22.《ネタバレ》 ストレスがストレスを産むストレス社会。やってはいけない事がどんどん増えていって、この世はもうストレス飽和状態。生きずらい世の中だから他人に関わらないようにするしかない。こんな事をずっとやっていて、それでいつ平和が訪れるのでしょうか。「親が子供を抱きしめて、ポンポンて優しくする。そうされた子供は親の真似をして他者に優しくなる。親が子供を可愛がれば世界は平和になる。親って凄い仕事だよ。」というようなセリフがあったけど、まさにそれに尽きると思う。ミクロがマクロを作り上げる平和の基本理論だ。3本のエピソードをがっつり絡ませるでもなく微妙に絡ませ、全体的に、というか最終的に子育ての意義を見つめ直すきっかけとなる、まとまった作品だった。中でも池脇千鶴演じるガサツで愚鈍なママ友の役どころが素晴らしかった。最初は背景に溶け込んでしまいそうなさり気ない演技で脇役に徹してた池脇さん、またその演出が凄い。最後は全部持って行った。ラストの岡野先生がどうなったのかが気になるが、虐待父に立ち向かう勇気を見せたのは確かだ。まずはその勇気が大切なんだ。 【ちゃか】さん [インターネット(邦画)] 7点(2024-02-25 17:04:53) |
21.《ネタバレ》 それぞれが重い素材のはずであるが、ただ重いだけにはなっていない。各シーンの描写は、遠すぎず近すぎず、ポイントを的確に絞った上でさっと次に行く。一つ一つの見せ方に関する高い技術と強いこだわりを感じる。あと、すべての子役に対する(未就学年齢まで!)演技のつけ方が驚異的。●なんだけど、筋書としては、結局は3本柱がほとんど交錯しないのが、どうも好みではありませんでした。別に最後にみんな集まれなどということはもちろん言いませんが、原作がどうあれ、必然性あってこの映像世界に登場した人物なのであれば、何らか、つながりがあってしかるべきと思います。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2023-07-14 00:33:45) |
20.原作未読だが、3つの短編を1つの作品として映像化するのは少々無理があったように思える。個々のストーリーはそれなりに印象的ではあるんだが。子供たちの演技は自然でよかった。 |
19.《ネタバレ》 モンスターペアレント、幼児虐待と育児放棄(ぎみ)、認知症、、心が痛くなるようなエピソードばかりを集めた、まるで不幸の見本市のような映画でした。 それでも、最後は救われたような気持ちになるのは、力の弱い者同士、助け合って生きていこう、というメッセージに共感できるから。孤独な認知症の老人と知的障害の少年が寄り添う姿、それをこの映画は「惨状」ではなく「希望」として描いているから。 おそらく、この映画は不幸を「個人」の責任ではなくて、介護や保護を支援するべき社会全体の問題として提起しています。物語を俯瞰的に観れば、教育や生活に内在する問題に真剣に目をむけない学校や自治体があり、さらにその上に国がある、、。そういう、暗に体制批判の物語、ではありませんかな。 はるか上流から流れ着いた「責任」が社会の底辺で行き場を無くして渦を巻き、その底辺では、責任を背負わされ、難しい問題に向き合いながらも、支え合い、ひっそりと生きていこうとする人たちの姿がある。 この映画は、その姿に優しく光を当てています。 【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 8点(2022-02-21 21:35:08) |
★18.《ネタバレ》 綺麗な尾野真千子が見たくて鑑賞。 そんな不純な動機を嘲笑うかの様に、冒頭から不安定な尾野真千子が暴れまくる。 それはとても見ていて辛いものであり、とても尾野真千子を魅了的とは感じ難いものだった。
印象的なのは「家族に抱きしめられてきなさい」という宿題。 人に抱きしめられると、言葉では言い表わすことのできない、なんとも言えない温かみを感じる事ができる。 これは生きている悦びを感じる瞬間だ。 辛い時こそ、この温かみがとても効いてくる。 これが印象的。
楽しい内容の作品ではないので、決して好みの映画ではないが、たまにはこういう映画も良いだろう。 人の温かみを再認識することができたのは、とても大きい。 【にじばぶ】さん [インターネット(邦画)] 6点(2020-12-19 01:57:43) |
17.真面目に作られている、と感じる作品。 物語全体は散漫としているが、ジワジワとくる。ちょっと不器用な人たちだが、今後に期待したい。 【simple】さん [インターネット(邦画)] 7点(2020-05-16 15:42:31) |
16.難しい話題を取り上げつつも、それぞれがいい方向へ努力していく姿に感動した 余韻を残したEDだったが、主人公たちは幸せになってほしいと願う作品 【Ren】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-11-19 14:52:14) |
15.真面目な作りで良かった。主人公のダメっぷりに呆れたけど、今の小学生には確かに手こずりそう。ラストの2回目のノックは余計。 【noji】さん [インターネット(邦画)] 7点(2018-05-20 00:11:34) |
