23.《ネタバレ》 堪忍せずに、最後の最後まで乱れてくれたらよかったのにー。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 10点(2011-03-16 08:16:31) (笑:1票) |
22.繊細な心情描写と光と影の演出は、ただただ引き込まれます。 ただ、平均点並みに感動したかと問われれば、ちょっと微妙です。 主人公のもやもやとした「ダメ男」っぷりが、観ていて必要以上に共感してしまったからではないか、と、考えますが、コレ如何に。 まぁ、しかし。高峰秀子のソツない演技、若かりし頃の草笛光子、箸の持ち方が私と一緒の間違え方をしている加山雄三を、十分に堪能させていただきました。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-02-14 16:41:54) |
21.《ネタバレ》 最後に思いもかけない展開となり、日頃冷静でしっかり者の彼女が我を失う表情で終わるラストカットがとても印象深いです。 高峰秀子の成瀬作品での特徴は、ツンとすました感じの雰囲気とあのちょっとひねたような独特の語り口調ではないかと思います。戦後的な新しい、女性的な芯の強さが彼女の個性でした。『稲妻』とか『流れる』とか、まさにそんな感じですね。『乱れる』は、彼女が40歳の頃の作品ですので、もうそういった新しさはありませんが、それでも彼女らしい女性的な強さを持ち、一人で酒屋を切り盛りするしっかり者で貞淑な未亡人として作品に登場します。しかし、義弟役の加山雄三のアプローチを受け、彼女は「乱れる」のです。それも徐々に徐々に心が揺らいでいき、気持ちが彼に傾いで、最後にはどうしようもなく心乱れてしまう、、、その様子がこれまでの彼女の役柄にはない分、とても新鮮だったのだと思います。この作品は、成瀬巳喜男の傑作であるとともに高峰秀子後期の代表作でしょう。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 10点(2011-01-01 14:29:58) |
【Balrog】さん [DVD(邦画)] 10点(2010-12-18 14:19:53) (笑:1票) |
19.ストーリーはただのメロドラマなのに、この作品にはとても惹きつけられる何かがある。それが何なのかは自分でもよくわからない。強いて言えば、幸司の一途な気持ちと、礼子の揺れ動く女心が痛いほど伝わってくるからなのかもしれません。フランス映画を思わせるようなラストが印象的。 【きーとん】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-07-17 11:08:51) |
18.なんというラスト。印象に残ることは間違いないが、好きか嫌いかと言われれば正直どっちとも…。 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-04-27 18:44:05) |
17.《ネタバレ》 成瀬巳喜男監督作品、51本目の鑑賞。 成瀬監督作品で、未見の作品としては最も巷の評価が高い作品だけに、観る前は俄然、期待が高まった。 成瀬監督の最高傑作は、加山雄三が本作と同じく主演した『乱れ雲』だと個人的に思っているが、メロドラマという部分で、多分に共通点が感じられ、更に期待が高まり、観る前の緊張感は、最近にはないものがあった。 さて内容だが、加山雄三と、その義姉である高峰秀子との禁断の愛を描いている。 100分にも満たない作品ながら、成瀬監督にしかできないような丁寧な描写で描かれ、濃密な内容となっている。 特にラストシーンは、情感極まる凄まじいまでの完成度である。 ただ、『乱れ雲』に劣る点は、加山雄三の演技にどうも真実味を感じないことだ。 18年間も一つ屋根の下に暮らし、その間ずっと高峰秀子に対する愛を隠していたという設定にしては、熱意が足りない気がした。 又、最後の諦めの早さにも違和感を感じた。 特に成瀬映画なら、もっとパワー漲るしつこさを期待してしまう。 『浮雲』を観た時に感じた、あの観る者のパワーを奪う様なネチっこさが欠けているのだ。 ただし、名作・佳作揃いの成瀬映画の中にあっても、なるほど評判が高いだけあって、上位にくる作品ではある。 そして又、高峰秀子の演技は、加山雄三の熱意が足りない演技を圧倒するかの様に凄まじく、殊に乱れた髪で立ち尽くすラストショットは、強く瞼の裏に焼きついた。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-12-14 01:47:55) |
16.数多い成瀬作品の中でもトップクラス。当時大ブレイクの加山雄三を起用して義理姉に恋焦がれる青年を好演。お相手は勿論この人高峰秀子さん、しっとりと揺れる女心を演じれば天下一品!名演でした。 【白い男】さん [地上波(邦画)] 9点(2009-11-08 10:56:53) |
15.《ネタバレ》 途中まで見ていて「これは今まで見た成瀬作品の中でも最高傑作では?」と思ってみていたが、やはり問題はラスト。このラストを受け入れるかで映画の評価が大きく変わるのでは?決して結ばれない恋愛というテーマの映画は数限りなくあるが、この映画では高峰秀子の態度はあやふやで疑問が残る。途中下車時点で心を決めたかと思ったが、実際は抱擁はされても唇はだめよ!では納得出来ません。ここまできて加山雄三に「あなたは未来がある人だから」などといって拒絶しておいて、結局加山はやけ酒のすえ死んでしまう。高峰秀子の優柔不断な態度が、加山雄三の若い未来を奪ってしまったわけである。これでは悲劇というより単に「ふわふわしてるんじゃないよーー」と突っ込みも入れたくなります。それを差っぴいても演出、画像は全編素晴らしく、色々文句を書いてもこの高得点です。 【仏向】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-05-20 16:25:22) |
