3.《ネタバレ》 原作の夢枕獏作 沙門空海唐の国にて鬼と宴す は、私は小説の中では一番だと思っています。映画化を期待していました。
さて、映画の評価ですが、空海や、楊貴妃、安史の乱を事前に知っておかないと、この映画は理解できないと思うんです。
それに空海の人物像がしょぼすぎる。人間としての貫禄がないんです。
当の渡るときの嵐のシーンでも、原作の空海はひょうひょうとした大人物として描かれますが、映画では命を惜しむ小心者として描かれています。
日本史上No.1の天才である空海が、楊貴妃伝説の謎を解き、関係者を苦しみから解放するというのがこの原作のいいところなのですが、
中国人監督には、空海の偉大さを知らないわけなので、このあたりの面白さを描くことができず、結局のところ映像美のみに走った感じです。
歴史を知る日本人の手で、もう一度映画化してほしいです。