111.《ネタバレ》 再上映で本当に久しぶりに劇場のスクリーンで鑑賞する事が出来た。
濃密な3時間を満喫する機会を与えてくれた関係者の皆さんにまずは御礼申し上げたい。
本作がメカ好きな人を主対象に好みの分かれる作品であろう事は事実だが、やはり名作である事を再確認できた。
冒頭、音速に挑むチャック・イェーガーが馬上で試験機X-1と対峙するシーンはメカ好きの男達(当然、私もその一人)には鳥肌ものだろう。
メカ好きな男なら、誰しも自分の愛車(車・バイク)と初めて対峙した時、場所こそ違えど同じ様な心境になった事がある筈だ。
終盤、高々度飛行記録に挑むイェーガーの姿はまさしく孤高の存在。
銀色に鈍く輝くフライトスーツと黒いミリタリーブーツを纏う姿は文句なしにカッコいい。(今度オーバーオールを着てバイクに乗ってみよう!)
マーキュリー7の中ではジョン・グレン役のエド・ハリスに注目が行きがちだが、アメリカ発の有人弾道飛行を成功させたアラン・シェパードを演じたスコット・グレンの渋さも捨てがたい。
色々多感な10代に本作を観た為、その後の私の人生に与えた影響は計り知れない。 初見時は余計なシーン有ると感じていたが、今回劇場で再見して全て必要なシーンなのだという事が判った。 20年の歳月が私の認識・感覚を変えたのだろう。
本作を「自己中心的なアメリカを単に正当化しているだけの映画」と評価する方が多いと聞く。
確かに多少はその様な傾向が感じられなくもないが、私は本作を「時代の波に翻弄されつつも、自らの生き方・自我を潔く貫き通した男達の物語」だと捉えている。
一生大事にしたい愛すべきNo.1作品と言わせて頂きたい。
蛇足:終盤、TVリポーターが言う”Go”の訳はどう考えても「やれよ」じゃ無いでしょう。『行け』が最適だと思うのですが・・・