450.《ネタバレ》 「ゴッドファーザー」は続編の「Part2」の方が一番面白いし大好きだが、初代も好きだ。
この作品は「映画の面白さ」というものを教えてくれる作品の一つだ。
魅せる、語る、惹きつける。
一度見ただけでは解らない。しかしこの映画には何度も見たくなるような面白さと仕掛けが散りばめられている。
一回で理解できるシーンも多いが、一番のミソは見れば見るほど理解を深められる作品だと思う。二度見てこそ、いや見れば見るほどその圧倒的な世界観に惹き込まれる。
一見すると「マフィアの暴力礼讃」のようにも見えるが、この映画の訴えたいことは「暴力の愚かさ」しかない。
暴力を振るえば振るうほど失っていく大切な何か。
「家族」とファミリーという名の「組織」。
この二つを守った者と、守りきれなかった者。
その二人の人間の光と闇を見せ付けられる。
この映画に溢れる「生」。
家族と語り合い、食事をし、人を愛す。
その裏で繰り返される破壊と「死」。
特にpart2では壊れていくマイケルの家族が「死」として、家族を創っていくヴィトが「生」として見て取れる。
このゴッドファーザーは、マリオ・プーゾの原作小説を元に描かれるが、元々は1本だけで済ます予定だった。
ところが、映画の人気が、マイケルたちの行く末やコッポラの人生まで左右し始める。
part1ではマイケルの青春とその終わり、
part2では父の光を通してマイケルが闇に堕ちていく様子を描き、
part3ではマイケルの苦悩と挫折に満ちた幕引きで終わる。
一人の男が何を成し、何を失っていったか。
それが実に心に響く。
哀しみに満ちちゃあいるが、何故か不快な感じはない。
これほど飯が食いたくなる映画は無い!
みんな美味そうに飯食うんだもん。
クレメンザが頬張ってたパスタとサンド、ワイン。
ガツガツ食べてみんな死んで行く・・・。
特にpart3を見た後だと、無性にpart1やpart2のマイケルやソニーたちに会いたくなんだよな・・・。
マーロン・ブランドのしゃがれ声、
ジェームズ・カーンの兄貴ぶりなど、俳優陣の演技は全て素晴らしい(タリアは除く)
アル・パチーノの演技も素晴らしいの一言。
ソニーとコニーは「暗黒街の顔役」と「悪い奴ほどよく眠る」、中盤の車の爆発は「ビッグ・ヒート/復讐は俺に任せろ」を思い出す。本当に映画が好きなんだなあコッポラは。