★14.《ネタバレ》 高峰秀子演じる礼子の感情の移り変わりの描かれ方にまいってしまいました。それは主に幸司に気持ちを伝えられてからの礼子の感情の変化、例えば「今どこにいるの?」という幸司に対する電話のやりとりの際の物憂げな表情など、一つ一つに細かく込められているように思います。これらの表現から求めてはいけない存在である幸司に対して、女としての複雑な心情との葛藤が、そして最後旅館で礼子が自分の気持ちの変化を幸司に告白するシーンでその重みを感じずにはいられませんでした。 【ぺろぽねそす】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-07-22 17:55:09) |
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13.《ネタバレ》 この評価平均点の高さは何? とちょっとビビリましたが、よくよく拝読し、ちょっとというか、かなり納得いたしました。数名不明ですが、ほぼ100%、男性レビュアーによる評価でした。なるほど、なるほど。これって、男心をそこまでワシ掴みにする映画なんですねえ。まあ、男だ女だとガタガタ言うのは好きじゃないが、この評価の高さは、どう考えても「男の理想とする女像」を高峰秀子に見たから、としか思えませぬ。たった半年だけをともにした亡き夫を18年経てもなお慕い、なおかつ、亡き夫の弟の愛の告白(?)に女として身悶えしながらも、貞節を貫く。この一途さと身悶え、これぞ、男心を捉えて離さぬ幻の女像。確かに、時代背景から言えば、このような女性は珍しくなかったかもしれませんが、一方では、復員したらかつての自分の嫁さんが弟の嫁さんになっていた、といった類の話は枚挙に遑がなく・・・。こんなに美しい女性が、かくも強く清らかに生きたのは、まさに映画そのもの。現実世界の女どもは、大して美しくもないのに、計算高くしたたかで・・・、ってのに辟易した世の殿方がググッと来るのもムリからぬ話。で、女の私はどう感じたか。故郷への列車の中、義弟の寝顔を見て、涙を目に一杯ためるその美しさには感動しました。・・・が! 途中下車して温泉宿まで行って、「堪忍して!」はないでしょうよ、ネエさん。ハイ、風情も何もない、身も蓋もない感想を抱きました。それがこの映画のミソであることは重々承知の上です。集う男性レビュアーの皆々様、ぶち壊しレビュー、および平均点下げ評価点、申し訳ございません。 【すねこすり】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-04-15 14:29:50) (良:1票)(笑:1票) |
12.これは凄い映画。これぞ純文学というような世界観もいいし、ラストも最高。 やばい。なにこの映画。やばいでしょ。やばすぎるでしょ。 【norainu】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-03-29 22:13:58) |
11.《ネタバレ》 主人公二人の会話はどの場面でも実に巧に描かれており、演出はそれを十分に引き立てて行われていました。コウジという人物は、一見だらしが無いように見えるが、実際は芯の通った気持ちの良い性格をしている。レイコとの複雑な関係を見ていても、彼は決して淫らな行為に走らないし、紳士的な態度を常に取っている。そこにはレイコに対しての真面目で真っ直ぐな彼の心を感じることが出来た。そんなコウジを観ている人間は好きにならずにはいられない。例えば、彼の面白くて具体的な性格の一面がわかりやすく、脚本上二日目の晩に出てくる。麻雀をして帰ってきたコウジはレイコにピシャリと「ご飯はいらない」と言っておきながら、気付くとガツガツと食べているところは本当に愛くるしい。また、終盤での列車の車中でコウジはここでも「寝ない」といっておきながら、ワンカット挟んだ次のカットではグッスリと眠っているといったように、コウジの性格は憎めないほど可愛らしく、好きになってしまう。また、そういったコウジの性格を18年間傍らで見つめていたレイコにとってはそれが全ての思い出を集約しているように見えたのでしょう。だからこそ、あそこでレイコは下車しようと言ったのでしょう。そんな二人の関係性は演出でも描かれていました。二人が会話する際、ほとんどどちらかが背を向けている形になっている。また、追いかければ逃げる。近付けば離れるという動きの演出も実に素晴らしかった。そしてそんな演出があるからこそ、二つの電話のシーンがより感動的なのではないでしょうか。顔と顔を見合わせていませんが、画面で見る限り、カットバックされており、まるでそこに二人がいて向かい合っているように見えました。コウジの不器用な性格とレイコの頑な優しさが見て取れます。酒の力を借りて、顔をあわせないことをいい事に素直な思いを告げるコウジ、変わらぬ優しさを持ち続けるレイコ。演出の細やかさが画面からヒシヒシと伝わってきます。そしてラストの高峰さんの表情。嵐の前の静けさを通過し、嵐が訪れ、呼吸を乱し、髪を乱して走るレイコ。いつも淡々とした美しさを保っていた彼女が乱れる。凄すごる映画だ! 【ボビー】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-11-25 18:44:58) (良:2票) |
