シュミレーション要素を前面に押し出せば傑作に成り得たのかもしれないのに、どうしても恋愛要素を捻じ込んでしまったために退屈感を煽るものになってしまっている。不思議と最後までノンストップで見ることが出来たが、映画が終わっても爽快感を味わうことは全く出来なかった。全国の知事を集めて臨時政府を発足する、など魅力的な要素も十分に生かしきれていないし、何より「雲」が出現した理由もわからずに話が終わる。そして緊迫感がゼロという体たらく。発想は面白いのだから、もう少し脚本を練って欲しかった。 【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 4点(2007-06-05 20:38:07) |
17.《ネタバレ》 雲の内側の描写を一切排除することで不安を煽る。たった一羽の鳩の生還に、(雲の中の人たちの生存の)希望を見出すしかない。雲の中のパニック状況という分かり易い“見せ場”の描写の放棄には勇気が必要だったと思います。しかしそれは蛮勇だった気がします。物語の主軸は外部からのレスキュー。この部分でドラマを見せないといけません。ところが、著しくリアリティを欠きました。危険な雲という設定なのに、防護マスクを付けている人が一人もいないのは解せません。まさか役者の顔を映したいから?雲を排除するための作戦もその効果の説明も不十分です。緊張感を高めるのに最も有効な“時間の制約”を使わないのももったいない。申し訳ないけど、しょぼい。非常時における人間性の描写もこの手の作品の大きな魅力のはずです。しかしこちらも芳しくありません。人間の冷酷さを描くのはいいです。自分と関係ない不幸には、人はとことん鈍感になれるもの。無責任な野次馬の数々、災害を千載一遇の商機と捉える者。ただし主人公には、そうであって欲しくありません。渡瀬には、妻と息子がいます。家族を守るために命を賭けられるのが父親。仮にそれが離婚間際の妻とコミュニケーション不足の息子であっても。技術者としての誇りと2000万人の命を救いたい気持ちは分かります。でも一人の父親としての顔を見たかったです。もう一人の主役、名取裕子のほうも似た様なもの。挿入される恋愛要素がとても軽薄に思えました。名取裕子の手に触れて渡瀬恒彦が言う「ボクは今ひどく凶暴で危険な男になっています」でズッコケました。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2007-05-23 18:11:11) |
16.《ネタバレ》 正体不明の怪しい物体に東京が覆われるというコンセプトは凄く面白いと思います。 ただ、皆さんが書かれてるように緊迫感皆無ですね。 鮎料理を食べに行った時点ですべてが終わりました。普通あの状態では行かないよね...。 【gyu_yan】さん [DVD(字幕)] 4点(2006-02-15 09:54:04) |
★15.先に原作を読んでから鑑賞しました。原作は突如出現した雲の謎の解くサスペンスと、全国の知事を中心とした臨時政府発足をめぐるドラマ、果ては周辺事態をめぐる軍事的駆け引きが並行して進む骨太な作品(とはいえ『日本沈没』ほどではない)だったが、この映画ではそのどれもが中途半端で退屈きわまりない。あの緊迫感ゼロの音楽もどうなんだろ。 【とかげ12号】さん [ビデオ(吹替)] 2点(2005-12-18 16:48:10) |
14.《ネタバレ》 首都消失という題のまんまなのですが、 日本沈没もまんまなんですが違うんですよね・・ 恐怖が伝わらない。 SFはある意味ホラーなのですから恐怖が伝わらないと辛い。 日本沈没は世界の中で日本だけがなくなる恐怖、 これは世界地図から日本が消える想像をするだけでも怖い。 首都消失は日本の中で東京だけがなくなる・・ のなら怖いかもしれないのですが(いわゆる神隠しやタイムスリップ) 雲に覆われて東京は存在するのです。 孤立するという状態で生物の消息もわからない。 私が面白いのになぁと思ったのは日本を救うのは日本しかないということ。 ここらは面白く映画を作っていたら今でも観られるテーマだと思います。 そしてこの作品は今のハリウッド映画(それもB級の)によくあるパターンだと・・ 先進的かもしれなかったのですが・・ 自然災害が起こり同じように救うのも自然なる力、 そして人間の祈りが救ったようにつじつまが合う。 これはスケールは天と地ほど違えどディアフタートゥモローなどたくさんあるはず。 やはりSFは見せ場の自然現象にお金をかけないと。 もしかしたらこの作品はハリウッド向けかもしれません。 邦画には向いていなかったということ。 舞台がアメリカでワシントンが厚い雲に覆われたとしたらどうでしょうか。 ワシントンと世界中が連絡が取れないのです。面白いと思う。 軍事の指揮参加も政治もできないのです。 さらに自然災害が首都を救うとなれば・・ 例えるのもなんですがハリケーンが雲を吹き飛ばす。 これは風刺にもなるしハリウッド映画として成功すると思うんだけれどなぁ・・ 余談ですが音楽はなんと、 モーリス・ジャールなのでした! 【アルメイダ】さん [DVD(字幕)] 3点(2005-11-04 07:57:33) |
