80.《ネタバレ》 良かった点としては、舞台がスーパーマケットという日常空間である事が面白かったし、
ドリームキャッチャーでも感じたが、何か大変な事が起きる予感、ってのが
良く出ている作品で、冒頭話に引き込む力は凄かった。
最近、映画のテーマを考えながら見るのが、マイブームなので、この映画のテーマを分析すると・・・
1.諦めたらそこで試合終了。
2.極限状態での人間の弱さ、怖さ、エゴ。
って感じだったが、このテーマを強く訴えようとした作品ではなかった気がする。
面白いと感じた部分としては、最後まで諦めてはいけないというテーマを
主人公の失敗によって表現している点だと思う。普通に考えれば、最後まで
諦めない主人公の姿勢から、同様のテーマを感じるが、この映画では、
最後に諦めてしまうという反則ぎみの行動に出る。
その諦めに対する失敗、後悔によってテーマを訴えている気がする。
ただ、思うに別にコレをテーマとして訴えようとしたわけではなく
物語のオチを強引につける為に、諦めさせているだけな気がする。
大規模なパニック物は、軍など第三者の力によって解決する物が多いが
それでは弱い物が強い物に勝つカタルシスがなく、話のオチがないように感じる。
そこで意外性のある展開で、強引にオチをつけているだけという感じがした。
もしも、この展開にテーマを持たせようと思うなら、その後の主人公が必要ではないか?と思う。
後悔の苦悩、その先の答えにテーマがあり、感動を呼ぶのではないか?
二つ目のテーマ、人間の弱さ、怖さに関しては、それを解決する手段が
暴力によって解決していた点が、共感できない。
うっとうしいカルト女を射殺したところで、多少の爽快感はあるものの
それが道徳的に正しいとは思えない。撃った人物が、そのことで後悔し、
苦悩するっとかあれば、まだ、人間の醜さ、怖さを暴力によって押さえつける事の、
愚かさとかが出てよい気がするのだが、対立に対する解決方法が
負の回答では、見ていてスッキリしない。
また、冒頭から息子を気遣う主人公から、物語のテーマが家族愛か?とも
思ったが、最終的な行動が全く反する物で、一貫性が取れてない気がする。
スティーブンキングの、日常空間におけるパニック物を題材として
衝撃的なラストをくっつけただけの、企画物映画って感想。