【クロ】さん [地上波(邦画)] 3点(2009-01-03 14:41:18) |
12.《ネタバレ》 自分を思い出してくれた吉岡は許すけど殺戮を続ける赤い服の女、許されていても大事な人を実は殺していた吉岡。赤い服の女に誘われて人を殺した者もやり方だけを導かれているだけで何も残らない虚しさがあります。また、古典的な怪談のようなテイストもあって不思議な感じのする映画でした。 ただ面白かったかというとかなり微妙。ホラーなのに全く怖くないのが致命的な感じがしました。最後になって一気に畳み掛けてくるのですが、暗示的な表現を残してあまりすっきりしないのもマイナス。 【飴おじさん】さん [地上波(邦画)] 5点(2009-01-03 13:47:53) |
11.全編にわたるジトーッとした雰囲気は好きです。 赤い服を着た葉月さんのカメラ目線やあの呟きはむっちゃ怖い。 小西さんはラストまでまさか**とは思わなかったよ! そしていつも何かイライラを抱えているような役所さん。 友人を装いつつ役所さんを疑いまくる伊原さんのヤな奴ぶりと その最期、が印象に残りました。 役所さんがあの液状化した土地に行かなければ コトは起こらなかったのか?いやそうでもなさそう・・ という謎まみれの映画。要リピートですね。 しかし死体の多いこと。 【ひろほりとも】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-05-29 17:09:55) |
10.《ネタバレ》 個人的に観た者のおまかせ定食っていう類の作品はキライです。 勝手に自分で想像して終結するものだから、見終わった後な~にも残らない。 アレだけ強烈な呪詛を放つ赤い服の女って何者? 原因となる真実を暴く過程もホラーミステリーの醍醐味なのにサラリと行き過ぎるだけ。 監督の世界観とやらも大事かもしれないけど、ホラーだって納得も感動も必要だと思う。 【木村家の娘】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-05-07 12:00:27) |
9.葉月里緒奈の目が大きい。CGで操作して顔面に占める比率を拡大してるんじゃないかとさえ疑った。それが全然まばたきしないでこっち見つめてくると、けっこう不気味。へんにオドロオドロしい表情を作られるよりも、あの凝視がホラーだった。なんかしゃべりだすと、そうでもなくなるのは、彼女に意図が現われてくるからだろう。意図も分からず、あのヘンな顔で見られてるってのが、あんまり今まで体験したことのない不気味さだった。湾岸地帯。新しい街の底から、埋め立てて隠されていた過去のものが液状化とともに噴き出してくる。『CURE』と似た、狂気が連鎖していく世界だが、そういった集団の無意識みたいなものが地底でつながってドロドロと脈打っているってイメージが好きなんだな、この監督。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-03-09 11:59:22) |
8.《ネタバレ》 葉月に憑かれた者は、みな殺人者に。相手を海水で溺死させるという手口。それは彼女が病院で折檻されていた手法と同じ。主人公だけは、彼女の居場所を突き止めたので赦してもらえた。終盤、事態は飛躍的に悪化。葉月自ら殺人鬼と化し、世界は終焉へ向かう。これが物語の外郭です。でも真相については判然としない。ここをどう解釈するか。それが黒沢作品のお楽しみ。ではいつものように自分なりの解釈を。押さえておきたいのが、葉月の心情。彼女は一人で寂しかった。誰も私のことを気にかけない。絶望の中、残像が焼きつく程長い時間、彼女は外を眺め続けた。幽霊となった葉月は、船で見かけた人の夢(意識)の中へ潜り込んだ(オダギリ説)。“自分を相手にしなかった者を殺してやる。”それが彼女の復讐。葉月に感化された者は、大切な人を手にかけた。医者と奥貫はその心情を吐露。ロン毛男も婚約破棄されている。全員、強い孤独と疎外感を抱えています。「全てを無しにしたい。」葉月と同じ想い。そこに付け込まれた。勿論、これは役所にも当てはまる。小西の行動から、生前2人の関係は疎遠になっていたものと推測されます。そこで疑問。何故幽霊の小西は、あんなに役所と睦まじいのか?役所を怨んで当たり前。「(殺されて)仕方がなかったの」なんて言うはずがない。幽霊の小西は、生前の小西とは別人です。その正体は…。役所は2人の遺骨を同じカバンに詰めます。ラストカットは小西の叫び。それまで叫んでいたのは誰。似たようなワンピース。2人が同時に出現していないこと。これらから導かれるのは、小西=葉月。役所は葉月にとって特別な人。記憶の中に自分を留めていてくれた唯一の人。葉月は彼を愛していた。「叫」は恐怖に慄く悲鳴ではなく、孤独な魂救済の叫び。そして切ない恋の叫びでした。世界に終わりが訪れたのは、誰もが孤独を抱えているから。みんな葉月を受け入れてしまう。ロマンス的に解釈するなら、“あなた以外は何もいらない”ということ。以上です。本作では観客の“思い込み”を巧みに利用しています。特徴的な赤い服、男のロン毛、タイトル。前半大いに惑わされます。このあたりの仕掛けは流石に上手い。ただ残念だったのは、全然怖くなかったこと。『LOFT』より演出的に冴えていたものの、やはり有名女優の起用は難がある。本作は怖くなければ意味がありません。ホラー⇒ロマンスの転換に驚きが生まれないから。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-12-04 18:20:05) (良:2票) |
