107.《ネタバレ》 これはハリーポッター系のファンタジーかと思ったが、そうでもありませんでしたね。
現実世界が大半をしめております。
良質の少女ファンタジーを期待した僕はそこら辺で、アレレ、、、と肩透かしを食らいました。てか、腹に重いボディブローをモロに喰らったのです。ゲフゥ!
スペインの暗黒時代だとか、、、大変恥ずかしい事ですが、この時代背景にあまり詳しくありません。
しかし、ファンタジー部分を除けば見事な戦争映画そのものというか、、、スパイあり、クーデターあり、拷問ありの、壊疽した脚の切断ありと、、、見ているのも辛い辛い戦争映画のそのまんま。戦争映画の重苦しさで満たされとります。
「現実」は本当に現実的で、そこからはいろいろな苦しい状況が伝わってきます。
「戦争」=「現実」というのはもっとも恐ろしい残酷なことです。
その「戦争映画」に「ファンタジーの妖精」が登場するのですから、自分の中ではかなりブッ飛んだ光景でした。
しかし、現実と幻想世界との対比が見事だったように思います。
現実では人の死というものを突きつけられます。現実は死と苦しみの世界です。
だから母が出産で死んでしまう、この「死」というものは、なかなかリアルに伝わってきたように思います。
母は妊娠出産の過程で大量の血を流すのですが、その苦しみとか、それと拷問の残酷さとか凄い伝わってきて、それが「現実」なのだと思わされます。
しかし現実といっても酷すぎるのです。それが現実の時代も確かにあったのでしょう。
そこで必要になってくるのが「ファンタジー」なのだと、ファンタジーの必要性についても考えさせられます。ファンタジーのあり方といいますか。
だいたいファンタジー映画は現実がリアルに描かれていない、現実世界をリアルに描き過ぎるとファンタジーが影を潜めてしまう、、、のですが、、、
本作は「現実」と「ファンタジー」とがカッチリと分かれていて、お互い相容れない感じが印象的でした。
分かれているからこそ、ファンタジー世界が自立してちゃんと存在している。
しかし美少女ですね。少女の哀しいファンタジーって美しいです。まさにファンタジーの理想形。
大樹も出てきますし、森や迷路はファンタジー世界とつながっているんだと思いますよ。
はじめの石像とか、大蛙とか、ちょっと「千と千尋」の影響を感じたのは僕だけか?