24.《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。 序盤は神経症の描写がリアルすぎて観てるほうまで疲弊しそうになりますが、かなり現代的なテーマに触れているようにも思えて看過しがたい。しかし、主人公が幻覚を見るようになって以降の展開は、サイコホラー的な演出に引き込まれる反面で、リアリティからはどんどん遠ざかってしまうので、たんなる娯楽目的の恐怖映画にしか見えなくなってしまう。神経症の病理を客観的に描写したシリアスな作品なのかと思いきや、じつのところは監督自身の病的な欲求を表現した悪趣味な作品でしかないような気がする。その点が期待外れです。 映像描写はたしかに秀逸ですが、国際的な評価を得るほどの芸術的な価値があるとは思えない。ちなみに邦題は「反撥」ですが、原題の本意はむしろ「嫌悪」じゃないでしょうか? 【まいか】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-09-18 03:16:34) |
23.《ネタバレ》 目の接写映像から始まるオープニングが強烈。キョロキョロと動く眼球は生き物のようで不気味です。ここからすでにこの作品の不安定感を読み取ることができます。夜な夜な行われている姉と妻子持ちのマイケルとの営みに対し、激しい嫌悪感をいだきます。男性不信になり、恋人とのキスにすら抵抗を感じるようになる。しかし、それとは裏腹に性に対する関心がどんどん高まっていき、エッチな妄想をするようになります。この心の葛藤が如実に表れているのが、後半の大家との絡み。性に関心のあるキャロルは太ももを露出させ大家を誘います。欲情した大家が圧し掛かろうとすると嫌悪感がわいてきて、挙句の果てに切り殺してしまいます。なんてサディスティックな・・・そんな悩みを持つ女の子を、ありとあらゆる方向から撮ってしまったロマン・ポランスキー監督ってどんな性癖の持ち主なんだろう・・・ちょっと怖い。 【スノーモンキー】さん [DVD(字幕)] 6点(2014-12-10 22:09:51) |
22.正に「キチガイに刃物」映画。 ポランスキーといえば色んな意味で「ヤバイ」類の監督として有名だが、特にこの作品はポランスキー作品でも屈指の怪奇映画だろう。 取り敢えずポランスキー初期の傑作群を発掘した「TUTAYA」GJ。 ストーリーは最初淡々としすぎる感じもするが、段々狂気に染まり壊れていく彼女の戦慄が飽きを忘れさせてくれる。 オマケにヒロインの狂気じみた場面で「テレレレレ!テレレレレ!テレレレレ!」のBGMは卑怯だろ(笑) あれで笑うなという方が無理だっつーの。 ヒロインは極度の男性恐怖症と潔癖症であり、無理やりキスをするものなら、うがい&歯磨きという有様だ。 こんな事されたら誰でもショック受けるわ。 一緒に住む姉は妻のいる夫と夜毎ズッコンバッコン。 隣で寝る妹には良い迷惑である。 オマケに毎晩ベッドで暴漢に襲われる悪夢にまでうなされんだぜ? これで狂わない奴が本当の異常者かも知れない。いやヒロインキチガイなんだけどね。 ポランスキーのホラーじみた演出も手伝い、本作はサイコ・スリラーとしてどんどん血に染まる。 しつこい男は嫌いよ!えーい殴りつけてやる! あたしの体に触らないで!そんな事するなら頚動脈かっさばいてやるんだから!! ヒロインが「やっちゃう」度に荒ぶるドラム。クッソこんなんで腹筋が! 後の「仁義なき戦い」である(絶対違う) 一番印象的だったのが彼女の子供の頃の「写真」、そしてオープニングの「眼」。 瞳に始まり瞳に終わる・・・そんな映画。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-23 21:35:37) |
21.《ネタバレ》 ポランスキーは、男性表現者として、一番やってはいけないことをやっている。しかも「シェルブール」のカトリーヌドヌーブさんでこういう映画創っちゃうんだもん。映画好きなら分かるんだよね。あ、これはヒッチコックだねって。でも頭のいいヒッチコックが、何故こういう作品を撮らなかったかってことをもう少し考えるべきでした。結局、映画愛が勝っちゃたんだね、この人。でも後に「ローズマリーの赤ちゃん」の件での惨劇を迎えるわけだから、表現者はよく考えないと、誰を敵に回すか、分かったもんじゃない。年取って、ようやく「ゴーストライター」のような良質の娯楽もんを撮るようになって、観る側もほっとします。あ~、監督、ようやく「幸せ」になったのかなぁって・・。 【トント】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-01-21 01:49:59) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 ツタヤの良品発掘で鑑賞。