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★7.《ネタバレ》 玄関から出て行く幽霊にまず笑い、音もなく飛び立つ赤い服に呆気に取られ、洗面器に吸い込まれる伊藤氏にまた笑う。「狂気の感染」を共通テーマとした純然たるクロサワ映画でした。ミクロな破滅から、マクロな破滅への転換にまたしても取り残され、小西真奈美の叫び顔に色んな意味で恐怖を覚え「してやられた」映画となりました。 【1δ3】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-09-02 18:34:45) |
6.《ネタバレ》 サスペンスを軸にホラーとSFの要素が混ざったような作品で、 怖さはあまりありませんでした。 叫びのシーンも最初こそ多少の驚きはあったものの、 慣れてしまい、怖いと言うよりむしろうるさいといった印象です。 ストーリーは途中まではまずまずなんですが、後半になるにつれて無理やり感、 特に最後(世界中の人間を殺してしまう)のシーンなどは、なぜそうしたのか、 それほどの力があったのか、など理解出来ません。 ホラー要素が弱い分、ストーリーを考えるため納得いかない点は余計に気になりました。 また、伊原剛志が吸い込まれるシーンはホラーでありながら笑えるなど、 今まで観たホラーにはない所もありました。 【コショリン】さん [DVD(邦画)] 4点(2007-08-31 16:15:48) |
5.《ネタバレ》 赤い服の女の人(葉月)をちょっとダイレクトに出しすぎで、怖さや不気味さが薄れてしまって、台無しにしちゃってる感じがした。最後の終わり方はちょっと無理矢理すぎるし、納得しずらい・・・だが井原さんが洗面器に吸い込まれてしまうシーンはかなり爆笑っっw。ホラーなのに笑い所を作ってしまうってところには驚かされました。にしても役所さんはいい演技するねぇ。かっこいいっす!!! 【rainbow】さん [DVD(邦画)] 5点(2007-08-12 03:04:31) |
4.なんかテレビとかじゃ、エンターテイナー的なサスペンスホラーな印象で宣伝してました。「俺なにやった?」みたいな感じで、主役の刑事が赤い服の女性につきまとわれて、自分の存在があいまいになり、その真相は?みたいな感じで。はたしてその女性は幽霊か?みたいな感じで。その分、ちょっと期待もしたんですけど、でも、やっぱり結局、黒沢清の映画でした。つまり、普通のサスペンスホラーとは全然違いまして、この人の他の映画を観た人じゃないと、ちょっと期待とは違う感じになっちゃうんじゃないでしょうか。あと今回は怖さもそんなになかったかな~。あー、エンターテイナーな真相を絶対期待しては駄目です。底辺に無関心な社会などの現実の社会問題のデフォルメ的な表現や映画に含まれる深い意味を理解したりして楽しむ部分が大いにあって、単純にお話だけ追うと、やっぱり期待はずれになっちゃうかもしれません。俺は、所々、おもしろ表現があって、洗面器とか、シュワッチとか、そんなバカ全開って思わせてくれそーな所がおもしろかったのと、主役の人生を思うとかなしすぎる所が心にちょっときかたかな~。黒沢先生には今度は是非、年金問題や官僚の横暴をホラーにして描いて欲しいです。あわれな国民の叫びをよろしく。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-08-06 22:07:59) |
3.《ネタバレ》 題名が「叫」だけあって叫び声がひたすら怖い。夜中電気消してイヤホンつけながら観ているのでなおさら怖い。あーやだやだ。幽霊の事も片付きもう何もないだろうと思ってホッとしてたらまた赤い服の幽霊が登場。しかも洗面桶にダイブ。唖然としてると黒沢映画にお決まりの世界の終末で終わりって赤い服の幽霊が1人で皆殺しにしたのかどうか、なぜそういう結末(今回の結末はちょっと無理にこじつけすぎかな)に持っていかなければならないのか意味が分からないがそこそこ面白かった。 |
2.わずか3人の観客の劇場に響く里緒菜の叫び! おぉ~怖っ・・・ 【つむじ風】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-03-31 02:22:03) |
1.傑作『アカルイミライ』以降、黒沢清はホラー以外のジャンルを撮るだろうと思ったし期待してたのですが、またホラーかよ!と思いつつもそもそも黒沢清の映画は「ホラー」だとか「ミステリー」だとかというより「クロサワキヨシ」というジャンルの映画と言っても過言ではなく、この『叫』もまたとびっきりの「クロサワキヨシ」だったので結局のところ予想どおりたいへん満足できました。「アカルイミライ」のために埋め立てられ、途中で放置された場所を舞台に、まるで『CURE』の殺人のように人は何かに誘導されて殺人を犯す。殺人現場に残る自分の痕跡(偶然にも同時期に公開中のトニー・スコット『デジャヴ』と酷似!)に『ドッペルゲンガー』を彷彿させ、多くの黒沢映画に登場する「幽霊」と「終末」が描かれる。『ニンゲン合格』や『大いなる幻影』がこの世界に存在することの意味を問いただしたように幽霊は人間であったときの存在を無にしようとする人々を許さない。どこを切っても「クロサワキヨシ」でありながら常に進化し続けるクロサワ映画。同じようで同じじゃない。切り口を変えるだけで全く新しい映画にしてしまう。「見なかったことに」がもたらす恐怖。この映画、けして「見なかったことに」なんてできません。 【R&A】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-03-30 12:14:27) |