18.《ネタバレ》 リメイクの必要がないくらい、この一本で完成されている作品だと思った。内容に全然古さを感じさせない。 前置きも何もなく、いきなり出発直前から始まる。でも進みたいけど風がないから進めない、いきなり前途多難な船出にグイグイ引き寄せられた。 石原裕次郎演じる“青年”の明るさ、前向きさ、バカっぽさが、板についてない関西弁と相まって、いい塩梅で楽しませてくれる。ひたすら陽気に孤独な旅を続ける青年。そんな彼が泣き出したりぼ~っとしたり、はたまた“もう一人の自分”との会話なんか、自ら孤独を紛らわしてるのか、孤独が生み出した幻影なのか境界線が曖昧で、結構リアルだと思えた。 あの小さい船のわりに結構な荷物が積まれていて、積み荷の目録を見ているだけでも想像力が湧いて楽しい。角砂糖とクリープとバターで作った森永ケーキ、なんか美味しそう。こけし印の牛肉缶を直接火で炙るの、ハフハフ言って食べたい。ご飯をビールで炊くの…コレは不味そうだな。水は腐っても床拭いたり洗濯とかで使えそうだけど、捨ててしまったんだな。実話をモトにしているだけに、サバイバル生活がリアルに楽しそう。 嵐に見舞われてガラスが割れたときはやばい雰囲気だったけど、他にトラブルと言えばサメと米軍機くらいか?過酷だけど画的にどうしても単調になってしまうであろう単独航海。変にアクシデントを盛り過ぎてリアリティを失うより、青年がパクパク海苔食べて暇潰ししてるのがリアルで良かったかな。 そして合間合間に青年が出発に至る経緯や家族との話を挟み込むことによって、飽きずに観せるのはうまい演出。 【K&K】さん [インターネット(邦画)] 8点(2022-10-01 15:04:54) |
17.お目当て森雅之さんは見せ場なしで市井のお父さん役は親子夫婦の絆が感じられない残念な姿でした。石原裕次郎の大根芝居と棒なナレーションには辟易でしたが、キチンと準備して臨んでいる姿は興味深いものがありました。 |
16.《ネタバレ》 実話らしいですね。 それ故に、あまりワクワクするような展開に感じられず、 映画としてはいまひとつの印象。 主人公の性格にあまり共感できなかったのもあるかも。 当時違法行為だったはずなのに、到着後、好待遇を受けていたのも引っかかる。 史実もそうだったらしいので、なんだかなあ。 細かいところだと、「どこから来たのか?」という問いに、西宮を出港したのに、 「兵庫」ではなく「大阪」と答え続けていたのも、最後まで引っ掛かり続けた。 【2年で12キロ】さん [DVD(邦画)] 4点(2021-10-02 10:29:30) |
15.《ネタバレ》 なんや!普通に成功して終わりかいな!(インチキ関西弁風) むくみ始めた頃の裕次郎を、たっぷり堪能できます。 それ以外は特に見どころはありゃしまへん。 【にじばぶ】さん [インターネット(邦画)] 5点(2021-05-31 23:51:56) |
14.映画自体は面白いが、こんな難行を格好いい裕次郎がやったようになってしまったのは 好きではないね、本当は地味で忍耐力が有る堀江さんがやったのにね。 【マロウ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-11-29 02:08:47) |
13.想像より良かった。主人公の演技も徐々に慣れるし、困難さ、孤独さがよく伝わる。しかしこれが実話とは凄い。 【noji】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-07-18 23:42:02) |
12.《ネタバレ》 出航前の主人公はロクでもない奴だが、何だかんだ言っても人のやれない事を成し遂げたというのは、大したものだ。 あえて「偉業」や「立派」という言葉を使わないが、人が目標を成し遂げるエラさというのは、本当のところ、その行為の意義とは関係ないチカラにあるんだろう。だから人は、こんな意味の無い事でも、感動してしまうのだろう。 また、たった一人の航海による、精神的な部分での葛藤など、役者・裕次郎の本領を見た気がした。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-04-23 18:05:18) |
