★4. 水たまりの波紋が止まると店の名が浮かび、そこから裕次郎が出てくる。かっこつけてるの。手で風から囲ってタバコに火をつけたり、なにやらまぶしそうな煙たそうな表情をし、人生の重荷を背負ってる感じ。そして港にたたずむワケアリの女。80年代の前半ごろ、テレビのコマーシャルでここらへんの部分が使われてて、いったいどういう「かっこいい」シーンなんだろう、と想像し名画座で観たんだけど、これ、ただポストに手紙を投函するだけなのね。身に負わされた義理を苦渋のうちに終わらせたラストかと思ってたら、映画の冒頭。手紙出すだけでこれじゃあ大変だな、と同情した。日活アクションてのを観たのは初めてのころだったか。疚しさの過去を持っているのが、アウトローの条件なんだ、などと学習したものでした。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-12 09:30:17) |
3.こういう旧い映画は嫌いじゃない。ノスタルジーがあってそれなりに楽しめる。昔、裕次郎が入院、退院でテレビにとりあげられていたときに奥さんの北原三枝を見かけたのだが「何で裕次郎はこんなさえないおばちゃんと結婚したんだろう。もっといい女はいくらでもいただろうに…」と思っていた。しかしこの映画を見るとそれは愚問だったことがよくわかる。きりっとした端正な顔立ち、抜群のプロポーション、50年以上前によくこんなにロングソバージュが似合う女性がいたものだと思う。相当いい女である。当時の酒場の雰囲気も呑兵衛としてはなかなか興味深い。いい映画である。 【イサオマン】さん [地上波(邦画)] 6点(2013-06-01 22:24:46) |
2.蔵原惟繕監督のデビュー作で石原慎太郎が弟・裕次郎のために脚本を書いた作品らしいのだが、冒頭から妙な違和感があり、内容が暗く、正直最後まであまり楽しめずにおわったという感じ。また内容のみならず映像までが暗めに感じられるのもちょっとと思ってしまう。裕次郎(島木譲次って役名が笑える。)の演技はいつも通りだし、ヒロイン役北原三枝もなんかぶっきらぼうな印象しか残らないのが残念。この二人のコンビ作はほとんど見てないのだが、少なくとも北原三枝に関しては川島雄三監督の「愛のお荷物」での三橋達也の恋人役が今まで見た中でいちばん良かったと思うし、裕次郎も芦川いづみとのコンビ作である「乳母車」が個人的にはベストだと思う。ちなみにこの映画の主題歌自体はそんなに嫌いではない。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-06-12 18:36:08) |
1.《ネタバレ》 初っ端から浮世離れというか、気障というか、妙に背伸びしたような会話が続く。大人びて見えない裕次郎のビジュアルでこういう会話をされると違和感に拍車がかかってどうしても冷める。ハードボイルドなのか西部劇なのか良く判らん見せ掛けの要素を匂わせつつ、実はやってることは時代劇にも思える。しかも物憂い。大した根拠のない無駄な厭世観みたいなものが支配していてついていけません。それにしても、どいつもこいつもよくもまあこう心情をべらべらと言葉にするもんだ。 【MARK25】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2007-08-21 22:39:25) |