70.《ネタバレ》 ここでの評価の低さを知っていたし、確か今回が2回目のテレビ放映だったので、
意外と冷静に、この作品の問題点を分析しながら見ることができました。少なく
ともこの映画は、同窓会から始まって30年前の少年時代をフラッシュバックさせ
ながら“ともだち”の謎を追って行くあたりは、結構おもしろかったし引き込ま
れて行くものを感じました。
それぞれの人物の無邪気で楽しかった少年時代と現在の境遇の描写なんかも、最近
はやりの昭和に対するノスタルジー物を彷彿とさせるほのぼの感があって良かった
と思います。
ただそれが話がだんだんと大きく荒唐無稽になって行くに従って、現実感を失って、
仮面ライダーやゴレンジャーの世界(決してこれらをけなしているわけではありません)
に突入してしまう展開には、やはり失望せざるを得ませんでした(勿論こういう展開が
好きな人もいるでしょうから、あくまでも一般的な立場として)。原作は連載漫画だと
いうことですので、人気が出るに従って、作者の思惑や出版社の意向などが入り混じって、
こういうお話になってしまったのでしょうか。
連載小説や漫画などは、一度世に出たら、もはや一人の作者の私有物ではなくなって
(勿論、出版社の単なる金儲けの手段でもない)、次の展開を期待する多くの読者がいる
“公共物”であることを製作者側はもっと考慮して、その期待を裏切らない最大限の配慮
をしてもらいたいものです。そういう意味で非常に残念な5点。