37.原節子は直情型の激しい女性を演じているが・・顔が怖い、怖すぎる。 後半の夫の実家のシーンがとにかく長い、長すぎる・・。 黒沢映画は女性主人公がほとんど無いが、この映画をみると何となく納得できる。 ストーリーが単調で主人公にまるで魅力が感じられないからだ。 セリフが聞き取りにくいのもマイナス点。 【とれびやん】さん [インターネット(邦画)] 5点(2022-09-25 19:25:15) |
36.この映画の良さが分からない。 原節子の魅力が分からない。 黒澤明の作品が苦手。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2020-10-10 02:03:28) |
35.《ネタバレ》 黒澤監督は、原節子に容赦しないよね~。 小津さんみたいに大事に扱わない。 確かに戦争に負けたから、欧米の「自由」の種がこの国に植えられた。 だから当時の世相に逆らった主人公の彼の立ち位置も、映画の筋としては成り立つ。 (もちろん戦争は大反対。映画の筋だけ追った場合のはなし) だが、彼の姿勢は反対のための反対じゃなかったか? そこが彼と一緒になった原節子の情緒不安定さにつながる。 しかし、彼は急死した。 残された嫁の原節子は彼の信念と結婚したのだ。 それがあるから自分を支えることができたのだ。 黒澤監督がアメリカかぶれかもしれないという意見もある。 が、後の傑作が、やはり黒澤監督の偉大さを証明している。 万歳!黒澤さ~ん! 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2020-05-14 00:24:41) |
34.《ネタバレ》 言論弾圧からの解放、自由への希求、そういったテーマですけど、なんだかこの作品そのものがのびのびしてないんですよね。 やっぱり1946年だから、占領下にあった映画づくりというのはこういうテーマで作るようにとの要求下にあったのでしょう。 時折はっとさせるショットはあるものの、残念ながら堅苦しいだけで黒澤さんの良さは出ておりません。 ブルじゃあ時代のお嬢さん時の顔と、農民になった時の顔の変化などは素晴らしかったです。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2017-05-02 20:27:13) |
33.冒頭、京大事件(滝川事件)をモデルにした物語であることが示されるけれど、内容的にはその後日談のような展開が中心で、弾圧による夫の死と、残された妻が力強く生きていこうとする姿が描かれます。後半、スパイの身内として冷たい視線を浴びつつも、農作業に励む原節子の姿が、これでもかこれでもかと描かれる、このあたりのプロレタリアートな感じが、例によって例のごとく、もうホラー一歩手前なんですけれども。 あまりこの路線を突き進むと、都会生活よりも田舎の農作業の方が尊いんだ、みたいな感じになってきちゃって、胡散臭くもなるのですが、農作業の後、川で休める手と、ピアノを弾く手とが呼応し、うまく回帰していく。いや、それより何より、後半の迫力自体が、そんな胡散臭さなど吹っ飛ばしてしまう訳ですけれども。もの凄い「怒り」のようなものが、感じられます。 そして実際、この泥まみれで働き続ける原節子の美しさ。最初の方でうわー変な髪型だなあと思ってたら(失礼)、その布石だったか、と。 なんと、杉村春子ですら美しく見えてきてしまう、ってそんなアホな(って、そんな失礼な)。 ところでタイトルに「青春」なんていう言葉を入れちゃうのは、どうなんですかね。実際の内容よりだいぶ甘い印象になってしまいますが。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-04-23 09:43:07) |
32.《ネタバレ》 中盤くらいまでは、弾圧がどうのこうのといいながら、ほとんどは台詞で説明されるだけであって、空気感もなければ心理の動きもないので、(時期的に終戦直後であるにもかかわらず)生々しさを感じないのです。田植えを巡るシークエンスだけは、作業そのものや近隣住民のアクションを粘着質に撮りきっており、またそれが素材を変えれば現在でもどこでも起こりうる事象なので、局所的に恐怖を感じます。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2017-04-20 00:57:49) |