10. 高峰秀子が見たくて借りてきました。高度成長を迎えようとする日本の風景や心情なども昭和30年代ファンの私としては見ていてたまりません。平凡にまじめに生きてきた戦争未亡人と彼女に思いを寄せる義理の弟の話という、一歩間違えば陳腐なメロドラマになりそうな話なんですが、日本の恋愛映画でもかなり傑作といえるのではないでしょうか? 最後のシーンは雪が降るのを想定してロケをしていたらしいですね。ラストの凸ちゃんが忘れられません。 【パオ吉】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-07-31 15:58:22) |
【fuji】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2007-07-24 03:35:00) |
8.《ネタバレ》 ここ数年、昔の日本映画を多く観てきて、沢山の素晴らしい日本映画と監督を知るようになってはいたものの、どういう訳か成瀬巳喜男監督の映画だけは一つも観ていなかった。今回、初めて観た訳ですが、どれを観ようか?どれを借りようかと悩んだ結果、何故、この作品を選んだかと言うと脚本に松山善三とあったからで、それだけの理由で借りてきました。まずこの作品、内容はかなり重苦しく感じるものの、見応え十分の作品だと思った。加山雄三が姉である高峰秀子に対し、愛を告白する場面とその時の高峰秀子の演技が素晴らしく、こういう役を演じさせると高峰秀子の右に出る者はいないと改めて感じると共に自らの苦しい胸の内、作品のタイトルにもなっている乱れる心を見事に演じきっている。成瀬監督作品、これが初めてだけど、他の作品も観ようという気持ちが今まで以上に強まりました。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-08-12 18:42:01) |
7.《ネタバレ》 厳しい。それしかこの映画を表現できない。「女性としての幸せ」を最後は自らの手であきらめ、禁断の恋に溺れず現状に踏みとどまる選択をしたにも関わらず、その報いは斯くも残酷なものなのか。義弟加山雄三の死因が永遠にわからないというのも辛ければ、その死体が義姉高峰の側を離れていくあのカット!なんてやりきれないんだ。一歩間違えればちんけな昼メロの域を出ないこの話を監督成瀬の演出力・俳優達の演技・そして松山善三の脚本は邦画史上屈指の恋愛映画の傑作に仕立て上げてしまった。俳優加山の名演技もさることながらやはりここは日本を代表する名女優、高峰秀子の素晴らしさを堪能したい。最初は平凡な未亡人だった彼女が劇中で義弟加山に告白されてから本当に色気のある、芯から「美しい」女性に変わるのがスクリーンから伝わってくるのだ。そしてあのラストシーン。当初はこれ9点にしたけど、満点付けさせてもらいます。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 10点(2006-06-24 18:27:22) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 自分、成瀬監督の映画のタイトルってなんか品格があって大好きなんですよ。(後期の「女の座」とか「女の歴史」あたりは除く)この作品もこのストーリーで「乱れる」とは・・・卓越したセンスを感じます。確かに加山雄三の心は最後まで乱れまくってますもんねえ。今ならさしずめ「変○家族・兄貴の嫁さん」(←ありえないしかもパクリ)だろう。割と画面的には平穏無事に円満終結を迎える成瀬映画傑作群の中、義弟加山の死に衝撃を受けた高峰秀子のアップを捉えたまんま、まるでフィルムをわざとぷっつり寸断させたかのような印象のラストシーンは、他に例をみないかなりのインパクト。晩年サスペンスにも意欲をみせ、従来のタッチから方向転換しようとしていた成瀬監督の野心と気概がこのシーンだけからも充分に伝わってきます。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-02-25 14:39:38) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 義弟のため、店のために自ら去ることを決めた高峰が、ほんの一瞬だけ自分の幸せを掴もうとした。だけど、やはり義弟のため、義母のため、店のためを思って義弟に帰れと言う。義弟も、自分の想いとは別に、高峰が店や母や自分のことを考えてくれる気持ちが痛いほどわかるからこそ、身を引こうとする。そこに起きる想像もしていなかった。悲劇。事切れて運ばれていく義弟を髪を乱して見つめる高峰の表情がこの映画の中で抜群に美しかった。実家に干渉しつつも自分の利益だけを考え、高峰が出て行くことが決まったら店、母の心配などせずに逃げるように去っていく娘と高峰の差が際立って、高峰の2度の決断と、それによってもたらされた結果、そして最後の表情が心に残る。 【アンダルシア】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-02-24 15:20:04) |
4.この映画は「乱れる」内容の作品であることを正直にタイトルで告白している。加山雄三は「絶対言うまいと思ってた」と言うが、言わなきゃドラマにならない・・・ではなく、言わなくたって言葉や態度の節々に表れる。高峰秀子だって本心ではずっと前からそうと分かってた。あんなエピソードから、加山が清水に戻ったのは浜美枝のため、なんて類推する奴はいない訳で。ある意味、そういう発言を引き出す状況に追い込んだのだ無意識に。だって、女なんだもん。 【伯抄】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-09-18 14:32:46) (良:1票) |