2.《ネタバレ》 『SIDE A』に続いて鑑賞。今回の主役はバッハ会長と森喜朗氏でした。『SIDE A』のノリでいけば、もっと「無名」のスタッフや裏方の話かと思ったけど、今回はどちらかといえば組織委員会内部のゴタゴタやニュースでも観たアレコレを河瀬監督的切り口で編集、という感じでした。期待していたのは、バッハ氏、森氏、各競技団体の無茶な要求のもとで右往左往する裏方スタッフの1年・・・みたいなの。でも結局は、演出チーム交代のゴタゴタ、森氏降板前後のやや森氏に同情的な立場の人たちの描写など以外は新鮮味や緊張感もあまりない、正直なところ退屈な一作でした。それから『SIDE A』から気になっていたのですが、画面からはみ出すくらいの顔アップ構図の多さ。『SIDE A』はまだ競技シーンとのバランスでまだ観られたけれど、競技画像少なめでオジサンたちのアップ画像が続く本作は結構きつい。さらに(冒頭で予告されているとはいえ)本当に唐突に挿入される東日本大震災の津波の映像。被災者ではない自分でも一瞬体が膠着するのがわかりました。抗議運動の描写、バッハ氏・森氏・山下氏のやたら多いアップ映像を含め、全体的に「悪趣味」映画の趣が強いです。この映画の「ルック」を含めた醜悪な「悪趣味」感こそが東京2020の「実像」であるとするなら、そこには賛同しますが、それをわざわざ観たいのかと言われれば・・・というのが正直な感想です。あと、どうしても気になったのは、『SIDE A』『SIDE B』ともにパラリンピック関係の映像がほとんどなかったこと。これは別に「公式記録映画」が作られているということ? それとも・・・?