6.まず「箱の中」。なんかつい撮影状況を想像するほうで楽しんでしまうところがあって、映画として楽しめたかは微妙。警備員の声は届くが、こっちの声は聞こえてない、という状況。「吉備津の釜」。記憶が立ち上がってくる気配がいい。オチがついてかえってつまらなくなってしまう例。「乗越駅の刑罰」。斉藤晴彦はミスキャストだったが、萩原流行は意外と気にならなかった。花王おさむがいい。不当な非難じゃないんだよね。こっちにもちょっと疚しさがあって、これがあると身に沁みる度合いが深まる。たとえば『激突!』がそうだったように。身内までも糾弾に加わってくる。杉山とく子もいい。「火焔つつじ」。ここでは脅かすものが登場しない。女の嫉妬なんだけど。なかなか開かない雨戸の外にある。二人のときに長回しって効果があるみたい。「五郎八航空」。最後は笑いで締める。理解しがたい状況もの。じっくり怖がらせてくれる一本の映画の方が好きだけど、いろんな「怖い」のパターンがある、という索引の面白さを見せるオムニバスだった。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-12-27 14:46:46) |
★5.《ネタバレ》 基本的にオムニバス映画が好きなので、十分楽しめた。 どれもそれなりに面白かったが、個人的に一番楽しめたのは「乗越駅の刑罰」。 萩原流行が演じた駅員の、理屈と暴力の波状攻撃に、観ている私も圧倒された。 異常なほどの頭の回転の速さで、金持ち客を徐々に追い込んでいく様がとっても面白い。
黒木瞳の「火焔つづじ」もなかなか魅力的だった。 あんな色っぽい女性と偶然鉢合わせ、しかも旅館に泊まることになったら・・・と考えると、ワクワクもするが、結局、下心がバレて妙な罪悪感に囚われる。 なんだか、見に覚えがある(かも)しれない話のような気がして、どうも居心地が悪かった(苦笑)。
エレベーターが故障してとまり、密室の中で繰り広げられるサスペンスという、使い古された設定ながら、真田広之の「箱の中」も楽しかったなぁ。 狭いエレベーターの中で、少し頭がいってる感じの、あんな女性と二人きりになったら、間違いなく発狂しそう。 だけど、カバンの中身が子供のバラバラ死体というのは、やりすぎかな。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2010-10-25 23:39:13) |
4.オムニバスなので、人によってそれぞれのの点数が違うことを前提に平均で7点かな。個人的に秀逸なのは皆さんのおっしゃる通り「火焔つつじ」ともうひとつ「吉備津の釜」。とくに「吉備津の釜」は落語の怪談話と都市伝説の要素をうまくミックスされた3重構造。手塚治虫の短編にあるような趣があり、実によくできている。 【やしき】さん [地上波(邦画)] 7点(2010-06-28 14:49:43) |
3.出演陣が豪華だけど、どれも特別面白いというほどではないですねぇ。これなら似たようなタイプのTV特番の方が楽します。 【MARK25】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2006-08-24 20:31:07) |
2.映画化するほどのもんじゃないけど。俺もやっぱり「火焔つつじ」が印象的だったな。黒木瞳はいいね。「乗越駅の刑罰」は、原作が強烈なだけに、あれぐらいかと。 【マックロウ】さん 5点(2004-06-09 14:27:57) |
1.《ネタバレ》 全五話のオムニバス形式で、日常からカーテン一枚ほどの距離にある不思議世界のなかで「怖がる人々」を映す物語です。その辺にありそうなちょっとぞっとする話、勘弁して欲しい話、妖しい感じの話、和製ファンタジーといろいろ取り揃えてあります。でも、監督和田誠が描くイラストのように、どの話にもどこかほのぼの感が漂っています。一番の好みを挙げるなら、「火焔つつじ」でしょうか。咲き誇る花の裏側にある人の情念。静かな溜息を漏らしました。 【のはら】さん 7点(2004-03-05 18:43:41) |