7.《ネタバレ》 とにかく革命、暗殺に対して真っ直ぐで真面目な内容。 オムニバス形式ではあるものの、千葉真一のパートが極端に長過ぎて、間伸び感、退屈感あり。 そこそこ楽しめたが、特筆するほど凄い映画とは思えず。 【にじばぶ】さん [インターネット(邦画)] 6点(2022-07-19 19:46:03) |
★6.《ネタバレ》 監督、脚本、役者がやくざ映画の常連だからかテーマがあまりにも過激だからか低く見られている気がする一本。 これは日本映画史上に輝く大傑作やで。 こんなにも情念に満ちた日本映画が他にあっただろうか。 人が信仰や思想に目覚めた瞬間をこんなにも生々しく映画いた映画が他にあっただろうか。 人が人を殺す原動力、正義の源泉とその結果をまざまざと見せつけられる。 さりげない会話の中に革命家の論理の飛躍がみてとれて興味深い。 壮士ぶった人たちの欺瞞もきっちり触れられていてホンモノとニセモノの違いが良く分かる。 ただ過激なだけではなく細部にもきっちりこだわりを感じる。 【CBパークビュー】さん [DVD(字幕)] 9点(2018-11-11 18:18:56) |
5.《ネタバレ》 これはもう血盟団事件と小沼正のことを描いた映画だとしか言いようがありませんね。聞くところによると、実際に小沼正のことをテーマにした映画を撮るために中島貞夫と笠原和夫が脚本を書いていたら、社長命令でオールスター方式の通史形式になったんだそうです。まあそこは140分の上映時間のうち100分が血盟団事件に尺をとっていることからもうかがえます。脚本は時代を反映しているというか全共闘世代に媚びているというかアジっているような過激さで、自民党筋から製作中止の圧力がかかったというのも頷けるアナーキーさです。ラストの226事件の首謀将校たちの処刑シーンなどは、ちょっとトラウマになりそうなぐらいです。でも小沼正を演じる千葉真一は彼のフィルモグラフィ中でも屈指の名演を見せてくれます。彼は同時代の黒沢年男みたいな激情的な演技が持ち味だったんですが、本作ではそれなりに抑えた演技を見せてくれて魅力的でした。彼と悲恋の関係になる藤純子も、博徒映画の姐御というイメージを払拭させてくれる好演です。脇を固める片岡千恵蔵の井上日昭もさすが千恵蔵という存在感で、多少セリフ回しに灘がありましたがその怪物的なカリスマは圧倒的な迫力があります。 桜田門外の変から始まって226事件までの暗殺事件を取り上げていますが、犯人が処刑もしくは自害で終わらなかったのは、血盟団事件とその影響を受けたこの映画では取り上げられていない515事件だけなんですね。小沼正にいたってはこの映画の製作時にはまだ存命で撮影を見学したっていうのだから驚きです。やはりこの事件が起きた昭和一桁のころは、日本の社会はテロに甘いというかまだまだ民度が低かったと結論付けるしかないでしょうね。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-04-18 20:52:56) |
4.千葉真一をはじめとする主演陣の熱演は素晴らしい。 日本の歴史が好きな人は楽しめるんじゃないんでしょうか? 【ガブ:ポッシブル】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-08-30 17:19:25) |
3.《ネタバレ》 桜田門外の変から226事件までの日本の暗殺テロ事件の歴史をオムニバス形式で描いた東映のオールスター大作。描かれる9つの事件はそれぞれを題材に個別に映画化していてもじゅうぶんに見ごたえがありそうなボリュームを感じるのだが、それをオールスターのオムニバスでやってしまったところがいかにも東映らしい企画で、東映だからこそできた映画だろう。最初の20数分間にダイジェスト的にひたすら暗殺シーンを描いているが、普通なら単調になってしまうような構成でも勢いがあり、それをほとんど感じさせないのがいい。その中で印象に残るのはやはり高橋長英主演のギロチン社事件のエピソードで、冒頭の土手で友達に自らの思考を話すシーンや、最後のシーン、死刑台に向かうときの独白がどこかこの主人公 古田大次郎の切なさが感じられて良かった。そして本作のメインエピソードである千葉真一主演の血盟団事件。このエピソードだけはたっぷりと時間を割いて描かれており、単なる見世物的でなく、主人公 小沼正の生き様を描いた人間ドラマとしても見ごたえのあるエピソードだ。小沼を演じる千葉真一は「仁義なき戦い 広島死闘篇」の大友役で、狂犬のようなキレた演技が印象に残っているが、それから4年前の作品である本作ではそれとは逆の繊細さもある青年役を演じていて新鮮だし、この小沼も大友と同じくハマリ役だと思う。「広島死闘篇」で北大路欣也が演じた山中を最初は千葉真一が演じることになっていたというのも本作の小沼を演じる千葉真一を見ればよく分かるし、もし演じていたらどんな山中になっていただろうとつい思ってしまった。その小沼の同志である藤井を演じる田宮二郎はこれが大映を解雇されたあとの初出演映画だそうだが、やはり存在感があり、熱演を見せていて素晴らしく、その熱演に本人のやっと映画に帰ってこれたといううれしさも垣間見えた。それからお竜さんとはまったく違う印象を残す藤純子も良かった。最後の226事件のエピソードが途中まで白黒というのもドキュメンタリーチックで効果的だった。主人公を演じる鶴田浩二が年齢的にちょっと無理のある青年将校の役だが、きっちりとハマっていて、存在感があり、ヤクザ映画でのカッコ良さとは別のカッコ良さがある。そして、死刑を待つだけの仲間たちが入った牢を横切るときの演技がなんともいえず、その鶴田浩二に一人ずつ声をかける仲間たちにも切なさを感じずにはいれない。このシーンはまさに名シーンだろう。全体的に見るとちょっとオムニバスとしては不満があるのも事実なのだが、骨太な力作で、見終わったあとはじゅうぶん満足できる映画だったと思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-08-15 23:57:23) |
2.《ネタバレ》 有村次左衛門役の若山富三郎(桜田門外の変)、朝日平吾役の菅原文太(安田善次郎暗殺事件)、小沼正役の千葉真一(血盟団事件)、相沢中佐役の高倉健(永田鉄山暗殺事件)、磯部浅一役の鶴田浩二(二二六事件)と東映スター揃い踏み。単なる暗殺事件のオムニバスといってしまえばその通りだが、歴史好き、暗殺物好きには堪らない快作。惜しむらくは戦後最大の暗殺事件である浅沼稲二郎暗殺事件もやってほしかった。犯人の山口二矢は渡瀬恒彦辺りでどうよ。 【Q兵衛】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-08-04 16:25:34) |
1.《ネタバレ》 オールスター陣が実在の日本のテロリスト達を熱演というだけでも満足なのに脚本ががっしりしててお腹一杯。POV方式を用いている話には驚きも(テロリストのPOV…)。 惜しむらくは怒涛のテロ話連打の後に出てくる千葉真一主演、血盟団編の長さ。ここでいきなり話が長くなりテンポがかったるく感じられてしまうのが残念です。長いだけの理由がちゃんとあるものの、自分の体感では長いです。好青年な千葉真一、テロリズムの真髄を熱く語る田宮二郎や胡散臭い迫力に満ちた片岡千恵蔵の演技などは最高。そしてラストの226事件でのトラウマもんなクライマックスの画を超えてゆく鶴田浩二の演技も最高。 エピソードだと高橋長英主演、ギロチン社事件の会話と切なさが印象的。 個人的な愛着も込めて8点とさせていただきます。 【マッイヤ~ン】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-07-29 23:38:24) |