31.《ネタバレ》 思想弾圧批判の社会派作品かと思ったら、途中から三角関係の恋愛・夫婦モノになって、終盤は女の生き方というテーマが変遷していった印象で少々つながりが悪い。夫が獄死して、実家に肩入れしちゃうのもちょっと唐突な印象。時代の変わり目でもあり、試行錯誤で、全体的に粗いのは仕方ないかな。原節子の演技の変化はよかったと思います。 |
30.《ネタバレ》 率直な印象とすれば、後半盛り返してきた、ですね。展開にメリハリ感がないのは制作された時勢も大いに影響されているのでしょう。まぁそこら辺は致しかたないかと。原節子さんの前半のお嬢様と後半の野良仕事姿のギャップがすごく、その力強いお姿はさすがと思った次第でゴザイマス 【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-05-10 05:28:04) |
29.黒澤作品にしては珍しく退屈した作品です。黒澤監督が脚本を担当してないからか、娯楽性もほぼ0で起伏に乏しく深みのない脚本に仕上がってます。さすがの天才監督もこの脚本ではどうしようもないというのが伝わってきますね。ただ主演の原節子の存在感と演技力は素晴らしくて、前半と後半では全く違う演技が要求される役柄を見事に演じています。この女優さんが主演で監督も随分救われたのではないでしょうか。 【キリン】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-01-30 17:57:10) |
28.「自由の裏には苦しい犠牲と責任がある事を忘れちゃいかん」「顧みて悔いのない生活を」父と野毛の教え通りに、陰惨な迫害の中で一心に働く原節子の姿は、お嬢様時代の高慢さとのギャップと相まって圧巻でした。大河内演ずる慈愛滲む父親も忘れ難い存在でした。 |
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27.本作が作られたのは、まだこれからの日本の進路が定かでないころで、世情もとりあえず共産党的な気分が沸騰していた(とりわけ東宝撮影所内は)。そういうシナリオをもらった監督は、こんな感じでいいのかなあと手探りで前半を作ったよう(藤田進の事務所の前、入るのをためらう原節子のカットの連続で季節のうつろいを表わすのは『姿三四郎』の復習だ)。後半の農村の場になって、好きだったソ連映画のタッチを大っぴらに練習することが出来た。ここに至って気合いが入ってきたのが分かる。原が昼間一人で田へ出て行くあたりの悲壮感、木々が嘲うところなどなど、もう完全に黒澤タッチ(『蜘蛛巣城』のバーナムの森)。原節子も全編を通し徹底してバタ臭く、しばしば泰西名画風のポーズを決めたり、ヨーロッパ・とりわけロシア的なものへの傾斜がうかがえる(彼女が弾いていたのはムソルグスキーの「展覧会の絵」だし、原が出たもう一本の黒澤映画はドストエフスキーの『白痴』だ)。監督はこのシナリオから左翼イデオロギーでなく、「平凡なものよりギラギラしたものへ志向する」ヒロイン像を中心に据えたのだ。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2012-03-10 10:04:43) |
★26.《ネタバレ》 野毛という人物がよく分らない。性格や思想は分るが、肝要の行動、「運動」の様子がわからない。大学で教授が追放さたのに反発し、集会やデモを起こすが、音声は無い。野毛は何度か逮捕され、偽転向して、経済研究所を立ち上げたが、その裏で何をしていたのか?彼は左翼運動家で共産主義革命を夢みていたのか?単純な反ファシズム、反政府の自由主義者なのか?それともアナーキスト?野毛は日本を救いたくて、それは戦争を回避する事らしい。具体的に何をしたのか?スパイ?彼が働きかけるのは日本の政財界、軍部に対しての筈だ。日本の機密を米国やロシアに流していたのか?だがそれなら却って戦争の契機になる場合がある。単純に共産思想を吹き込んでいたのか?それがスパイ行動とどうして結びつく?そして10年間両親に会っていないのはどうして?連座を恐れていた?