11. 暗い森を抜ける道で、ふと惑う。この道は果たして向かう場所につながっているのだろうか。地方都市で高速道路を降りて、近道をしようと山道に入る。入念に下調べをしたつもりだったが、その道筋ではなくふと記憶に残っていた筋を選んだ。記憶の脇の方にブラブラと垂れ下がっていたそれを何となく選んだのは、ちょっとした冒険心だったのだが良くなかった。 正解の道筋でさえ数時間かかる道と大差ない程度の近道だったその山道は、暗く曲がりくねっていて木の枝がちらほらと落ちてさえいたが、幸い舗装はされていた。 分岐する小道は時折現れ、もしかして今、曲がるべきだったのではと考えるとハンドルが湿ってくるのだった。 当然の如くガソリンスタンドなどはなく、コンビニも民家もない。もしガソリンがなくなったらと冷や汗をかくが、メーターを観て安心する。 20世紀末に都内から地方都市に向かってこれだ。半世紀前に日本からサンフランシスコに向かうなどと言う大冒険の恐ろしさはただ事ではなかっただろう。劇中で起こったトラブルなど実際はその程度の恐怖感ではなかったはずだ。何しろ木造のヨットで62年に太平洋横断である。敬意を表するどころの話ではない。 私などは、夜遅くになって着いてみれば予定時刻より10分前にきっちりと目標を達せていた。漂流した気分になっているだけで、国交省の敷いたインフラを利用していたに過ぎないのであった。 今、もう一度同じ道を同じ時間に走ったとしても、何の恐怖もない。全く道が分からなくても、風景が同じでもだ。ナビがきっちり目的地まで連れて行ってくれる。 【黒猫クック】さん [地上波(邦画)] 7点(2012-10-20 14:34:32) |
10.2008-04月鑑賞。孤独との戦い。よくやる、私には真似できない。当時20歳だったが、堀江さんがヨット単独太平洋横断に成功したとの報道が思い出されます。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-17 11:08:54) |
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9.脚本も絵も明暗も緩急も申し分ない。音楽も良い。田中絹代と森雅之の芝居と、浅丘るり子のはにかみも、うならせる。しかし、それらをすべて台無しにできる石原裕次郎の大根ぶりが一番の見どころである。独立時に自分でやりたいと選んだ原作、監督にもかかわらず、このこけぶり。その後、二度と組まなかった鬼籍に入られたお二人の心情を聞いてみたかったものである。それにしても、堀江謙一の1974年単独・無寄港の世界一周を、絶対に不可能と非難した石原慎太郎は、むかしからそんなやつでした。 【みんな嫌い】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-03-21 12:23:09) |
8.《ネタバレ》 それまでの石原裕次郎の主演作から考えると異色作。嵐のシーンなどオーバーな演出もあるが、ヨット内での生活と出航するまでのエピソードが比較的丹念に描かれている。積み込んだ飲料水のほとんどが腐ってしまい、以後雨水に頼らないといけない状況はここに描かれている以上に切実ではなかったかと思う。水を節約するためにビールでご飯を炊くとはこの状況ならではの発想。この頃の浅丘ルリ子は美しいが、出番は思いのほか少ないのが残念。裕次郎が亡くなってから久しいが、堀江健一はいまだに現役冒険家であることは驚くべき事実です。 【きーとん】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-09-14 21:43:23) |
7.ひとり海洋パニック映画?命知らずの冒険実話もの。 航海のシーンと出発前のシーンを交互に配置することで、単調にならないようにしている。 動力もなく電源もない、時には水も浸み入ってくるような木製の小さな帆船で、 無補給で太平洋の横断に挑むということが、いかにリスキーでクレイジーだったかがわかる。 生きて帰れない覚悟はあったのだろうか? 途中で物資が尽き果てる、体調が悪化する、沈没する、捕まって連行される、 ギブアップする、等の可能性のほうが高かったと思う。 浸水のシーンなどはちょっと大げさにも見えるし、事実と脚色の境界はよくわからないけど、 海洋冒険ものとして見ると、かなり面白いと思う。 広々とした大海原、苦労の末にたどり着くアメリカ西海岸の映像も美しい。 妹役の浅丘ルリ子が、妙に汚れた靴下を履いていたのが印象的だった。 汚れた靴下の美少女。そんな素朴な時代が再び戻ってくれないか。 【且】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-07-12 01:11:30) |