カトリーヌ・ドヌーブが超絶きれい。自分と彼女が生物学上同じ人類に分類されてるのが信じられん(笑)。映画の内容は、「ローズマリーの赤ちゃん」の前哨戦といった感じ。それでも「前哨」と言ってしまうには失礼なくらい、面白い映画でした。主人公の彼女を心配し助けようとしていた男こそが、彼女にとっては邪魔者でしかなかったのがちょっと哀しい。近所付き合いなんて殆どしてなさそうだったのに、騒ぎが起きた途端に住民たちがワラワラ登場のするのは、笑ってしまいました。けれど、外の世界と断絶されていた彼女の神経質さが、より強調される無神経さでした。 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-11-14 11:11:45) |
19.《ネタバレ》 カトリーヌ・ドヌーブのフィルモグラフィ中最高のセクシー&露出度(なんせこの人は映画でヌードを見せたことが今まで皆無だし、これからもないでしょう)、そりゃ出演シーンの半分以上はネグリジェ姿ですからね。このネグリジェがまた悩ましくて、陽光に透けると彼女のボディー・ラインが見えちゃうんですよね、直接ハダカを見せられるよりはるかに刺激が強いです。ドヌーブって女優はホントは演技力はけっこうあるのにしゃかりきに演技を見せるタイプないのでどっちかと言うと世間では大根のイメージが強いのですが、本作を観れば若いころから高度な表現力を持っていたことが良く判ります。なにがすごいと言えば彼女の眼で、タイトル・バックの目玉の大写しから始まるぐらいですから最後まで眼の演技で狂気を表現しきってしまいます。 そして何度観ても生理的に拒否感を覚えてしまうのが壁から腕がニョキニョキ生えてくるシーンで、こんなこと考えつくロマン・ポランスキーという人は天才なのかド変態なのか、たぶん後者なんでしょうね。でも姉貴の愛人に抱きかかえられて笑みを漏らすラストのショットを観たら、ウサギやらの色んなメタファーの意味が判って脚本の巧緻さには感心させられました。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-11-13 22:19:56) |
18.人間が壊れてゆく様子がネットリと描き上げられています。遠因すら語らないカトリーヌ・ドヌーヴの面持ち。妄想を示す映像。鐘・電話のベル・呼び鈴・微かな蠅の羽音といった音。これ等が渾然一体となりヒタヒタと纏わりついてくる恐ろしさに逃げ出したいのを堪えながらの鑑賞となりました。 思い返しても寒気がします。 |
17.ホラーとしてもSchizophrenieの世界を描く映像としても、よくできているが、何よりも、映像の美しさと、カトリーヌ・ドヌーブがこんなにうまい女優であることに、驚く。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-10-13 06:41:46) |
16.《ネタバレ》 お姉さんと恋人が旅行に行くので彼女は留守番なのだが、その間にいろんなものが部屋に入ってこようとするので彼女は大忙しである。 彼女は、お姉さんの恋人が好きだったのだと考えると、下世話ながらごく普通にまとまる。お姉さんの部屋に聞き耳を立てるのも、旅行に行かないでとせがむのも、別に潔癖症だったり男性恐怖症だったりするからではない。最初のキスと自分の体は好きな人のために取っておかなければいけない。でも、適当な人とキスしてしまった。そんな自分は、適当なあらゆる男にやられてしまうべきだ。というわけでいろんなものが現れる。 でもまだ取り返しがつくかもしれない。それがいつかわからないけど、きれいなままの体を彼にあげようと思う。そしたらいいお嫁さんにならなければいけない。ちょうどお姉さんは留守なので、お嫁さんの練習をする。家賃を滞納したりジャガイモを放置したり、彼のシャツを床に投げ捨てているお姉さんよりも自分の方がいいお嫁さんになれる。シャツにアイロンをかけたり縫い物をしたり。冷蔵庫の胎児みたいなうさぎ料理は、彼と自分の子供だ。心配なので外出時は頭だけ連れていく。 だって実際彼と自分はもう結ばれてるとおもう。彼は歯を磨くとき、自分のコップ使ってるとおもう。自分も彼の残したコーヒー飲んだし。 それなのに、彼はお姉さんといっしょにいて、卑猥な形をしたピサの斜塔の絵葉書なんか送ってくるから残酷だ。 彼女は、自分の内側の論理と外側の世界が一致するようにがんばっている。しかしそのこと自体かなりアクロバティックな努力が必要だし、その上内側の論理が2種類くらいあるので余計に大変だ。とても仕事に行ったりお風呂の水を止めたりアイロンのコンセントを差し込んだりする時間がない。困ったもんだ。いいお嫁さんになることが、どんどんできなくなっていく。悪循環だ。 最後になってようやく王子様が抱き上げてくれるのだが、それではちょっと遅すぎるんだ。 そんな彼女の唯一の慰めは、彼女の内側の論理を察して、それが外側の世界と合うように、せっせと壁から手を生やしてくれたりする映画監督と出会えたことである。 【月世界婦人】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-07-28 13:53:12) |