何をしていてのかさっぱり分らない人物に共感はできないし、彼の妻であることを唯一の矜持にして生きていく幸枝にも共感できない。ちなみにゾルゲは二重スパイで祖国を売った。 ◆最初は幸枝は理屈ばかり云う野毛を煙たがっていた。だが野毛が転向するとがっかり。野毛を追って東京に行くも何年も会わず。自立した姿を見せたかったのだ。会うと「秘密があるのね。それをわたしに下さい」と逆プロポーズ。幸枝は野毛の人間性に惹かれているようです。 ◆野毛は逮捕されてから登場しなくなる。彼の行動や信念が正しいと漠然と描かれているだけだ。彼の試みは失敗して、彼は英雄ではない。代わりに幸枝が讃えられる。だが幸枝の信念は夫を信じることだけだ。野毛の信念は明らかにされてない。彼が本当に正しかったのか疑問は残る。野毛は幸枝を巻き添えにしたくなくて、運動の事は何も話さなかった。裁判でも明らかにされなかった。二人の間には断絶がある。幸枝は野毛の表の顔しか知らず、ただ直観的に正しいと信じているだけ。幸枝は野毛の理解者ではなく信奉者だ。「夫は正しかったと信じたい」一念だ。何とも煮え切らない脚本だ。◆「野毛が逮捕されたときの検事が糸川」はありえない。二人は知り合いなので担当になる事はない。◆川を渡る学生を最初と最後に登場させてのシンメトリー構造。黒澤映画特有の粘着質な演出が、田植場面で初めて登場した。幸枝の静から動への変化。野毛父の沈黙から怒りの爆発。目ぼしい場面はいくつかあります。 【よしのぶ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2011-10-02 01:22:06) |
25.《ネタバレ》 いつも言ってることだけど、原節子は好きな女優じゃない。あの中途半端な笑い顔がどうも苦手だから。だけど本作の後半で、野良仕事をしながら差別に抗する芝居の引き締まった顔には、はっとさせられた。こんな顔もできるんだ、と。同じ黒澤作品としては、比較的最近に観た「一番美しく」とは正反対の内容。健気に頑張る女性を扱っている点は共通しているけれど、観賞中から「一番美しく」とのスタンスの違いばかりが気になった。軍国主義から民主主義へ。実情は分からないけれど、コロコロと体制になびくその制作態度はいかがなものか。どうも、プロパガンダ映画を見せられているようで気分が塞いで行く。ちなみに黒澤本人は「一番美しく」を「いちばん可愛い映画」と振り返ったらしい。本人にしか分からない思い入れがあるのだろうが、第三者としては理解に苦しむところだ。黒澤明という人は、基本的には思想家ではなくエンタテイナーなのだろう。この戦中と終戦直後の二作はもう一度観たいと思わない映画です。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-09-13 23:05:07) |
24.《ネタバレ》 黒澤監督の、戦後すぐの民主主義プロパガンダ映画。 GHQの検閲が厳しい折、娯楽性ゼロ、コメディ要素ゼロのシナリオになってしまっている。 そんな中で、美人女優の原節子がお嬢様から汚れ役までこなし、それを感情や情景が滲み出るような印象的な絵作り、カット割りをして、ある女性の数奇な半生のドラマとして「映画」に仕立てたことに黒澤監督の才能を感じる作品。 しかし、この説教じみたストーリー展開だけは、いくら黒澤監督でもいかんともしがたく、面白い映画かと言われれば、好んでみるようなものではない。 シナリオの制約で、娯楽性ゼロのプロパガンダ映画を、一応鑑賞に耐えるドラマ性のある「映画」に仕上げた黒澤監督が凄い、ということを感じる映画。 【nobo7】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-07-12 01:53:39) |
【ホットチョコレート】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-06-27 11:27:04) |