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13.女性リポーターを軸にテレビ並のサムいメロドラマを絡めて展開させるわけだが、サスペンスフルなSFモノを期待する者にとってこれでは全くといってよいほど盛り上がらない。さらに追い討ちをかけるのが、関西弁で捲し立てるスキンヘッド姿のデスクの登場シーン。要所要所で現われては進行に水を差し頭痛のタネとなる始末。あの何とも言いしれぬダルダル感のみが全身を覆い尽くし、ありきたりな特撮と捻りのないクライマックスがSFファンを大きく萎えさせる。これが、この映画に対する偽ざる感想。辛辣レビューでゴメンチャイ。 【光りやまねこ】さん 2点(2004-10-10 11:17:44) |
12.下記で緑野大地さんもお書きになっていますが、この頃の邦画にはパワーがあったなぁ。この作品にもそんなパワーと意気込が感じとれる。しかし、それを生かしきる器がなかった。公開前はえらい宣伝ようだったのにねェ・・・。今となっては笑い話のネタとしてしか口にしない映画になってしまった。 【カズゥー柔術】さん 3点(2004-08-31 12:17:13) |
11.小説の映画化だけあって発想はいいが、さすが邦画と言える出来。 【くうふく】さん 3点(2004-07-30 12:29:38) |
10.圧巻はロックバンドの「ロンリークライ」。 ボーカルに合わせて全員がコーラスするところがやたら笑える。 このシーンに7点。 【カタログ】さん 7点(2004-06-29 18:36:34) |
9.これは本当につまらないね。緊迫感ないし。首都消失だなんてタイトルだから、どんだけすごいとかと思ったら、、、、、消失してないじゃん。 【あろえりーな】さん 1点(2004-05-19 22:40:41) |
8.子供だまし。超くだらない。子供向けのヒーローものの方がまだ楽しんで観れますよ。名取裕子が出てたので期待したけど無駄だった。変な雲みたいなドームに向かって消防車みたいな車から光線ビビ~ッ、てな感じ。 |
7.映画館に行きました。テレビで放映された製作ドキュメントを見て、雲上を飛行機が飛ぶシーンが少し気に入ったので。「さよならジュピター」と何ら大差ないショボさでした。邦画は成長しません。やはり邦画はSFもパニックも無理なんだなと思いました。それにしてもくだらない映画だったなぁ… 【じふぶき】さん 1点(2004-01-19 14:21:45) |
6.本来ならば首都機能が麻痺したことによる経済的・政治的シミュレーション映画となるべきだった。一極集中が極端に進んだ日本ならではのテーマだし、その為には雲(霧?)の科学的な解明等は端折ってしまっても構わない。むしろSFとするよりもポリティカル・エンターテインメントとした方が映画として面白い題材だと思う。しかし本作は、何と全てを端折ってしまっている。一体何の為に、そして何を見せたくて製作したのか? 雲に覆われた東京を郊外から眺める人達を写してるだけで何が面白いのか? これは予算等ではなく、明らかに製作者の頭の中身の問題です、1点献上。 【sayzin】さん 1点(2004-01-09 14:50:10) |
5. 昔見たのであまり記憶に残っていませんが、原作は面白かったのに、なんでこうもぐだぐだになってしまうのかと。テレビクルーが狂言回しの役割のようになっていたと思いますが、彼らの持っている機材が適当というか(職業柄何が必要か知っているので)。こんなこと、知らない人は気にもならないでしょうが、ちょっと調べればわかることを適当に済ませてるという所でも、製作者の無神経、やる気の無さを感じてしまいました。 【ロイ・ニアリー】さん 1点(2003-12-12 12:34:53) |
4.これは珍しく原作を先に読んだんだけど、原作自体終わり方が尻切れで「ん?」て感じだったので、この映画の出来も妙に納得した。首都消失という異常事態発生で期待感を煽るだけ煽っといてそりゃ~ないよ、左京さん。 点数は2点、原作は4点。 今進行中のかわぐちかいじ作の漫画「太陽の黙示録」が似たテーマを扱っており、こちらの方に期待する。 【じゃん++】さん 2点(2003-11-21 01:58:01) |