14.勘違い映画特有の臭いがプンプン漂ってくる本作..小学校でのエピソードが、わざとらしく、そこはやり過ぎでしょ~ ってところが散見され、どうにもリアリティーが無い..こりゃダメかな~ と思ってたら、終盤、なんとかそれなりに無事着地..ぎりぎりセーフ..主人公の高良健吾が、甥っ子に抱きしめられるシーン、尾野真千子が、池脇千鶴にガッって抱きしめられるシーン..そこが、とても印象的で良かった(秀逸)..富田靖子もよく効いていたかな..ただ、全編どよ~んととても暗く、微妙に細かい部分がウソくさい..作家が創った作り物感(創作物語感)が否めない..脚本、演出がそうさせているのだが..これじゃメジャー映画、一級品には到底なれない..脚本、監督を、山田洋次や李相日あたりがやれば、秀作になったであろう内容だけに..残念... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 6点(2018-02-03 11:26:06) |
13.《ネタバレ》 『そこのみにて光輝く』が暗く退屈で、呉美保監督は師匠が個人的に苦手な大林監督というのもあって勝手に相性が悪いに違いないと思っていた。が、この映画は良かったし、大林監督とも作風が違っていた。 虐待された子が親になったら心ならずも我が子を虐待してしまうというのはよく言われていることだが、この映画には雅美の葛藤がよく出ている。同じように虐待された過去を持つ陽子は、愛にあふれた優しい母に。そうなれたのは、暴力親から庇って抱きしめてくれた近所のお婆ちゃんがいたから。一人でも抱きしめてくれる人がいれば、子供を救うことができる――そんなメッセージが伝わってくる。 認知症のお婆さんと自閉症の子供の交流もほっこりさせられる。 言うことを聞かない生意気なガキをきっちりと叱れない新米教師岡野の頼りなさにイライラ。昔は時にはビンタで愛のムチも辞さない恐い先生がいたものだが、今はモンペが黙っていないのでそんなこともできないのだろう。教師が手出しできなくなって子供がつけあがる。そうして学級崩壊へという悪循環。 こういう状況で「家族に抱きしめられる」宿題なんか出したところでバカにしてやってくるわけがないのだが、欠席者一人(義父に虐待されてる神田)以外は全員やってきているところがあまりに絵空事に感じられる。気まずくて言い出せない子供や、言われても無視する親は絶対にいる。拒否された子はさらに傷つくことを考慮にいれない、超楽観的な宿題だ。 岡野が神田宅に乗り込むところで映画は終わっているが、そこまでやる気持ちは大事。あのクズ親相手なら、自分の無力さを思い知ることになるだろうけど。 それにしても、今の学校はつまらないことでがんじがらめで先生が気の毒になる。あれでは教師に心の病が増えるはずだ。職業病と言っていい。男子も女子もさん付けで呼ばなければいけないとか、もっと大事なものがあるだろうに、本当にくだらない。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-09-07 23:07:24) (良:1票) |
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12.《ネタバレ》 3つのエピソードはほとんど交わらないので、40分の短編3つで構成された感じ。 前半の幼児虐待のシーン、親に対して憎悪以外の感情が沸かなかったのだけど 痛い目にあわせるのではなく辛かったねと励ますシーンに奥深さを感じた。 憎たらしかった子どもたちが、親に抱きしめられる宿題の感想を語るシーンがよかった。 男子生徒に対しても「さん付け」を徹底しないと差別だと糾弾されるとか 人権主義的な気持ち悪さが出ててよかった。 【Donatello】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-07-27 02:16:15) |
11.小学校の先生って大変だなと思う、いやそれ以上に子育てする母親の方がもっと大変なのかも。三つの別々の物語が一つのテーマにまとまって考えさせられる良い映画だった。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 8点(2017-05-22 16:43:15) |
10.《ネタバレ》 重い作品。現代の子供たちの縮図を、大人目線で非常にリアルに表現出来ている。学校内のちょっとしたイジメ、学級崩壊、給食費未払い、障害者、家庭での暴力虐待、そして先生の苦労の数々等、が非常にリアル。映画というよりドキュメントを観てる感じかな。でも、あちこちに愛情不足な親への叱咤激励があったり、考えさせられる。最後の先生の訪問先は上手くいったかな?まー、大変な家庭環境だったので、何回も何回も訪問しなければ解決しないだろうが。そこは気になる。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-01-28 08:44:06) |
9.正直言って、前半は苦しくて仕方なかったです。 虐待される子役が可哀想で直視してられなかった。 演技なんだ、フィクションなんだ、と自分に言い聞かせながら見てたけど、苦行のようでした。 僕も小学生のとき、授業中にお漏らししたことがあって、クラスメートが雑巾とバケツを持ってきて掃除してくれたことをよく覚えている。 もし逆の立場だったら、僕は掃除してあげられただろうかと考えさせられます。 中盤以降、この苦行の解決方法が提示されるわけですが、涙が止まりませんでした。 この作品は子を持つすべての親と教師に見てもらいたい。 こういった問題はケースバイケースで、同じ方法ですべてが解決するとは思わないけど、この方法で救われる人が少しでも居るのなら、作品を見る価値はあると思います。 いい役者を揃えた良作で、それぞれ素晴らしい演技をされていましたが、どんなに演技力の高い俳優さんも子役の笑顔には勝てませんね。 作品を見終えて、なんだか心が穏やかになったような気がします。 何かが僕を抱き締めてくれたのでしょうか? 【もとや】さん [DVD(邦画)] 10点(2017-01-21 15:38:07) |
