10.《ネタバレ》 ヨーロッパ映画のいいところは、何がリアルで何が不自然とか全くわからないまま丸ごと受け止められるところかな。
この映画なら、街の古さ・汚さ・狭さもトルコ人街もトルコ右翼もマフィアもマドレーヌに出てきそうなお針子店もゆるすぎるセキュリティの警察もフリーダムすぎる警察官も、すべて「フランスってこうなんだ~」とフツーに観れてしまうところ。
そーゆう無茶な設定もちょいご都合すぎるストーリー運びもすべて含めて、面白かったです。
主役刑事(イケメンすぎない程度にイケメンなのがよかった)に気持ちを寄り添わせて鑑賞すれば、ストーリーも二転三転するけど、難しくないし、ちゃんと謎は全部とける。
ヒロインの人格を消した軍の狙いがちょっと(実はかなり)不自然なだけで、あとは問題なしです。ふと警察の麻薬課って軍より強くて融通効くの~?と疑問に思いましたが、そこはほら、「フランスだから~」(笑)。
ジャン・レノ、最初は嫌な感じの大御所チンピラみたいに出てきましたが、徐々にに凄みを増し、最後もやっぱりジャン・レノでよかった、みたいな幕引きで大団円でした。
面白かったので、また観たいです。
あ、一ヶ所だけとけない謎が。記憶と人格を塗り替えられたヒロインが、夫に対して「見知らぬ人」と思うのは当然として、なぜ他人がゾンビに見えたりしたんでしょうか。
映画として面白くするためだけで、そこにあまり深い意味はなかった?
仏映画って、いらない部分に妙に残酷というかグロ描写がありますよね~。そういう映画作りの風土なのかな~?
きっと、日本の2時間ドラマに「犯人と刑事が崖で対峙するシーン」が必ず出てくるのとおなじなのかも。