8.原作は著者40~50歳までの実体験がベースになっているようだが、本作では親の認知症介護するには演じる娘2人が若いし、そのせいか全体的に明るい雰囲気で、少々違和感がある。一般的には介護の現場はもっと壮絶だろうし、世話する中高年女性ならではの苦悩があるように思えるのだがそういったところが省かれている印象。とは言え、登場人物たちの演技そのものは悪くはないので、それなりに楽しめる。ただし、山崎務が認知症老人になるのは昔から見ている者としてはちょっと複雑な気持ちにもなる。 |
7.《ネタバレ》 よくよく考えれば、なかなかに重い、認知症というテーマですが、じっくりゆっくり丁寧に描かれていましたね。 手堅い。非常に手堅いです。 あの家族4人は。 キャストの勝利とまではいいませんが、山﨑努さんは言わずもがな、蒼井優さん、竹内結子さんも間違いない。 それでもやっぱりこの作品には、松原智恵子さんの加護があったればこそですかね。 大きな愛とユーモアで、われわれの来るべき戦いに向けて、エールを送っていただいているような、そんな気にさせていただきました。 結構不思議な味わいをフィルムに滲ませる監督さんですが、なんだかクセになりそうです。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-01-15 03:17:11) |
6.《ネタバレ》 認知症。デイサービスで働いていた時に認知症の方とはたくさん関わってきましたが、「家族」として認知症の人と暮らすと言うと全然レベルの違う苦労があるんだろうなと思ってしまった。この映画はとても素敵で、認知症の父との思い出に浸れる感動的な話になっていましたが、実際はもっと地味で、もっと醜いことも起こる、そう言う病気だと思います。父(=山崎努さん)を一時的に一人で面倒を見ることになった次女(=蒼井優さん)が父を寝かしつけた後で、「はー、お母さんすっごいわ。これを毎日やってるなんて」と姉にこぼしたシーンが、実際の家族介護現場の大変さを表せていると思います。絶対大変ですよね。この映画のように、変化していく不安定な認知症の家族をしっかり支え優しく見守る家族には尊敬しかない。みんながみんなこんな風に出来たら理想なんでしょうね。。。 映画の中で、認知症になった父に娘達は自分たちの悩みをぶつけていきます。認知症の父はなんの話かよくわかっていないので、さしてリアクションも、もちろん有益なアドバイスもくれはしないんですが、お構いなく悩み相談室を続ける娘二人。地蔵に悩みを語るように、でもそれはお父さんで、でもお父さんは認知症で、でもそんな状態だから色々語りかけてみたくなる、そんな気持ちもすごく伝わる映画でした。現役のお父さんにはなかなか言えない雰囲気だったんでしょうね。でも認知症になったことで逆に聞いてもらいやすくなる。それが面白いですね。確かに自分も、自分の両親に悩みらしい悩みなんで打ち明けたことありませんが、もし認知症になってしまって会話もままならなくなってしまったら、ふとした時に逆に何かを語りたくなるかもしれません。 次女の恋愛とか、長女(竹内結子さん)の息子の話なんかは少し蛇足だったかな。たかしが不登校になった理由も結局不明で、「あれなんだったん?」感が半端ない。個人的にはタカシもおじいちゃんお見舞いに行ってあげて欲しかったかな。 【TANTO】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-05-14 00:47:56) |
5.漢字を書けなくなったのが悲しかった。うちの父親も同じ様に、出来ていた事が出来なくなっていきました。そして、食事の時に何度もむせて、何度も何度も肺炎になりました。この映画の登場人物は、ほとんど怒らず優しく接していたので、素晴らしいと思います。認知症の人には絶対に怒ってはいけないので。 【ケンジ】さん [インターネット(邦画)] 8点(2020-08-16 00:59:24) (良:1票) |
4.もう何度目かの認知症モノ。 さすがに観慣れてきた感が個人的にあります。 ただ、家族をつなぎとめる「何か」があって良かったかなと。 中盤くらいまでじわじわ泣ける部分も多々。 しかし山場でドーンと泣けるものがなく残念でした。 話の焦点はお父さんなのに、娘2人の話に肉付けしすぎてる感。 おかげで話の焦点というか軸がややブレてませんかね。 終盤の締まらなさというか、失速感というか、そこだけ残念です。 しかし徐々に悪化していくお父さんの演技が秀逸で、 それ以外のお母さん、娘2人の演技も素晴らしかった。 役者陣がいいだけに、話がもうちょっと凝っていればと惜しい感じ。 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-05-20 20:11:24) |
3.《ネタバレ》 誕生日の日には三角帽子で祝う。お父さんがお風呂に入ってからではないと、お母さんは入れない、など。ワタシは、どこの家にもその家なりの変わった風習があって、それが家族を作っていると考えています。メリーゴーラウンドが一周ごと回って帰ってきたら、騎手に声を掛けるのも東家の昔からの風習なのだと思います(よく考えると変だけど)。その時、初めてお父さんの表情に明らかな変化がありましたし、おそらく監督はこのシーンが撮りたくて、本作を作ったのではないかと思っています。切ない家族の物語。蒼井優、うまいわ。【追記】アメリカ家族にも変な風習はありましたね。お母さんに抗議するときは英語を使う。あの家族も、いい家族です。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 6点(2020-04-07 07:18:35) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 だいたい、前作「湯を沸かすほどの熱い愛」と似ています。大切な人に (ゆっくりと) 訪れる死とお別れ、それに向き合い明るく送り出そうとする家族たち。笑いもありますが下ネタがないので、老若男女問わず安心して観れると思います。 (山田洋次監督の笑いに近いかな?) そして、、良くも悪くもお涙頂戴、なんですよね。三女優を泣かせるウェットなシーンがとにかく多くて・・ちょっと興ざめかな。裕福だけど心が満ち足りない暮らしを対比して描く意図にしても、アメリカのパートは長すぎるし。だからいろんな意味で長い映画だったな、、と。 (題名にかけてるわけではありません) とは言え、本作の山﨑努さんはよかったです。おそらく最初で最後ではないだろうか、笑いに徹した山﨑努さんを観ることができたのはとても貴重かも。願わくば、この名優に主演男優賞を。以下余談。洋食屋のママが「誰かいい人いないの?」とふみ (蒼井優) に尋ねましたね。いい人、いましたね (笑) 何と本作を観た数日後に突然の婚約発表、ぶっ飛びましたよ。 【タケノコ】さん [映画館(邦画)] 6点(2019-06-23 22:48:59) (良:1票) |
★1.ありきたりな感想かもだけど家族って素晴らしいなぁ、いいなぁという気持ちが溢れてきた。 泣かせようという演出やあざとい場面もあったけど、こういったジャンルの映画である以上多少狙ってても仕方ないと思うし、そういったジャンルの映画の中では結構リアルな描写が多くて良かったかなと。 なんといっても山崎努の演技が演技とは思えないほどの域にまで達してるもんで観ていて嘘くさいなと感じることは殆どなかった。 次女を演じた蒼井優ちゃんの演技も素晴らしくてとても引き込まれた。 苦言を呈するならばアメリカパートが少々浮いていたのが残念だったなと。
【余談】 私の場合結婚会見の前日に鑑賞していたのでもっとびっくりでした。 【ヴレア】さん [映画館(邦画)] 8点(2019-06-04 15:23:48) (良:1票) |