1.《ネタバレ》 予想よりかなり良かった。と言わなければならない程、昨今はやりのオールライダー映画ってのは、酷いものばかりなのが、残念だった。
今回は90分くらいあるようだけど、話がテンポよく進むためか、あるいはいつもより10分長いのが効くのか、充分楽しんだ気がする。お腹いっぱい食べた感じ。
V3以降を思い切って「その他大勢」として物語の本筋から排除したため、1号2号と電王・オーズの活躍が充分描かれた。やっぱり記念作品なんだから、誕生パーティの主役である一号二号が活躍する話じゃないとね。すっかり忘れてしまっていた「少年仮面ライダー隊」が活躍するのもいい。それと電王の世界観をうまく活かして、ライダー達を、「ライダーへの思いにより蘇る」としたのは、上手かった。
だけど、どう考えてもキカイダーとイナズマン・ズバットは余計だった。「正義の味方は仮面ライダーだけじゃない」って、あの徒党を組んでる人たちが出てきちゃったらどうしよう?なんて思ったよ。
さて、仮面ライダー40周年記念作品をどうするかについては、いろんな人が何度か試みているように、「原点回帰」的な怪奇・シリアス路線の作品を作る手もあったと思う。TheFIRSTみたいな。あるいは84年版ゴジラ。でも東映が選んだのは、子供たちが喜んで応援した、多少支離滅裂な部分を持ちながらも、素直に声援を送れる、2号が出て以降の路線のライダーだ。それが当時よりも、より熱い男になった本郷猛=藤岡弘、の演技と相まって、とても嬉しくノレるのだ。原点回帰組が、ちょっとカッコ悪いとして、否定してきた部分のアツイ気持よさ。それが、今回の記念作の意義なんだろうと思う。自分は子供いないけど、親子でこれを観て手に汗握れた人たちは、幸せなひと時だったと思う。もし自分に子どもがいたら、あの赤い仮面の段々の奴について、帰り道に訥々と講釈していたかも知れない。