3.もの凄く久しぶりに劇場リピしてしまった作品。なんなんでしょう、この見終わった後の幸福感&昂揚感・・・! こんなの味わえる映画、一体何年ぶりに見たかしら・・・。よくよく考えると、割と予定調和な部分もあり、キャラもそんなに斬新とはいえない。でもでも!! この圧倒的な爽快さとユーモア、ちょっとミステリアスでロマンスもあり、そして、一貫した人生讃歌。これぞ、映画でしょう。そして、コメディ映画としても、三谷映画なんて足元にも及ばぬ精緻で素晴らしい完成度です(三谷ファンの皆さん、すみません)。張りめぐらせた伏線は、終わりまでに見事にかつ鮮やかに、残らず回収してくれます、それも爆笑付きで。こういうアジアや中欧映画にありがちな「登場人物の顔の見分けがつかない」ということもありません。トビー・マグワイヤ似のランチョー、岡田准一みたいなラージュー、デストラーデ(20年くらい前に西武ライオンズにいた外国人選手です)そっくりのファルハーンと、主役3人はいずれも個性的かつ魅力的。大学生のランチョーを演じたアーミル・カーンは、なんと私より歳上・・・(驚愕)。また、敵役の学長や秀才“サイレンサー”の演技も素晴らしい。お約束の歌と踊りも少しあります。もちろん音楽もgood(サントラ買おうと思ったら売り切れ・・・!!)。インドの理系偏重熱については、最近、某全国紙の記者がコラムであまりにも度が過ぎ、若者の自殺の多さにつながっており不条理でさえある、という内容のことを書いていて、その記事を読んでいたのもあって、本作を見ると、それにまつわる悲劇も少なからず描写され、身につまされます。そして、学ぶことの本質とは何か、生きるとはどういうことか、自分にとって大切なことは何なのか、ということも、決して説教臭くなく、押しつけがましくなく見ている者に問いかけてきます。奥の深さを持ちながらも、思いっ切りエンタメ要素もてんこ盛りで、世界各地で大ヒットも納得です。あまり押しつけがましいレビューを書くのはポリシーに反するのですが、本作は「見て損はない」ではなく、やっぱり「見ないと損」と言いたい数少ない作品の一つとなりました。書きたいことは他にも山ほどあるのですが容量越えです。・・・点数は、9.8点というのが偽らざるところですが、my10点作品との兼ね合いを考えると、やはり10点をつけるのには若干のためらいがあり・・・、この点数で。