59.《ネタバレ》 『マフィアのモルテスが捕まる。看守と友達になる。友達の看守に購入を頼んでいた宝くじが当たってしまう。それを看守が盗んだと勘違い。もうすぐ刑期が終わるのに、脱獄。友人看守と共に宝くじを求めてアフリカへ。』
⇒プロットは凄く面白いのに、何故こんな中途半端な作品になってしまうのでしょう。
もともと度を越えた悪ふざけ映画にはついていけないタチなので、個人的な好みの問題もあるのかもしれません。
モルテス以外は出てくる人物が変人ばかりで、変人ノリにもついていけません。
ブラックユーモアのつもりなのか知りませんが、簡単に人を殺してしまうのも良くありません。
気楽に見られるタイプのコメディ仕様なのに、結構エグイ演出もあったりして、バランスが良くない。
ラストのオチも好きになれません。『悪銭身につかず。』というくらいですから、モルテスが犯罪によって得たお金ならこのオチもありですが、宝くじで当たった正当なお金を、こんな形で失うなんて見てていたたまれません。笑えないです。
何にせよ、この作品はフランシス・レジオを『面白い』と感じるか、『ウザイ』と感じるかで好みが真っ二つに分かれそうな気がします。
レジオを終始『ウザイ』としか思えなかった自分にとって、レジオはまさに『ル・ブレ(厄介者)』であり、かなりイライラさせられました。
それでも序盤から中盤くらいまでは楽しかったんですけどね。
終盤も、『モルテスVSトルコVS宝くじを狙う商人VS黒人兄弟』の四つ巴戦に、レジオの妻ポーリーヌが意外な活躍を見せたりと、バトルが盛り上がる展開は好きなんですが、その後もダラダラ続けちゃったのがイタイ。
続けるとしても、レジオがキャンピングカーで迎えに来て終わりくらいにしてくれれば、『厄介者が最後に活躍』という締めで終われたのに、最後の最後まで、最悪の厄介者で終わっても不快感が残るだけです。
純粋にドタバタ劇を楽しむだけであれば、それなりに楽しめる作品だと思います。