1.《ネタバレ》 これは隠れた佳作だと思います。同じ歳の差恋愛を描いた『エレジー』より遥かに素敵です。どこが? そりゃ、恋に落ちる2人がです。『エレジー』は下心満々のエロ爺ィと、自分の魅力をしっかり自覚した若い女性のオハナシでしたが、こちらの初老のおじさんは、エロ爺ィではありません。子どもに毛の生えたような少女も、ヒッピーで素直で可愛らしい。別に恋愛の形なんかそれぞれなので、どっちでも結構ですが、映画として見ていたくなるのは明らかに本作です。ラブシーンの描写も素敵です。ただ、奇しくも両作品が共通して描いた歳の差恋愛の挫折要因は「男の方の自意識過剰」でした。「オレみたいなオッサンがこんな若い娘と・・・、何と思われることやら」ですね。そりゃまあ、色眼鏡で見る人は多いでしょう。世間体をより気にしてしまう、男の方が社会的生き物なんでしょうかねぇ・・・。こちらは、ちなみにハッピーエンドで、爽やかなラストシーンが用意されています。『エレジー』みたいに深刻な病気を持ち込まず、それもポイント高し。これは、きっとイーストウッドに同じような経験があるのだろうな、と思います。恋多き男ですから、彼は。彼のロマンチシズムが凝縮された、そして、彼の監督としての才能の片鱗が感じられる逸品です。