12.《ネタバレ》 映画は次のシーンから始まる。指輪の落下(イメージ)、スケートのシルエット(イメージ)、主人公のセリフ「080…」。そして三人の美女との恋愛、さらにスケート場で四人目の女性とのやりとり(恋の相談)。
指輪は誰のため?
それが判ったとき修羅場が始まり、現実に戻る。いろんな解釈ができるが私の解釈は「主人公は三人の美女の誰とも付き合っていなかった」。修羅場も妄想、夢の中のできごと。
その根拠。
二度目の病院のシーンで医者(水森亜土ちゃん)は、「またあなた?」というセリフがなかったことでOPのつづきと考えるから上記の解釈。まっ、全てフィクションだし、どう解釈するかは客の自由だし。
で、ラストがハッピーエンド。
いろんな解釈ができるが、あれは(私には)ハッピーエンド。
ED曲は、監督の作詞による歌。
邦画によくある「チャラいJ-POP」と大違い。
良い映画だから9点差し上げる。
と思ったが、周辺事情を知るうちに腹が立ってきたから7点。
冒頭の病院は現実じゃないし、スケートリンクはクモの巣でつまり夢の中。そのあたりが説明不足で再見しないと判り難い。いや、すごく判りやすいんだが、映画館で映画を観るというのは「再見」しない前提だろう。つまりこの監督は、「ちょっとくらい判り難くてOK!」と考えている気がする。
「あたしが書いた脚本なの。判り難い脚本だから2回は観てね、通常の半額にするから」なら良いが、そうじゃないわけだ。よって点数を9点から7点に下げた。
【追記:2018年12月3日】
冒頭の医者のシーンは、医者と看護師がヒソヒソ話。つまりアレは現実じゃない。病院を脱走してタクシーに乗ってタクシー料金は不払いでスケート場に行くが、スケート場はクモの巣状態で顔のない清掃員がいて、楽しそうな少女が20人くらいいる……それも現実じゃない。どれが現実で、どれが妄想か。それが曖昧。いや、ハッキリしてる。それはそれで良いのだが、なんか違う気がする。悪い映画じゃないし好きな映画だが、なんだか文句を言いたくなった。
判り難い映画が嫌いなわけじゃない。
だが判り難いなら、最後に全体のまとめ的な「何か」があって欲しい。主人公の独白で説明とか。もちろん、それがない方が良い映画があるが、この映画は「難解な映画を作りたかったわけじゃないはず」だから、ラストに解説的な何かがある方が良いと考える。
ってそれはあくまで私見だが、映画の客は自由に評価して良いはずなので…9点から7点に落とす。この映画が嫌いになったわけじゃない。