8.《ネタバレ》 いい映画だった。 小さい子が「大丈夫」ってぎゅっとするシーンが印象的だった。 ぎゅっとした子供の柔らかさや体温が伝わってきた。 誰かに優しくすると、優しくされた人がまた誰かに優しくして、世界が平和になるっていうセリフが心に響いた。 最近、イライラしてばかりだったから、誰かに優しくしようと思った。 【CAPI】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2016-09-26 15:24:13) |
7.《ネタバレ》 ちょっと前に話題になりましたよね。誰かに抱きしめてもらう宿題を出したとかなんとか、そん時は話題だけを聞いて、へー、そんなユニークな宿題出す人がいるんだーと感心しつつも聞き流していたんでけすけど、この映画、もしくは原作が元だったのかなー。ちょいビックリ。嫁さんと観ていたんですけど、嫁はママ友トークとか、子供描写とか、トイレで授業を抜け出すとことか、チョーリアルで、ほんとあるある描写と言ってました。独居老人、幼児虐待、ネグレクト、モンスターペアレンツ、学級崩壊、養護学級などの様々なテーマを、群像劇で見せた映画で、それぞれの登場人物たちは、例えば、最後に出会って物語が一つになるとかはありません。あくまで、いくつかの物語を、同時進行的に見せています。ただし、それぞれにどこかつながっているような感じがあって、全然、別の物語を観ているような感じがあんましなかったかな。それに何気ない日常の連続ですが、リアルな自然さと不穏さ、ちょっとしたコミカルさもあって全然退屈はしませんでした。僕は先生が姉の子供にガンバレをしてもらった所で、涙腺決壊でした。あんなことされたら、癒されるってのが手に取るように伝わって、涙がポロポロ。その後、子供は何もなかったよーに風呂に行くんだけど、そのアッサリ感にも納得って感じで。これは誰かをギュッとしたくなる映画。特に子育て中のママさんは共感できるんちゃうかなー。 【なにわ君】さん [ブルーレイ(吹替)] 10点(2016-09-24 21:10:42) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 「そこのみにて―」はまだ観ていないが、監督と池脇千鶴の信頼関係みたいなものがあるのだろうか。あのママ友が最後にこれほど効いてくるとは。不意に訪れる救い…。これにて万々歳というものでもないが、一筋の光が観る者にとっても救いとなる。映画も商売なのは重々承知だけど、こういう「ヒットは見込めないけど…」っていう作品もちゃんと世に出るのは意味のあることだと思う。良かった。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-08-22 23:31:37) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 力強い作品。桜吹雪の中、家族の中ひとりぼっちのカンダのことを想えば、どんなに息が切れても走り続けます。「ギュッ」てしてもらう宿題って、ものすごく実践的なんじゃないか。あの宿題の事後報告をしているシーンだけ、子供達がドキュメンタリーチックなんだ。金鉱発掘、呉美保。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 9点(2016-07-31 11:22:33) |
4.とってもいい映画だった。 もっと救いのない映画だと思ってたけど そんな単純なものでもなかった。 久しぶりに「誰も知らない」を見たくなった。 |
3.《ネタバレ》 先生(高良君)の軸が定まらぬ前半の教室の様子は、子どもたちを誰一人正視することができず、観ている我々もただ呆然として、めまいのようだった。ところが先生が無償の愛に気づいてからの後半は、息をのむような名授業を展開する。もう泣けちゃってね。そして教室の隅にいた孤独な生徒を抱きしめたい衝動がラストの疾走につながったのではないか?子どものいない僕には、よく分からないが、そのようにこの映画を捉えた。もう二つのエピソードも印象的だ。孤独なおばあさんと、障害のある子のイーブンな人としての付き合い。虐待を受けてた子が親になり、同じことを自分の子どもに繰り返してた時に、波長のあう隣人との触れあい。全編、言いたいことは一つである。社会が子育てをフォローしている。今までの映画にない展開である。そう、地域社会が少しづつ戻ってきているのかもしれない。この監督の前作(ここでも池脇千鶴!)は、世界の悲鳴ともいえるような作品だった。それがこのようなホッと息のつける作品をつくるようにまでなったのは、監督に何かあったのかな(笑)。僕も抱きしめられてますよ。周りの人に、そして映画と言う「お前は大丈夫だ」と励ましてくれる、素敵な「家族」に・・・。 【トント】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-04-08 23:49:14) |