22.この映画は何と言っても原節子が出ているということに注目である。単に出ているだけなら何の注目も感じないし、どうってこともないが、黒澤映画に原節子が出ているというのは小津映画に三船敏郎が出るぐらい凄いことである。男の力強さを描くことに力を注ぐ黒澤明監督が原節子を主演に選ぶというのは小津や成瀬、木下、今井といった同じ時代を生きてきた名監督への挑戦とも考えられなくはない。俺だって、女を描こうと思えば描けると黒澤明監督の叫びが聞えてきそうです。作品全体の空気、原節子にしてもそうです。小津や成瀬映画の常連となる原節子に対してもやはり黒澤明監督はまるで男のように描く。後半の農婦姿での原節子の描き方、力強さは男社会の中でも女はやっていける。十分に暮らして行けるものだ!というような叫びのようなものが聞えてきそうなほどの他の監督作品ではまずは見られない原節子がここにいる。映画的にはそんなにも特別に面白いとも思えないし、黒澤映画の中でも普通の作品というのが評価として最も相応しい映画である。それでも原節子!しつこいようだが、黒澤映画で原節子というのを見れる映画として「白痴」同様貴重な作品という意味で昔の邦画好きなら見て損のない映画でもある。 【青観】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-06-21 21:36:45) (良:1票) |
21.前半の美徳をうっとおしいくらいに押し付けてくる演出には少しついていけなかったが、後半で盛り返した。原節子の演技といい、農村の絵全体といい、とにかく後半は凄まじい力をもって観る側を引きつける。原節子の演技以外は、良くも悪くも凄く普通にまとまっている映画だと思った。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-01-22 00:13:20) |
20.後半の田植えにはすさまじい気迫を感じた。黒澤作品の心は、いつも真っ直ぐとしているので観ていて心地よいなあ。それはさておき、原節子さんの胸ポッチが気になって仕方がなかった件について。君もそうだろう? 【ようすけ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-05-11 22:24:14) |
19.《ネタバレ》 私は原節子さんという女優さんをこれと「白痴」でしか観た事が無いが、小津作品から入った方が観ると、黒澤映画の原さんはあまりにもエネルギッシュで「え?」と思うらしい。でもきっと原さん自身は大変ではあっても黒澤の現場は役者としてやり甲斐があったに違いない(映像の中に生きる原さんがとても輝いていた)。最初はいい所のお嬢さんなので着ているものから表情から(芯は強いが)美しいというイメージだったが、ダンナがスパイ容疑で収監され、特に獄中での死亡を聞かされた辺りから、自分の生き様を決して曲げない信念と共に、ものすごい形相に変わっていくのがとても見応えがあった。ヤンマーの田植え機もない時代、あれだけの田植えをムチャクチャにされたらどれだけ絶望と怒りがこみ上げたであろう。でも社会全てを敵に回してでも自分を生きた様はまさに「わが青春に悔なし」とばかりだった。 110分間という決して短編ではない作品なのだが、物語にさほどの起伏も無いので観る人が見たら中だるみを感じるかもしれない。しかし黒澤が戦後第1作にこれを選んだのは、まさに国策映画や検閲の呪縛から解き放たれた監督の気持ちそのままをヒロインに投影したかったからではないだろうか? 余談ですが糸川を演じた役者さんは、3の倍数でアホになる芸人さんにちょっとだけ似てます。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-05-11 01:38:19) (良:1票)(笑:2票) |
18.最初から最後まで原節子様々な映画なので、それ以外の些細な部分をつついてもしょうがないと思いつつ一言二言。戦中~戦後にかけて野毛と糸川という対照的な人生を歩んだ男が出てきますが、どうしても「野毛=英雄」「糸川=裏切者(又は臆病者)」といった構図になってしまっているのが疑問です。果たして糸川の選んだ人生は幸枝にあそこまで軽蔑されるべきものだったのか(気まぐれに「土下座して私に謝りなさい」なんてホザくバカ女に!)。彼は彼なりに自分の人生に対してケジメをつけたのではないか。戦争が終わり、かつての軍国主義を振り返って批判するのは結構ですが、なんかフェアじゃない気がしました。 【とかげ12号】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-04-05 12:07:48) |