6.《ネタバレ》 堀江さんがヨット単独太平洋横断に成功したのが1962年。それからすぐこの映画は撮られています。今では実感できないでしょうが、法を犯しています。しかも意図的に犯しています。この行為について非難すべきか、賞賛すべきか、まだ決めかねる状態で制作されたために、この映画には異様な緊迫感があります。武満徹の音楽も世間の冷たい風を思わせ、堀江さんのあっけらかんとした独白が、さらに疎外感を高めています。 世間の巨大な力に抗う少年として、憧れを持つものの、やはりそれに押しつぶされるのではないか、あわれな道化師になるだけでは、と心配する気持ちが感じられます。 今でこそそれは杞憂だったと言えるわけですが・・・ 俳優の松平健さんが、この映画を観て感動し、役者を目指したそうですよ。 【みみ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2009-01-14 22:58:55) |
★5.《ネタバレ》 今から50年近くも前にヨットで太平洋横断を成し遂げたという事実だけで凄いこと。実にあっけらかんとしてどんな困難にも前向きな態度や台詞で乗り切っていく姿に堀江謙一という人のキャラクターを十分感じる事が出来る。目的地に着いて、外国人に囲まれ英語の質問で捲くし立てられ、辟易するかと思ったらほったらかしではっちゃける。う~ん感じる関西魂。海外でのもてはやされぶりと、日本で家族が申し訳なさそうに会見している姿の対比も面白い。 【MARK25】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-04-06 22:04:02) |
4.あまりにも主人公がチャラチャラしていてふてぶてしく、応援する気にならない。どうしても横断したいという熱意もあまり伝わってこないのは、石原裕次郎の大根振りにあるのかもしれない。あの子供の棒読みのようなナレーションはどうだ。実話とはいえ、主人公は何か背負っている物がないと、ドラマにならない。サンフランシスコへ辿り着いても感動は無い。はい、そうですかという感想しかない。あと、あれだけ荷物を持っていきながら、洗濯バサミはないのかよ! 【カタログ】さん [地上波(邦画)] 5点(2008-03-14 13:10:07) |
3.《ネタバレ》 なんといっても堀江謙一さんと言えば、日本を代表する海洋冒険家ですから、その功績からいって、陸の植村直己と共に賞賛されうる人じゃないかと思いますね。1962年、小さいなマーメイド号で日本人として初めて太平洋を単独横断した。という記録自体は知っていても、具体的にどんなバック・ストーリーがあったのかは全然知りませんでした。この作品を見て初めていろいろなことがわかりましたね。どんな物を詰め込んでいったのか、どんな機器を使ったか、どんな危険なことがあったか、どんなものを食べたか、ずっと一人で居続けると、精神上どんなことが起こるか、そしてなにより、家族とのいざこざ。反対し続ける両親。当時は「密出国」なんて言われていたんですねぇ。堀江さんの、意志の強さと前向きさには、感服させられます。 【あろえりーな】さん [インターネット(字幕)] 7点(2007-07-27 02:38:30) |
2.《ネタバレ》 石原プロを設立したばかりの裕次郎がその第一作として市川崑監督を起用して製作した映画で、当時、ヨットで太平洋横断に成功したばかりの堀江謙一の著書を原作にしている。ヨットが趣味の裕次郎が独立直後にこういう映画を作るのは分からなくもないし、日活所属ではない市川監督を招聘しているところにも意気込みが感じられる。以前見たときはかなり単調な印象が強かったのだが、改めて見てみると、回想で挟まれる出航前のエピソードが丹念に描かれており、また、ヨットの中で孤独と戦い続ける主人公の姿もそれなりに面白く見られた。でも、裕次郎の演技はいつもどおりなので、それなりには面白いものの、あまり緊迫感とリアリティーが感じられず、主人公にあまり感情移入が出来ないためにサンフランシスコへ到着しても映画を見ている側である自分は何の感慨もなかった。市川監督はこの映画をドキュメンタリータッチに仕上げているが、それを裕次郎の演技がすべてぶち壊しにしている感があり、市川作品としてもはっきり言って凡作だと思う。ただ、息子の太平洋横断の決断を反対する両親には、森雅之と田中絹代の演技力の高さもあってかすんなり感情移入することが出来た。(このコンビは同じ市川監督の「おとうと」でも主人公の両親を演じているが、キャラクターとしては本作のほうがとっつきやすい。)中でもやはり田中絹代の母親役が特によく、息子を心配する親の心情を見事に表しており、田中絹代はこういう優しい母親役がハマリ役だとつくづく思う。この母親が主人公にかける「死ぬ時はお母ちゃんと呼んでや」という言葉がすごく耳に残った。(2013年7月18日更新) 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2005-03-28 23:19:04) |
1.関西弁の裕次郎がナカナカよいね。孤独なんだろうが悲壮感がない。 |