15.《ネタバレ》 カトリーヌ・ドヌーブの壊れていく様を執拗に捉え続ける、ポランスキー監督のねちっこさが凄い。カトリーヌの放つ魅力に惹きつけられながらも、特に彼女がアパートに一人残され、壊れた彼女をひたすら見せ続ける後半から終盤は見ていて少々疲れました。しかし音楽を極力使わず、無音の空間に突然鳴り響く電話やドアチャイムの音に観ている僕までカトリーヌと一緒にドキッ!とさせられ、まるでこのアパートに自分がいるような、観ている僕まで妄想に取り付かれたような気持ちになった。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-06-21 13:26:27) |
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14.《ネタバレ》 ドヌーブの台詞が少なく、物語が不明瞭なせいもあって序盤は少し退屈するが、しかしやがて主人公が壊れ始めると、映画は意外にも面白くなってくる。小道具や装置、そして音(無音)の使い方は確かに象徴的だが、それ以上に画の繋ぎ方に驚かされてしまう。怒っていたはずが翌朝には愛想良くなっているお姉さん、天井と地面を叩く雨粒のオーバーラップ、などなど。 決して珍しいタイプの作品ではない。人の神経を逆撫でしようという試みはまだ許せても、どこかお高くとまっている雰囲気にはどうしても抵抗を感じてしまう。それでも、どこでもないどこかを見ているドヌーブの視線が気になり、やがて彼女から目が離せなくなってしまう。 【スポタ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-06-09 21:51:14) |
13.若き日のカトリーヌ・ドヌーヴが、その性的魅力をプンプンと匂わせ、狂気に満ちた女性を自然に演じたサイコ・スリラー。 終始、ネグリジェのようなキャミのような、露出度の高い服を身に纏い、観ている私を誘惑する。 途中、脚を露わにしたドヌーブに欲情し、衝動的にドヌーブにのしかかる管理人が出てくるが、その気持ちよく分かる! あのスタイルに、あのブロンドに、あの脚を二人きりの密室で見せられたら、あのスケベ管理人でなくとも、どうなるか分からないね。 後半はひたすら幻覚に襲われ、精神的に壊れたドヌーブを繰り返し見せる展開。 これは少々、くどい。 それより見所は前半部分か。 姉の連れこむ男や、自分のボーイフレンドを嫌悪の対象とみなしながら、妄想するのは知らない男に犯される状況ばかり。 性に対する好奇心と嫌悪感が織り交ざり、精神に不安定をきたしている思春期の少女を描いているかの様で面白い。 ドヌーブは本作の2年後にブニュエルの『昼顔』で、若干23歳にしてガイコツのような老け込んだ状態になってしまうが、本作ではまだかろうじて若い魅力が残っており、いやらしい意味で楽しめる。 それにしても本作では21歳だというのに、なんか目元が老けている。 ブロンドとあのスタイルがなかったら、単なる老けたおねえちゃんだ。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-01-11 16:58:34) |
★12.《ネタバレ》 「袋小路」「水の中のナイフ」に今作と、ポランスキーの昔の映画鑑賞三本目。ダントツで今作がつまらない。性に対しての嫌悪感と好奇心の相反する感情から精神の変調を来たすという話のようだが…。姉貴が旅行に出た後、もう頭のおかしい女の話一色に。壁が割れたり、犯されたり、妄想幻覚雨あられ。あげく、訳のわからん殺人ふたつ。もうついていけません。これでいいならなんでもありだ。若き日のカトリーヌ・ドヌーヴは美しかったが、さすがにこれでは。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 0点(2008-10-20 20:47:39) |
11.《ネタバレ》 久しぶりにもの凄いものを見せられた気分。見てるこっちまで変な感覚に陥ってしまいそうでした。 【hrkzhr】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2008-07-23 17:48:51) |
