★6.三島由紀夫はかなり好きだ。 春の雪はスゴい作品だ。 月並みな言い方だが、いつも彼の描写力には圧倒されてしまう。 圧倒されながら、心地よく酔うのだ。 「午後の曳航」の最後の一行など、息を呑む。 高校生の時にの時に衝撃を受けた。
幼少からじわじわ作り上げられた主人公の複雑な内面。 相手が誰であれ、彼の真意が言葉や表情で語られるという事は少ない。 駆け引き、とも違う、あの微妙な距離感。 それを映像に表現する。 よほどの芸達者であっても、まあ無理というものだ。 できたとしたら、美しい奇跡である。 そしてここには、その奇跡は、無い。
テレビスポットの段階で、ある程度想像はついており、 その上で鑑賞。 この穿った態度を覆すものもまた、ここには、無い。
メリットはある。 原作が以前よりも読まれるでしょう。 四冊買う人も多いかも。 そこで酔って下さい。 是非。
【tj】さん [映画館(字幕)] 2点(2005-11-11 14:12:11) |
5.端的に言ってストーリーがいびつだと思います。女の結婚が決まってからの流れには、失笑しか浮かびませんでした。何やってるんだよお前ら。おそらく三島のストーリーのせいですね。あるいは、そのストーリーに手を加える勇気も無くそのまま映画にした作り手たちのせいです。何やってるんだよお前ら。せっかくの雰囲気を台無しにして。 【解放軍2003】さん [映画館(字幕)] 3点(2005-11-09 22:05:23) |
4.圧倒的な日本の美しさにうっとりしました。そしてゆったりした美しい日本語の中で、「あれ、現代的」とはっとしたのはなんと「あのババァ…!!」でした(苦笑)。今の時代はなんて鋭い言葉が飛び交っているんでしょうね…。竹内結子のお姫さまぶりはとてもよかったですが、なんだかとってもいかついお姫様でしたね。あの時代は着物の重ね着はあたりまえだったから着ぶくれてしまうんだろうけど、妻夫木君と並ぶとちょっとアンバランスでした。見てそろそろ一週間経ちますが、未だにモヤモヤしています。バカなボンボンと、バカなお嬢ちゃんのバカバカしいお話と思いつつ、こきおろせない良さも持っている映画。 【稲荷寿司】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-11-09 21:37:18) |
3.自分が悪いんじゃんとか他人の迷惑を考えないで・・と思う人がいるかもしれない。でも 誰しも似たような経験があるのではないでしょうか。人間って愚かで不器用な生き物なんです・・私は、清顕の身勝手でひねくれた振舞いが自分と重なってしまい、胸が痛くなりました。 それから、やっぱり竹内結子と妻夫木聡は演技がうまい。台詞の一つ一つに胸を打たれました。それに映像もすごくきれいでした。静寂ほど心を打つ音響効果はないですね。 【うらわっこ】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-11-02 19:04:52) |
2.撮影は誰だ、リー・ピンビンだ。深度の浅い望遠を多用し、徹底的にピントで語ります。縦に人物を配置し、カメラは緩やかにワンショットの中で止まると死んでしまうかのように移動し続けますが、ピントは的確に送られます。こうなってくるともうピントにピントがいくわけで、ピントの観察会となってしまいました。すると対象をカメラが捉えたまま、微かにピントを一瞬ずらしてすぐに戻すということをやっていることに気付き(たぶん)、むむむっと唸っていると隣りのおばちゃんの携帯が鳴り始め、今度はむっと・・・。大正時代を象徴するかのように黄色を基調とした照明も素晴らしく、しかもしかも若尾文子さんをスクリーンでまた見れるとは。ラストのキャストクレジットでもちゃんとトリにしてくれてるし。なんか気が付けばピントのボケたレビューとなってしまいました。 【彦馬】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-11-01 00:34:36) |
1.ひとことで言うと自業自得ムーヴィ。 でも、妻夫木演じる清顕がみせる幼稚な精神性は、大人になった今でこそ 「馬鹿だなー」で済ませられるものの、完全に否定できるものでもなく、 どこかしら気恥ずかしさを覚えてしまう。 「大地震がくればいいのに」に大笑い。 対して聡子(竹内)のイイ女っぷりといったら!! |