1.《ネタバレ》 久々にレビュ-したいと思える作品に出合った。人一倍不器用で、心優しい人々の物語だ。
話は安男と旭親子の子育てを縦軸に、それに関わる人々のエピソ-ドを横軸に進んでいく。
琴線に触れる場面は数々あったが、旭が幼いころ冬の海辺で照雲の父海雲が寒さを例えとして
諭す場面や居酒屋の女将たえ子と幼いころ別れたその娘がお互いにそれと知りつつ名乗らない
で交流を持つ場面には、特に目頭があつくなった。
父親役の阿部寛は勿論だが、その親友の安田顕がまたいい。薬師丸ひろ子もいい味出していた。
海雲役の麿赤児はさすがとしかいいようがない。
ラストの安男が幸せに天寿を全うしたということを知れるのも含めて、鑑賞後に温かな気持ちに
させてくれる、そんな作品だ。
蛇足だが、阿部寛と田中哲司のシーンで何となく仲間由紀恵を思い出したのは自分だけだろうか。