10.《ネタバレ》 出自こそ180度違うものの、パリで生まれた監督と女優がイギリスでフランスの匂いがプンプンする映画を撮影していることに、まず痺れてしまう。完全に狂っちゃった後半は痛々しさだけで話が終始してしまい、前半の狂うか狂わないか境界線の閉塞感がすっかり失くなってしまったのが残念だったが、60年代という限定された期間だからこそ生まれた、飛び切りの美貌と野心的才能がぶつかり合って生まれた映画。 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-12-11 01:06:44) |
9.怖い!恐ろしいです。この映画!何が怖いって?既に何人かの方が書かれていますが、オープニングからして、本当に怖いです。カトリーヌ・ドヌーブのあのドアップの眼、それがまず怖い。そして、始まってからも、薄暗い画面の中でのカトリーヌ・ドヌーブの眼、無表情、それを映し出すカメラワーク、次第に壊れていくカトリーヌ・ドヌーブの演技の凄さと恐ろしさ、薄暗い画面の中で、鳴り響く時計の音、更にいきなり鳴り出す電話のベルの音、何もかもが本当に怖くて、怖くてびびりました。カトリーヌ・ドヌーブが家の外にいる時以外はほとんど音楽なしの中で、しかも、あの暗闇のような世界とでも言うのか?とにかく画面構成からして、本当に怖いです。無表情のカトリーヌ・ドヌーブの片方の眼だけをドアップで撮るという何とも恐ろしい撮り方、物語そのものよりもこうした取り方一つ一つが観ていて本当に怖かった。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-10-10 21:42:09) |
8.カトリ-ヌ・ドヌ-ブ演じるキャロルが内気な性格でセックスに対し興味を持ち、またそれ以上に嫌悪しているということを、あっという間に見せ、後はひたすらに壊れてゆくキャロルとキャロルの妄想を見せてゆく。この壊れてゆく様と妄想の映像化が凄い。ドヌ-ブの顔は美しいままで、ただ生気だけが抜けてゆくというか狂気が宿ってゆくというか、その表情の演技が素晴らしい。そして妄想の映像化は、ポランスキー監督が変態であるということを確実なものとしている、、いやいやそうじゃなくて、妄想の一つ一つが斬新かつリアルで、その見せ方はサスペンスフル。キャロルが壊れてゆく様ときっちりリンクしていて、うまい!を通りこして、怖い!です。でも“壁から手”のシーンはやっぱり変態だと思います。 【R&A】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-05-31 16:07:03) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 スクリーンで見たので、オープニングのカトリーヌ・ドヌーヴの目のアップが超ド迫力で、あのワンショットに完全に圧倒されました。 60年代の他のカトリーヌ・ドヌーヴの作品を観てから本作を観ると、他の作品での彼女が演じる役柄との間にとんでもなく大きなギャップがあるのに驚かされます。 本作のドヌーヴは目つきからして違う。内に秘めた狂気が伝わってくるようで怖い。演技ではなく本当に精神が蝕まれているかのようです。釘を打ちつけるときの手の震え、ペンを持ってガラスに文字を書いているときのあの目つきは鳥肌が立ちます。 それと、この映画はカメラの動かし方がとても魅力的。カメラがゆっくりと動いて部屋の中で起こっている状況を長回しで映し出す場面が幾度となく出てきましたが、これがまた何ともいえない独特の狂気の世界を表現していると思うのです。また、ウサギの料理やジャガイモが腐敗していく様が時間が経過するごとに映し出されたりするのもいい味出してますね。終盤近くでの、管理人が部屋に入ってきてドヌーヴの体を求めるシーンがありましたが、普通こんなシーンでは他の映画だと、管理人と剃刀のアップを交互に映したりするものですが、この映画では画面の隅の方に剃刀をちらつかせるという方法でスリルを高めていたのが非常に個性的で斬新な印象を受けます。この監督のフィルモグラフィーを見てみると、やっぱりサスペンスが多い。どうりで撮り方が上手いわけです。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-03-05 22:42:20) (良:1票) |
6.この映画を見てるとなんだか自分もちょっとおかしくなったような錯覚をおこす。精神が病んで行くと時間の感覚がなくなるんだなって妙に納得。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2004-01-09 17:12:46) (良:1票) |
5.なにもかもが美しすぎる。描写の無限性。小説読んだみたいな感覚。頭の中に埃ひとつ落とさない映画です。 【あっしゅ】さん 9点(2003-11-03 22:18:11) |