150.《ネタバレ》 第一印象は、『ビジュアル一流』『脚本二流』『演技は三流』というイメージ。
見ているほうが恥ずかしくなるようなセリフと演技の数々。
プロットはもろ『マンガ』で、『E.T』や『マトリックス』や『ターミネーター』にインスパイアされている感じですね。
やたらバイオレンスだったり、やたらコメディタッチだったり、映画としてのバランスもそんなに良いとは思えません。
失礼ながら、『B級臭丸出しの作品が、頑張って背伸びしちゃってる』と感じるのです。
オープニングの金城武の棒読みのシークエンスから、はっきりとこの映画の『レベル』ってのを感じ取ってしまって、つまりはそれ以降なめて見ていたんですね。
『擬態宇宙船』やら『加速装置』やら、いろいろと面白そうなギミックを見つけては、喜びます。映画の内容とは関係ないとこで遊んじゃう感じです。ずーとそんなぬるいテンション。そしていよいよクライマックス。
『あー終わったー。そりゃ普通に帰るよねー。消えていく映像すげーじゃん。なんか感動的ー。』
とか思ってて。そんで、
『ん?まだ続くのかい?下手に長引かせないほうがよろしいんじゃございません?』
と思っていたら、『ん?ん?あー!!そーゆーことかー!!』
と、油断していた私は、まんまとこの映画の仕掛けに引っかかりまして、そりゃあもう最高のラストを感じられたわけですね。
これが完成度の高い作品だったら、きっと気付いちゃったであろう仕掛けに、気付かないおかげで感じられたラストの驚きと清涼感。
タイムスリップものは『タイムパラドックス』の問題が入ってくるとややこしくなるから苦手なんですが、この作品ではその辺はスルー。そこも潔くてわかりやすくて良かったですね。
死にかけの宇宙人も、宇宙船団が故郷に帰るための『門(ゲート)』としての役割だったわけで、彼がいないとみんな帰れなかったわけですね。そんで地球人のせいで故郷に帰れなくなったから、報復で地球人を皆殺しにする未来を変えたわけだ。
大きなプロットも、小さなプライベートストーリーも、すべてが丸くおさまって、観終わった後はなかなか気分爽快でございました。